落ちこぼれの中卒フリーターとトップアイドルとの出会い4章 Part1
冬も終わりを告げ日差しの方も日に日に強くなり桜のつぼみが
今にも花を咲かそうと、人間たちを喜ばせようと微笑みながら頑張っている
来週の今頃には、桜の花は咲いているのだろうか
そして、咲いても散るのが早いのも桜という花の運命でもある、彼ら彼女たちのように…
和美「優也!お母さん今日、仕事で遅くなると思う
ここにお金を置いておくから好きなもの買って食べてね!いい?」
優也「あぁ…」
和美「できれば体にいいもの買って食べてね!わかった?」
優也「あぁ…」
和美「じゃあ行ってくるわね!」
ガチャ(ドアが開く音)
バタン(ドアが閉まる音)
優也「あぁ〜ウゼぇ、くそつまんね〜学校なんて行く気しねえよ…サボろうかな」
俺の名前は田村優也、都内の私立中高一貫校に通う17歳の高校生だ
将来の夢は、できるだけ早く人類が滅亡することを願う人たちと仲良くなること
自分のことを一言で言うならどうしようもないひねくれ者だ
どんなことに対しても情熱もなければ、熱意もない
毎日、毎日くだらねえ〜というのが俺の口癖
優也「あーくだらね〜学校サボりて〜」
その頃、時を同じくしてある場所にて
家政婦岡田「飛鳥さ〜ん起きてください!飛鳥さ〜ん!」
飛鳥「もぅ!!うるさいなぁ! 起きてるよ!」
家政婦岡田「はい、はい!朝ごはんをしっかり食べて今日も元気に学校に行きましょう!
ほら!今日はいい天気ですよ!」
飛鳥「もう、今日は体がだるいから学校休む …」
家政婦岡田「またそんなこと言って…麻衣美さんが悲しみますよ!」
飛鳥「…あんな奴、母親じゃないよ!だって全然家に帰ってこないじゃん!
私のことなんてどうでもいいんだよ… 」
家政婦岡田「そんなこと言ってはダメですよ!麻衣美さんは
毎日毎日、映画やドラマの撮影で忙しいんですから、わがまま言わないでください !」
飛鳥「……」
家政婦岡田「それより早く朝ごはんを食べてくださいね」
飛鳥「今、食べるよ…」
私の名前は小野飛鳥、今や日本を代表する女優白岩麻衣美の一人娘だ
どこに行くにも周りの人たちの会話には、母の名前が出てくる
正直もう、うんざりだ…私はしょせん、母の飾りの一部
子どもの頃に受けたオーディションでは落ちたことなんて一度もない
それはおそらく女優、白岩麻衣美の娘ということで大人たちには、都合がいいのだろう
そして、周りの子役たちからしてみれば、不平不満だらけで頭にきてるはず
実際、悪口を言われたことなど多すぎて、もうなれてしまった
今はとにかく人生というものが、くだらなくつまらな過ぎて嫌になっている…
若くしてすでに人生という荒波に飲み込まれてしまっている2人
この後、2人の運命はいったいどうなっていくのであろうか
Part2へ続く