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第70回全日本剣道選手権大会 優勝予想

今年もやっていきたいと思います。
予想自体は、個人的なものではなく、過去の全日本のパターンをみてみて、この人が一番可能性があるかな?という形で紹介します。

予想する事前準備

①下剋上が起きる可能性があるが、初出場での優勝は厳しく、基本的に実績

もしかしたらこの人が初優勝するかもしれないという観測的なもの、勝負は時の運ともいいますが、剣道の優勝候補を予想する際には、残念ながら当てはまる可能性は限りなく低いです。人が審判をしている限り、その競技の性質上「公正」に近づこうとはするも「公正」になることはありません。人は打突の認知に0.3秒かかりますが、手元が上がってからの打突スピードは速くて0.26~0.45秒くらいです、つまり、0.3秒切る場合がある、ましてや、動体視力が落ちているであろう8段が審判であり、そこには主観的な判断が発生します。そうすると、初出場で実績のない選手、暗黙の了解の雰囲気を実績のない選手は、大会の雰囲気にも慣れなきゃいけないのに、更には、審判に「おっ!」っと思わせる「位のある攻め」も要求されます。全日本剣道選手権というハイレベルな戦いにおいてそれを突破するには想像以上の労力を要します。1回戦の相手はトーナメントで決まっているので、1回戦の相手に対して何かしらの対策を立てることはやります。なので、短期的な番狂わせは発生する可能性は高いですが、長期的な番狂わせの発生は非常に低いです

初出場選手の優勝が厳しい理由としましては、もう一つ、準決勝から試合時間が10分という全日本特有ルール。これはどういうことか?序盤に1本決めてもあんまり意味がないということですね。すると、全日本剣道選手権のレベルではどういったものが求められるかというと「序盤で1本決めた場合はもう1本とりにいかないと1本取り返される」ということです。序盤で1本決めた場合はもう1本とりに行ける「攻撃力」がないと8段の審判ですから守りに入っていると思われてしまった場合、攻めてる方の旗があがりやすくなります。この試合時間10分の展開になれていないと混戦になればなるほど動きが雑になっていきます。

こちらの通りですね。
優勝している選手の中では、その前回大会に置いて、何らかで入賞しているパターンが非常に多いです。
安藤戒牛は全日本制する前に警察大会、学生大会計3回優勝しています。

寺本将司選手14年前で、3回戦どまりの選手でしたが、優勝した年は、全日本の前に行われる全国警察剣道大会で個人戦優勝しております

正代賢司選手は、優勝する前年は3回戦ですが優秀選手、全国警察大会個人3位ですね。優勝してから知名度を上げた選手。

この記事的の予想に反する番狂わせは、ここ30年でみると、7年前の竹之内選手、鈴木 剛選手、近本 巧選手。実は昭和の時代は入れ替わり激しいのですが、現代の剣道ルールに準ずれば近年の方が参考になるかと思います

②全日本剣道選手権の審判は八段

全日本剣道選手権で日本一を輩出するということは、八段の審判の責任問題になり、下手な剣道(剣道らしからぬ剣道)をして優勝した剣道人が世に広まった場合、剣道界に大きな影響を与えます。そのため、どの全国大会よりも旗はあがりにくいです。有効打突の条件以上に「攻め勝った1本」というものを求められます。先程述べましたが、人は打突の認知に0.3秒かかりますが、手元が上がってからの打突スピードは速くて0.26~0.45秒くらいです。動体視力は人間で一番最初に衰える部分ではないかと言われている中、八段の高齢の審判は「当たった」「当たらない」で旗を挙げることはできません。特に「引き技」「近間からの技」「無駄打ちが多い」パターンなど、8段の審判は旗をあげたくなくなります。全日本剣道選手権の場合は、ただ単に1本1本じゃ成り立たない立ち回りも要求されるということです。じっくり打突の機会を伺うまでは中段の構えを崩さず、一撃にかけるような「捨て身の打突」が出来る選手が好まれます。

③苦手意識・ビギナーズラックは脳科学的には「ありえる」

人は、相手に対して負けた印象を1回植え付けられてしまうと、脳がその相手に対して「マイナス」の意識が働きます。

特に『長所』を突破されて敗退した場合は、次の試合で当たった場合も敗退する可能性があります。

引き銅で1本負けするより、相面で負ける方が苦手意識は強くなります

そういった意味で、全日本選手権で「負け」を知らない若手は一気に優勝へ駆けあがっていく可能性がありますし、逆に、何回も出場し続けている選手というのはこの「マイナス」の意識が脳に働くため、慎重な剣道になる可能性があります。

なので、トップクラスの過去の対戦実績・1本の取り方・取られ方は重要なデータになります。また、初出場や出場2回目で前回好成績を収めている選手は、恐れを知らないので元気あると思います。

データは会場の雰囲気や審判が同じものが参考になるので基本的過去の全日本選手権の試合内容の勝敗はチェックします。

この苦手意識を克服するためには、過去に一本取られた脳の記憶を打ち消してでも自分の得意技を機会の時に出し切ることが求められます。これは、慎重派やベテランになればなるほど難しいことです。逆に、怖いもの知らずは短期決戦では強いです

④コロナ禍における稽古不足

これは去年知らなかったんですけど、警察は特にここ数年は稽古そのものも自粛していたみたいですね。
去年の大会も、悉く警察勢が結果が出なかったということで、今年は警察大会もありましたので、おそらく再開はされているだろうと思いますが、去年、予想を外したこともあり過去のコロナ前の実績はあまり参照しないことにして優勝予想を立てたいと思います。

優勝予想はこちら

星子啓太:本命

前回大会優勝者。勿論、そんなに簡単ではないんですけど、メンタル的に下手なことがなければ、優勝は堅いのではないかなと思ってしまいますね。仮に、決勝戦が松崎選手相手だったら、その時は五分になりますが、それ以外の選手のカードだったら、有利に勝っていくのではないかなと思います。
1:年齢における身体的な強さ、24歳でスピードだけじゃなくて、足幅若干広い分、反応も良いです。
2:全日本選手権での立ち回り方、勝ち方を知っているんですよね。コテを警戒する相手には出バナメン、これが前回大会かなり強力でしたね。対策は立てにくいです。
3:怖いもの知らずの精神面、全日本選手権で負けことあるのが身内である松崎選手だけ。1本を取られるというイメージを持っていないと思いますので、強気で攻めていけば、何も怖い物はないと思いますね
4:ディフェンス面、九州学院出身の選手は、なんというか堅いですね。前々回大会の松崎選手のメンにいくと見せかけてのコテを読んで、それよりも先に飛び込みメンを打っていくというのが、狙い目かもしれませんけど、初見だと厳しいと思いますよね。
3回戦が、地白選手、西村選手、怖いもの知らずの若者枠で寒川選手、誰が勝ち上がってくるか正直わからないので、ここが今大会重要ポイントですね
。西村選手ともやりたくないですけど、寒川選手とやるのも若干嫌ですね。
対策としましては、前回大会、林田選手が飛び込みメンに対して相メンをのせられてとられていますが、メンが得意の方の技選択はこれでいいと思います。足幅が広いということは、その分、遠くへは飛べないんですね。勿論、崩してこようとして、手元を挙げさせたり、メンを打たせようとどんどん仕掛けてきますが、中心を制した状態で決して身体が崩れないということが攻略のカギなのかなと思います。現状の総合的な能力値が高いので、リスクは勿論ありますけど、その中でも、奇襲の択としては逆ドウを打つとか、ツキをみせるというのは、「完全に想定していなかった」という択としてはありかなと思います。

このように、対策も非常に厳しいので星子選手に関しては、松崎選手と当たった場合以外、余計なことを考えなければ、無難勝ち上がると思います。

松崎賢士郎:対抗

前々大会優勝者。決勝で星子選手に対抗できる一番の選手ですね。同級生で、お互い手の内分かっている状態なので、前々回大会の勝利によって、星子選手が松崎選手に対して苦手意識があるとは思わないですけど、決勝戦で星子VS松崎が実現すれば、どちらが勝つがわからないです。だから、対抗になります。
左側のトーナメントだと、林田選手とベスト4でぶつかるかもしれませんし、安藤選手が上がってくるかもしれない。準決勝は勝ち上がれるか予想がつきません。そして、ベスト8で國友選手に当たった場合、やはりいいイメージは持っていないでしょう。左側のトーナメントの方が誰が勝ち上がってくるか予想が尽きずらく、星子選手よりも決勝まで勝ち上がるのが難しいという点で「対抗」になります。

宮本敬太:穴

激戦区東京都予選1位。警察大会の動画もアップされておりますが、大分いいのではないでしょうか。
精神的にも今年に対する想いは高いような気がします。
「初優勝」の可能性でしたら、一番高いですね。
山場は、準決勝で星子VS宮本と、このカードですね。ただ、お互い警視庁で手の内が分かっている状況。普段の稽古内容は不明ですが、他の選手よりも星子選手に勝つ可能性があります。それで、準決勝で星子選手に勝ったら、勢い乗って決勝も勝ち上がるのではないかと思います。

安藤翔

今年度から転職したようですが、わざわざ激戦区の東京に移ったわけですから、全日本選手権大会に優勝するために今年は挑んでいると思います。もしかしたら、稽古の環境が変わって、短期間で「試合勘」を取り戻してくるかもしれません。そうなった場合の当時の仕上がり次第でわからなくなります。
個人的見解:
毎年言っていますが、個人的には「北海道勢」を応援しておりますので、安藤選手の優勝が一回みたいですね。
私は勿論、全日本選手権のレベルで戦うための身体の感覚と間合いの感覚とか、加齢による身体の変化など敏感な部分というのはわからないですし、こういった剣道をするべきだなんて言えないんですけど。優勝狙うんだったら、得意な技を押し付けるような攻め、メンとツキを中心にゴリゴリいって1本は取られるリスクは背負ってもいいから2本取るというスタイルの中で、コテが最終的に1本になる形になれば、新しい発展形になると思います。
東京都予選は別にいいと思いますけど、全日本選手権では、あんまり慎重にならずに、逆にゴリゴリいって欲しいですけどね。
内村良一は、30代後半で出場した時、後の先の技が多くなってまして、メン返しメンも1本になっていましたね。しかし、一本取る技は変わっているんですけど、気迫100%でゴリゴリ攻めていってますから、長年勝ち続けていたと思いますよ。

西村英久

こちらもその日の仕上がり次第なところがあります。前回実績重視で勝見選手を優勝予想にしましたが、警察の稽古環境がちょっとわからないですし、優勝予想方針を変えております。
ただ、今大会の1回戦では西村VS寒川は非常に見所ポイントとなりますし、2回戦が星子選手と当たりますので、西村VS星子となった場合、事実上の決勝戦ですよね。しかし、1回戦の寒川選手でも、西村選手の動画たくさんみてかかってやろうっていう気持ちでくると思いますのでね、1回戦もしんどいんですよね。
寒川選手は高校時代の試合動画みたことありますが、動きの柔らかさが天性のものですね。やっと全日本出てきたかと思いました。
最初の段階で活きの良い若手と優勝候補にぶつかるわけですが、ここ2試合もし勝ったら、そのまま優勝すると思います。

林田匡平

去年が非常に仕上がっている状態だったんですよね。そんな中で去年の決勝の飛び込みメンに対する相メン。一番の持ち味の技を正面から対応されたので、星子選手に勝てるイメージわかないと思うんですよね。そうなった時、決勝戦で戦う可能性が一番高いのは星子選手なんで,,,,,ということです。
優勝するために、大阪府警察特練に参加しているとかだったら、話は変わってきますが、まぁ、警視庁で直接対策立てながら稽古しないと厳しいかなと思ってしまいます。
ベスト8、ベスト4とかは容易に想像できるんですけどね。

國友錬太郎

前回が2大会ぶり出場で1回戦敗退したんですけど、これは前回大会の予想記事にも書いた通り、想定内でした。西村選手もですけど、優勝した次の年ってプレッシャーが強くて1回戦で負ける可能性が割とあるんですよね。そこで優勝経験者としての肩の荷が下りて、今大会は、気負わずに挑める可能性がありますし、また、警察の稽古自粛期間も終了していますので、状態が良くなっているかもしれません。今回は本人次第の全く未知数です。

まとめ

という感じでですね。
全日本剣道選手権を楽しむための一つの材料にして頂ければと思います。
尚、特に皆さんにみてもらいたくて投稿しているという気持ちの割合はそんなに大きくもないので、何か個人情報的な面倒くさいことがありましたら、非公開か有料記事にします。