同級生(メグミちゃん)

メグミちゃんは転校生だった。
メグミちゃんはスラっと背が高くて、スマートでテストの成績も良くて
足が細くて長いから走高跳びが得意な少女だった。
飛び切り美人というわけではなかったけれども、言葉使いも丁寧だった。
国語の時間に先生が誰かを指名して教科書を読ませるときに
彼女はクラスで一番、読み方が上手だった。
彼女は教科書を単にスラスラと読むだけではなくて、抑揚をつけて
よどみなく読むことができた。
これでもかというくらいに抑揚をつける読み方をするものだから
田舎育ちの私には少し滑稽に聞こえたものだ。
上手に読める彼女にひがみがあったのかも知れない。
そんな彼女がクラスの中で目立たずにおとなしく、友だちとの会話も少ない俺に声をかけてきときには、びっくりしたというか、ためらいに近い感じがした。(つづく)

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