vol.95 目上の人と距離を縮める書き方は?【手紙の助け舟】
こんにちは、いかがお過ごしですか。
喫茶手紙寺分室、むらかみかずこです。
今回は、目上の人(義理の両親や親族、習い事の先生、ビジネスシーンにおいては上司や取引先の担当者など)に宛てて手紙(メール)を書くときの注意点や、お互いの心の距離を縮める書き方について、考えてみましょう。
目上に宛てて書くときの注意点
目上の人とやりとりするとき、
「失礼な印象を与えてしまわないか、不安だ」
「えらそうに思われないか、生意気に思われないか、心配だ」
そうしたネガティブな感情にかられ、とにかく無難な書き方でまとめようとする人が多いようです。
無難にまとめることが悪いわけではありません。
けれども、発展や幸せを願うフレーズ、クスっと笑える愛嬌ある一文を添えて、上手に心の距離を縮める人もいます。
その違いは何なのでしょうか。
ポイント① 気負わない
目上に宛てて書くとき、少しでもよく思われたいという気持ちから、いつもの自分ではない「よそ行きの自分」で必要以上に敬語を多用したり、日ごろは決して書かない難しい漢字を書きたくなることがありませんか。
しかしながら、欲をかくと失敗します。
手紙でもメールでも、チャットでもLINEでも。書くときには相手の顔を思い浮かべ、気負わず自分らしい言葉でつづる。それが大原則です。
さらに言えば、相手によって言葉を使い分けるのは、本来、好ましくありません。相手が男性でも女性でも、社交的な人にもそうでない人にも、明るい人にも冷静な人にも…。
どんな人に対しても同じように自分らしい言葉で接すると、本来の自分らしさで人とかかわれ、コミュニケーションがラクになります。
ポイント② 感謝+利他の気持ち
目上の人とやりとりするとき、要件のほかに、いちばん伝えるべきは感謝の気持ちです。「自分(自社)と関わっていただき、ありがとうございます」と謙虚な姿勢で言葉を添えると、お互いの関係が温かくなります。
その上で、相手の幸せや発展に貢献したい、ほんの少しでも役に立てたら嬉しいと願う利他の気持ちが伝わると、頼もしく感じてもらえるでしょう。
ポイント③ 短くまとめる
一般に、丁寧に伝えようと思うと、文章は長くなちがちです。失礼があってはいけないという緊張感から、敬語は過剰に、語尾は曖昧になりやすいのです。
たとえば、上に書いたフレーズはどれも極めてシンプルですが、それで十分。逆に、まわりくどい表現をひねり出そうとすると、あざとさが感じられ、嫌われかねません。
とりわけビジネスシーンにおいて、日常的に大きな決断を迫られる管理職は、パッと見たときの第一印象で「長い」「読みにくい」と思った瞬間、じっくり読むことをためらいます。
いそがしい相手には短くシンプルにまとめるほうが、親切です。
①気負わずに
②感謝+利他の気持ちで
③短くシンプルにまとめましょう
かつて若手だったわたしも、ここ数年で急に年長者の仲間入り。
少しでもヒントにしていただけたら、幸いです。
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さておき、京都市伏見区に城南宮(じょうなんぐう)という「しだれ梅」の名所があります。
「ここは楽園か!」と見まごうばかり、豪華な紅白しだれ梅の饗宴でした。心に残る春となりますように。
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