月曜日は私の祝日である。
仕事もなければこどもは17時に勝手に帰ってくるように仕向けたおかげで、朝送り出した瞬間から私の祝日は始まる。
本を読もうか、ミシンをやろうか、ずっと無視していた掃除についに取り掛かろうかと前日の夜はやりたいことで頭をいっぱいにして少し夜更かしをして寝る。
いざ当日を迎えてゴミ出しついでに笑顔で送り出して家のドアを締めると、いつもではありえない1人だけの空間の静けさに開放感が爆発する。
とりあえず朝ごはん食べようかな、でも何食べようかな。ご飯炊いてなかったし冷凍のパンを焼くのもめんどくさいなぁ。
もうすでに嫌な予感が漂っている。一気に何もかもやる気を無くしている。
昨日やりたいことを夜通し妄想してたあの人誰?ってくらいに色々なことがどうでも良くなっている。
ひとまず適当にご飯を終わらせて、だらけた自分に課すように勢いで洗濯機のボタンを押す。洗濯が終われば嫌でもすぐに干さなければと思うこの性分を利用することにする。
これで40分弱の時間は稼げた。死ぬほど面倒だけど昨日の溜まりに溜まった皿洗いをする。流しが見えない程に積み上げた洗い物やらフライパンも10分もかからずに終わる。
そういえばグッピー達は元気かなぁと水槽を眺めながらいつになったらこの残り1匹のオトシンクルスは苔以外のものを食うんだとカビそうなキャベツを水槽から取り出す。
最近の私の検索画面は
オトシンクルス エサ食べない
で埋め尽くされている。毎日のように同じ記事を押してしまってひとり勝手にイラついている。
そういえば正直不動産がシーズン2になってアマプラ配信してるんだよな。まとめて観るには最高の機会だと思いさっそく1話をつける。反射的にリモコン片手に電気ヒーターの前に枕とブランケットを持っていき横になる。
やまぴーどんどんイケメンになってくなと思いながらすでにウトウトしている。これまでも一気見しようとしてつけたアニメやドラマましてや映画ですら本当に一気見で見れた記憶がほぼない。どんなに面白くても確実に途中で寝てるのだ。
あーもう寝ると思ったタイミングで洗濯機に呼び出される。洗濯が終わってから20分放置すれば洗濯物が雑菌まみれになり洗った意味がないと昔テレビで言っていたことが今でも怖くて、どんなに面倒でも20分以内には洗濯機から洗濯物を取り出さないと気が済まない。
目に見えるものより目に見えないものの方が私にとっては遥かに恐ろしいのだ。
なんなのかよく知らない菌への恐怖感のおかげで重たい身体を持ち上げて洗濯物を干す。皿洗い同様10分程度で終わる。
そしてまた定位置に戻る。2話が始まっている。そして次に気づいたときには4話の終わりに差し掛かっている。時計を見ると11時半。やっぱり寝た。何もせず午前中が終わる。
この時点でもう今日は何もしないんだろうなとうすうす勘付いていたのでもう開き直ってダラダラ過ごすことにしようと決める。
決めたところで何をするかと言うと何もしないことをするのである。もうおひとり様の祝日に飽きている。かと言って娘の帰りを待ち侘びているわけでもない。
読んでなかった文庫本を読んでみる。この人みたいに日常の何でもないことを面白く書けたら自分の気持ちをうまく消化できて楽しいんだろうなと思い、今これを書いている。
その後に何をしたかといえば本当になにもしなかった。
たっだいま〜!とご機嫌で帰ってくる娘から今日1日何があったのかひと通りのご報告を受ける。
友達が誕生日プレゼントくれて手紙もある!嬉しいなぁ私の友達はなんて心の優しい人達ばかりなんだ〜と今まで言ったこともないような綺麗な言葉で喜びを表現している。おそらくYouTubeの入れ知恵だろう。まぁいい。
きっとあなたが友達に優しくしてあげるからみんなも優しくしてくれるんだよとそれらしい事を返せば、そうかなぁとニヤニヤしながら貰った手紙を読み始める。
今日1日は何だったんだろうと不完全燃焼だった気持ちが娘の帰宅で穏やかになる気がした。
そこから寝るまではやることのオンパレードである。ようやく自分のやるべき事に取り組んだことで今日1日のダラけた自分を相殺できた。
ところで明日も仕事がないので休みなんだが、いよいよ何をすればいいのか今の段階から悩んでいる。