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ライターのみんな企画書どうしてる? 問題――ぼくの場合

Webメディアの編集部あてに「こういう企画で書かせてくれませんか?」という企画書を作っているとき、ふと、ほかのライターはどうしているんだろう? という疑問が頭をもたげた。

以前、編集者をしていたときには、メールやメッセンジャに「地の文」で「こういうのを書きたいんですが」と打診してきたライターもいれば、わりときっちりと企画意図や構成案をまとめてくる人もいた。

他にもいろんなライターの企画書を見てみたいが、まずは自分のものを晒すのが礼儀だと思うので、公開しておく。

以下に示すのは、Webメディアでインタビュー取材をしたい場合、僕が編集部に提出する企画書の例だ。

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ポイントは3つ。

1) 「企画書は1枚」という信念。
2) 取材依頼に流用できるかたちで作る。
3) 包み隠さない。

1つめの「企画書は1枚」は、ゲーム会社で働いていたときに学んだ。「偉い人は2枚目以降を読まない」と同義だ。この企画にはこういう魅力がある、ここがすごい! と書き連ねたくなるが、ぐっとこらえて、どうすれば端的に伝えられるか考える。結果、濃い企画書になる(と思っている)。

2つめは自分のなかで大きなポイント。編集部からOKが出たとき、そのまま取材依頼書として使えるようにしておくのだ。

取材の依頼方法については、とくに伝統的なメディアの人たちは「手紙」でお願いすることを推奨するかも知れない。だが、フリーライターは給与所得者ではないので、できるだけ時間や手間のロスをなくしたい。そこで、あらかじめ取材依頼書を兼ねた企画書を作るというやり方にたどり着いた。

これには企画書と取材依頼の際の「ズレ」をなくせるメリットもある。

ただし、媒体によっては「編集部のフォーマットに沿って企画書を作ってほしい」というところもあるので、これが正しい方法とも言えない。切ない。

3つめは、「伝えられる情報は先方(=取材相手)にも全力で伝えます」という姿勢を示す意味がある。ちょっと聞きにくい質問もあらかじめ書いておくと、企画書として魅力が増すし、取材依頼書としてはウソがなくなる。

特に取材協力費については「いくら出る/申しわけないですが出ません」を明記しておく。(最近は出ないところが多くなりましたね……)。

編集者をやっていたとき、あるライターがインタビュー取材を終えてから「先方にいくらお支払いする約束をしています」と伝えてきたことがあり、参った。法外な額ではなかったが、勝手に何してくれてんねんとは思った。ここはとても重要だと思う。

あとはもう、細かいところばかりだ。ひとつひとつ説明しようかと思ったけど、めんどくさくなった。時間のある人は、上にあげたサンプルをじっくり見てもらいたい。そして、「ここはこうしたらどう?」という箇所があればこっそり教えてほしい。

ひとつだけ書くと、自分はあくまで「フリーライター」であり、編集部の人間ではないことを明記している。これは、何かトラブルがあったとき編集部に迷惑をかけたくないという気づかいでもあり、「この企画を立てたのはボクですから!」という矜持でもある。最後の砦。

もちろんメディアのあつかう業界や専門性、Webなのか雑誌なのか等々、状況によって企画書の作り方は異なるだろう。だから、いろんな「ぼく/わたしはこうしているよ」を見てみたいし、聞いてみたい。

そして、ライターじゃないのにここまで読んでくれた皆様へ。インタビュー取材(コーポレートサイトでの社員インタビューなどを含む)のお仕事、お待ちしています。3000字で2万5000円~。anatamo★tachikogi.comまでご連絡ください。

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