【8月18日(金)まで】地域連携アドバイザーがあなたのまちへ出張します!2023【派遣団体募集】
先日、鹿児島県共生・協働センター主催【地域資源活用・協働促進事業シンポジウム『つくる そだてる ねづかせる 地域づくり』が開催されました!
本シンポジウムは、鹿児島県共生・協働センターが同事業の中で行う【地域連携アドバイザー派遣】の取り組みを広く紹介するもの。
当日は、【第一部】前年度の取り組みを紹介するパネルディスカッション、【第二部】テーマに分かれて分科会&アドバイザーや参加者同士の交流が行われました。
1.地域連携アドバイザー派遣とは
地域連携アドバイザー派遣とは、地域コミュニティ組織やNPO法人等、持続可能な地域づくりに向けて活動しようとしている団体や既に活動している団体からの依頼に対し、各団体の課題に対応した地域連携アドバイザーを派遣し、専門的見地からの助言・支援を行うもの。地域連携アドバイザーの派遣に係る報償費や旅費は、県が負担します。(※派遣可能団体は、最大5団体、原則1団体3回まで)
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▶共生・協働センター地域連携アドバイザー派遣 詳細
→ 昨年度の様子はこちら
▶令和4年度地域連携アドバイザー派遣の様子
2.パネルディスカッション
参加者は、地域の課題解決のために活動している団体や新たな取り組みを始めたい団体など、地域を舞台に活動する皆さん。
全体進行を、地域連携アドバイザーの一人・市村良平さんがつとめます。
3.事例紹介① 和田地区公民館(日置市吹上町)
【地域と団体の概要】
和田地区は日置市南部にあり、南さつま市金峰町、鹿児島市下福元町に隣接する、人口約260世帯・460名ほどの地域です(令和5年4月1日現在)。地区には里山の景色が広がり、のどかな田園地域と山あいの集落で構成されています。地域の見所として、季節の彼岸花ロード、夜明かし岩、田中城跡など。海や山が身近にあることも地域の魅力です。
事例紹介では、公民館長の山之内修さんと、和田地区移住一年目の黒木智大さんが、昨年度の地域連携アドバイザー派遣の様子について紹介してくださいました。
【地域の課題と応募のきっかけ】
和田地区は、ほどよい田舎暮らしが楽しめる一方で、近年、過疎化が急速に進行。山之内さんは危機感を抱いていました。他方で、田舎暮らしに憧れて和田地区へ移住した黒木さん。地域づくりに関わりたいけれど、どのようにして関わればいいのかわからないという思いを抱えていました。
異なる角度から、今後の地域づくり活動を模索するお二人。その中で、昨年、黒木さんが参加したのが、令和4年度の地域資源活用・協働促進シンポジウムでした。
そこで出会ったのが、地域連携アドバイザー・村上さん。村上さんに地域づくりのヒントを得たいと、山之内さんとともに、和田地区公民館として応募することとなりました。
【地域連携アドバイザー派遣の内容】
和田地区公民館では、村上さんを迎えると同時に、地区住民を対象に全3回の「みらい会議」を実施。1回目は村上さんの講話と質疑応答を兼ねた意見交換を。2回目は地区の地域課題の洗い出しを、3回目は地域課題の中でも重要度・優先度の高いものをマッピングし、整理・分類する作業を行いました。
全3回のワークショップを通して、今後、地域として〈どの取り組みに力を入れていくか〉が明確になったとお二人。目指す地域の姿の意識共有が図られた、と話します。
◆◆ 地域連携アドバイザー・村上さんより
「和田地区公民館は、既にこれまで、公民館長が精力的に人を呼び込む開放的な取り組みをされていていました。その取り組みを、どうやって地域の人々と共有しながら進めていくかがポイントだなと。会では、地域の視点を揃えるというのを意識し、数字にしたり、客観的な課題を皆で共有する時間をつくりました。
もう一つ大切にしたのは、皆がそれぞれ心内に思っていることを出すこと。公民館では、以前にも話し合いが行われていたそうですが、時間が経ち、その内容が埋もれていた。それを思い出すこと、また、地区としてこれから何を優先していくべきかという視点のすり合わせを大切にしました」と村上さん。
◆◆ 地域連携アドバイザー派遣を終えて
最後に、和田地区公民館のおふたりから。
「地域で新たなことを始めるには、一人では難しい。これからどうしていくかという話し合いにおいて、村上さんがいいアドバイスをして下さいました。
これから、自分たちが見慣れている里山の景色を、ちがう目線で見てくれる人たちに向けてPRしていきたい。また、地元の人とは異なる目線で、地域に魅力を感じる人がいることを、地元の人に伝えていきたい」と、長年に渡り活動されてきた山之内さん。
続けて、黒木さん。「村上さんには、苦労されている部分も含めてお話をお聞きしたく、アドバイザーをお願いしました。(地域連携アドバイザー派遣を通して)色々な方との交流の場をセッティングできたこと、こうしたシンポジウムに公民館長とともに参加できたことが、地域連携アドバイザーを申し込んだ一つの成果と感じています。興味のある方は、ぜひ申し込んでいただければ」と話して下さいました。
4.事例紹介②潤ケ野校区コミュニティ協議会(志布志市)
【地域と団体の概要】
潤ケ野校区は、志布志市にあり、宮崎県との県境の山あいに位置する人口約480名の地域です。地区には特認校制度を活用する潤ケ野小学校があり、全校生徒は33名(令和5年7月現在)。うち地元生は11名、ほか22名は潤ケ野に魅力を感じ、市街地から通学する子どもたち。ホタルが飛び交う清流があり、無数の湧き水があふれる、自然豊かな地域です。
地域連携アドバイザー派遣について、潤ケ野校区コミュニティ協議会に所属し、地域支援員もつとめる川崎桃子さんが事例紹介してくださいました。
【地域の課題と応募のきっかけ】
「潤ケ野校区においては、市街地からわざわざ潤ケ野小学校へと通う子どもたちがいる現状と、これまでも『潤ケ野に住める家がないか』と相談をうけることがありました。しかし、校区には貸し出せるような空き家がない。そこで、校区内に借りられる・住める空き家をつくりたい、移住を後押ししたいとの思いから、各地の空き家改修に携わる加藤さんに地域連携アドバイザー派遣を依頼しました」と川崎さん。
【地域連携アドバイザー派遣の内容】
潤ケ野校区では、加藤さんを迎えるにあたり全3回の〈空き家セミナー&ワークショップ〉を企画。1回目は加藤さんの講話と、空き家をテーマに意見交換やアイデア出しを。2回目は、加藤さんとともに実際に校区内の空き家見学と、空き家の状態チェックへ。3回目は空き家改修作業に見立てて、キャンプ場内の東屋の修繕やウッドデッキ作りに取り組みました。
◆◆ 地域連携アドバイザー・加藤さんより
「まず、地域連携アドバイザーを呼ぶ前にすでに地域で話し合いが進んでいたこと、色々なことに広く取り組まれていたことがすごいことだなと感じていました。
全3回のワークショップでは、①座学、②空き家見学、③一緒に作業をすることで、地域の方々の空き家に対する関心を高めることができました。
その時間を通して、地域において実際の空き家活用に至るまでには様々な課題があること・次の課題が見えたこと。
全3回で、地域として大きく前進され、すごいなと感じでいました。毎回のアドバイザー派遣の時間を、僕自身も楽しませていただきました」と加藤さん。
◆◆ 地域連携アドバイザー派遣を終えて
最後に、川崎さんより。「空き家対策を進めるにあたり、専門的な知見のある方に相談したいと思っても、地域で講師料や交通費といった相談の費用を捻出することはとても難しい。
ですが、この事業はそうした費用を県が捻出してくれます。この事業があったことで、潤ケ野へ加藤さんにお越しいただき、自分たちがわからなかったことを教えていただき、空き家活用に一歩踏み出すことができました。そしてその先の課題も見えてきました。
悩んでいることがある地域の皆さんは、ぜひ事業を活用して頂けたら。必ず前進できることと思います。」と会場へ向けて話してくださいました。
5.地域連携アドバイザーや参加者との交流会(分科会方式)
シンポジウム後半は、3つの分科会に分かれ、地域連携アドバイザーや参加者同士の意見交換・交流へ。
分科会テーマ①
始める・繋げる ~はじめの一歩の見つけ方~
分科会①では、地域連携アドバイザーの村上さんと鈴木さん(紹介文下記)、和田地区公民館の山之内さんと黒木さんを交え、意見交換を行いました。
出てきたキーワードとしては、〈地域の状況に応じて変容していく柔軟さ〉〈"行政を頼る"でなく"行政を巻き込む"公民連携の考え方〉〈テーマに対して前向きな人々と出会える場の大切さ〉〈リーダーという立場のあり方や心がけ〉〈実践を繰り返し軌道修正していく中で仲間たちと意識をすりあわせる・そののびしろをも楽しむ〉〈活動の軌道修正に対して開放的であることが周囲の共感につながる〉など。参加者の皆さんの質問をベースに、様々な立場・状況における、はじめの一歩・次の一歩について話を深めていきました。
分科会テーマ②
活かす・創る ~地域資源の利活用~
分科会②では、地域連携アドバイザーの加藤さん、山本さん(紹介文下記)、潤ケ野校区コミュニティ協議会・川崎さんとともに意見交換を行いました。
キーワードとしては、地域資源を活かして活動するにあたり重要となる、〈話し合いの場づくり〉〈公民連携のあり方〉〈商品開発〉〈空き家の利活用とそのリアル〉〈地域にある既存の取り組みをより良いものにしていくための一歩の踏み出し方〉〈貨幣だけではない対価の在り方〉〈モチベーション〉〈情報発信の方法〉など、参加者の興味関心をもとに、広く深くテーマを掘り下げていきました。
分科会テーマ③
関わる・続ける ~事業継承のポイント~
分科会③では、市村さんの進行のもと〈事業を続ける〉という視点から、地域連携アドバイザーの太田さん(紹介文下記)、下吹越さん(紹介文下記)の直面してきた課題と、その課題に対してどのように向き合ってきたかということをお聞きしながら、テーマを掘り下げていきました。
キーワードとしては、〈NPOやフリーランスなど、地域とともにある事業のマネタイズ(収益化)のあり方〉〈繰り返しの仕組みづくり〉〈メンバーの役割分担〉〈自身が雇用者になること・後継者育成〉〈組織としてのビジョンや目的を描くことが共感につながる〉〈実践とともにビジョン・計画をふり返り更新し続ける〉など。活動を持続するにあたり直面する課題について、じっくりと意見を交わしていきました。
ふりかえりとチェックアウト
最後に、分科会の様子を全体共有し、グループに分かれて一日の感想を共有。ふりかえりの時間の皆さんの笑顔に、充実した時間を過ごされたことが伝わります。
今年も県内各地から地域に携わる皆さんが一堂に会した〈地域資源活用・協働促進事業シンポジウム〉。それぞれに気づきやヒント、新たなつながりを得て、ご自身の地域に戻られたことと思います。皆さん本当にお疲れ様でした!
6.令和5年度地域連携アドバイザー派遣・派遣団体募集について
鹿児島県共生・協働センターでは、令和5年度も地域連携アドバイザー派遣団体を募集しています。応募期間は、7月19日(水)~8月18日(金)。問い合わせ先まで、お気軽にご連絡ください!(下記チラシをクリックすると詳細ページへ飛びます)
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