2022年10月、志布志商店街店主会活動『テンカツ』(鹿児島県志布志市)と、地域連携アドバイザー・市村良平さん(株式会社スタジオグッドフラット代表)による意見交換が行われました。
◆志布志商店街店主会活動『テンカツ』
◆アドバイザー派遣に至った経緯
商店街の清掃活動をはじめとしたこれまでの取り組みに加え、「今後の活動をどのように展開させていけばいいか」と疑問を抱えていたテンカツ。「活動をより〈まちづくり〉に近づけていきたい」との思いから、各地の地域事業に携わる市村さんにアドバイザー派遣を依頼しました。
◆志布志商店街をまちあるき
まずは、テンカツの皆さんとともに、実際に志布志商店街を歩きます。通り二本、計600m程の長さの商店街には、空き店舗も含めて約50店舗が並びます。
◆「このエリアをどうしていきたいか」
商店街散策後、さっそく意見交換へ。
まず、「これから商店街をどうしていきたいか」など、テンカツさんの想いをお聞きすることに。車社会となった今、「商店街を歩いてもらう場所にするにはどうしたらいいか」、「これからの商店街の担い手」など、様々に話が広がり、メンバーそれぞれが想いを言葉にしてくださいました。
活発な意見交換が進む中で、続く2回の地域連携アドバイザー派遣の方向性としては〈商店街の今後のビジョンを描いていく〉ことに。
◆今後のビジョンを描いていく
「商店街は店舗が多く、建物も大きいのが印象的でした。とはいえ、商店街600mは広すぎる。まずはエリアを200m程にしぼり、今後5~10年ほどのビジョンを描いてみたらいいのではと思います」と市村さん。
続けて、「地域のこれからを考えるにおいては、『みんなのため』というよりも『自分たちがどうしたいか』が大事です。皆さんが、皆さん自身のやりたいことをやりながら、その先に周りの人が入ってくるというような流れが生まれると、『なんだかこの商店街、みんなが歩きたがるね』というような雰囲気になってくると思います」と市村さん。
◆次回の作戦会議に向けて
市村さんはおっしゃいます。
「まちづくりにおいては、①活動がビジネスになっていること、②自分たちがやりたいことをやること、この2つがあれば活動は長く続きます。
あわせて、『君たちなんか面白いね』と言われる、本人たちが楽しそうな空気感も大切です。そのようにしていると、周りが見てくれていたり、協力を得られやすかったりします。
それと、もしかすると、地域の人たちは、テンカツが清掃活動していることは知っているけれど、本当は何がしたいのかというのは伝わっていないかもしれません。だからこそ、『僕らはこうしたい』と言葉にして活動することが大事なんです。
また、僕らはこうしたいと言葉にしていくにあたり、どういう価値観で、どこに向かっていくのかというエリアビジョンがあると、活動の原点に立ち戻れます。
ビジョンはつまり『商店街の10年後を考えた時に、どんな商店街でありたいか?』ということ。
町には課題もあると思いますが、『兆し』もあると思います。それを整理しながら、これからをイメージしてもらえたら」。
地域を想い、その一歩を清掃活動から踏み出したテンカツ。大先輩・伊東さんを巻き込み、地元高校生を巻き込み、真剣なやりとりの中に冗談と笑いを交えながら前進されています。地域連携アドバイザー派遣は、次回、第2回へと続きます。