夜が知らせる
明日の朝はおにぎりをにぎろう
目が覚めたら
朝日が砂浜に見える気がする
積み上げた思い出を結びつけて
何を作っていたか
今夜、僕は理解する
それは削がれていく島の波際に
不釣り合いな重さで沈みはじめて
深く深く潜った場所で根を張り
島を砕こうとしている
夜が知らせる
沈ませてはならない
隠れさせてはならない
その正体を知った時
僕はそれを解体し
島を出ていくことになるだろう
さらさら消えてゆくこの島が
そのまま自然に消えるよう願って
だから
明日の朝はおにぎりをにぎる
何も残さないために
立ち行くちからのために
明日からの僕のために
僕ができる簡潔なこと
詩.イラスト