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映画『セッション』 - 「ハードコア」ってこんな感じだよねと思える作品
映画『セッション』(原題:WHIPLASH)は僕がこれまで観た中でかなり印象に残っている作品です。
監督のデイミアン・チャゼルは『ラ・ラ・ランド』で有名な監督ですが、僕にとってはやはり『セッション』が衝撃的すぎてデイミアン・チャゼルといえば『セッション』の監督という印象が強いです。
この映画は、主役であるアンドリューがシェイファー音楽院で学院最高の指導者と名高いテレンス・フレッチャーから指導を受け、偉大なジャズドラマーを目指していく姿を描いた作品です。
スターを目指して困難を乗り越え、最後見事にスターの座を勝ち取るといった成功ストーリーは多いですが、『セッション』はこうした作品とは少し、というかかなり趣が異なります。
このあたりはできれば実際に作品を観ていただきたいところですが、他の作品と違うところは主役であるアンドリューの「狂気」と言えるまでのストイックさです。
この作品はある種の「甘さ」が一切ないように思えます。
アンドリューの行動には常識さえも跳ね除ける真っ直ぐさがあり、アクションでもスリラーでもないのに、「鬼気迫る」ものを感じます。
途中で「えー、こんなことまでしちゃうの」という場面もありますが、それでも観客をグッと引き込めるところがこの映画の凄いところです。
アンドリューの行動や、指導官のフレッチャーとのやり取りから紡がれるラストの場面はまさに必見です。
ラストの場面を見終わった後は言葉が出なかったほどです。
他の作品にあるような煌びやかなハッピーエンドはなく、ひたすら「すげー、すげー」の連続でした(^_^;)
まさにこれぞ「ハードコア」といえる姿を描いています。
主役のアンドリューを演じるのはマイルズ・テラーという俳優さんですが、この映画でファンになりました。
優しげで笑顔がとても可愛らしい俳優さんなのですが、そんな彼が見事にこの「ハードコア」役にマッチしています。
指導官であるフレッチャー演じるJ・K・シモンズの鬼教官ぶりもこの作品にはなくてはならないと思えるくらいハマっていました。
下記はYouTubeにあったセッションのラストシーン(2動画続いてます)ですが、できれば最初は映画を全て観たあとで、映画の余韻を味わうためなどに観ていただきたいです。
ラストシーンだけでも映画の面白さは少し伝わるかと思いますが、映画のストーリーを始めから全て観た上でこのラストシーンを観ると、その強烈さが分かります。
他の映画の爽快感とは違う、「突き抜け切った」感が伝わります。
動画サービスなどでも観れると思いますのでご興味ある方はぜひ!