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大人でも楽しめる絵本3選 - ヨシタケシンスケさんの絵本

児童養護施設の子どもたちへ贈るために始めた絵本探しですが、最近自分の趣味にもなりつつあります。

これまで絵本は子供の読むものとの先入観が強くありましたが、なかなかどうして読んでみるとおっさんの僕でも楽しめるものがたくさんあり、本屋さんでの絵本探しに完全にハマっています。

中には思わず涙がこぼれてしまうものもあり、絵本の世界がこんなにも豊かなんだと驚いています。(本屋の絵本コーナーで絵本を見ながらニヤニヤしたりうるうるしたりしてるおっさんがいたらきっと僕です。ちょっと怖いよね、ごめんね、子どもたち。。)

他にもたくさんご紹介したい絵本があるのですが、今回は大人が読んでも楽しめる絵本で今大人気の作家である『ヨシタケシンスケ』さんの絵本をご紹介したいと思います。

『ころべばいいのに』このタイトルを見たとき、「お、絵本なのになかなか過激なタイトル」「でも絵は可愛いしなんかほんわかした雰囲気が伝わってくるな」と思って手にとったのが最初です。

ページを捲ると、「わたしには きらいなひとがいる。なんにんか、いる。」とのつぶやきで物語が始まります。

うんうん、そうだよね、誰にでもきらいなひとはいるよね。

どんな展開をしていくのだろうと思いページを捲る手が止まりません。

ラストでは「あー、こんなふうに締めくくるんだ」ととても感慨深い思いがしました。

ラストで語られる、主人公の女の子の気持ちにいたるまで、想像の中できらいなひとを手のひらで小さくしてぱちんと潰してしまったりするところから様々な展開を見せますが、ラストまでの展開が一つ一つとても丁寧に語られており、ラストでの締めくくりをすんなり受け入れられる構成になっています。

子どもには子どもなりの感じ方があり、一つ一つ真っ直ぐに受け取ったりするのでしょうが、大人は大人で長いこと忘れてしまってたけど、こんな方法ありだよね、こんな気持あるよね、と色々気付かされた絵本です。

これを読んだとき、子どもはどんな気持ちがするんだろうととても興味の湧く内容でした。

本屋さんのPOPでこの本が紹介されており、そこにはヨシタケシンスケさんの言葉で「すこし前の私に、どうしても必要な物語でした。」とありました。

おそらく大人にも読んでほしいとのメッセージのようにも思われ、内容的にやはり大人向けの印象もありますが、子どもは子どもできっと何かを感じるのだと思います。

おそらく子どもがこの絵本を読んで感想を言葉にするのは難しそうですが、言葉にできない気持ちというのは大人にももちろんあり、子どもにもそういった言葉にできない気持ちも大切にしてもらいたいな、と思える絵本でした。

こちらはもうほぼ大人向けかなと思える絵本です。

内容的には非常にシンプルで、「こんなときは?」→「こうすればいい」という問答形式が続いていくだけなので、もちろん子どもでも楽しめますが、大人が読むとその真っ直ぐさ、シンプルさ故にか読み進めながら思わず涙がこぼれそうになる絵本です。

ヨシタケシンスケさんの絵本がきちんと絵本という表現方法をとっており、使っている言葉や内容も平易な内容にも関わらず、子どもだけでなく、大人もこれだけ魅了できるのは、大人子どもに限らず人間であれば誰しもが持っているような本質的な感情に真っ直ぐに向き合い、丁寧に紐解き、その上でヨシタケシンスケさんの心奥深くから出てきた思い、問い、提案といったようなものを押しつけるわけでもなく、可愛い絵とともにすっっと提示できているからなのかなあと思ったりしています。

ヨシタケシンスケさんの穏やかで温かく、それでいて力強い生きるチカラをもらえる、そんな絵本です。

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