鉱石ラジオの作り方(企画・材料集め編)
鉱物が売れない!!
いきなりですが、黄鉄鉱 黄銅鉱 斑銅鉱 磁鉄鉱 という4種類の金属鉱物をネットショップに出しているのですが、中々売れません 特に斑銅鉱・黄銅鉱などは虹色で面白いのですが、透明ではない鉱物はどうしても売れ行きが芳しくなりません(この愚痴が後でめちゃ関係してきます
伏線。)
透明な鉱物、例えば蛍石や水晶、カルサイトなどは初めての方にも、長く収集されている方にも人気ですが、金属光沢のある鉱物はかなり少数の人(鉱物全体に関心がある、科学的な関心がある)人にしか人気がない印象があります
実際ネットでの出品も少なめです
では別の販売方法を考えなければなりません これらの鉱物は合計で3キロ近く在庫があります、、、そこで、鉱物の外見的な美しさではなく「ギミック」に着目して「ガシェット」としての鉱物を販売することにしました
そこで制作するのが、今回の主題、鉱石ラジオです
鉱石ラジオは、簡単に言うと初期の原始的なラジオで、上記の鉱物を使うことで動く仕組みです
鉱物を組み込むことではじめて動く機械、、、かっこいいですよね
しかし、本当に古い形式のラジオなので、少し特殊なパーツが必要です
それから、原始的で単純とはいえ機械ですのでちゃんとした説明書を作らないと動くものを購入者さんに作ってもらうのが難しいです
しかしこれまであまり触れて来なかった分野なので理解が中々難しい、、、
そこで今回はそういった点をまとめて頭を整理したいと思います
よめる文章にはなっていると思いますので、楽しんでいただけたら幸いです
鉱石ラジオ
まずはそもそものラジオの仕組みについて。ラジオは
DJなどがしゃべる→音声を電波に変換する→受信機(いわゆるラジオ)で電波を音に変換しなおして、聴く
という仕組みです 音と電波は相互に変換が可能なの、面白いですね
つまり、鉱石ラジオを作る というのは、「電波を音に変える装置」を作るということです
これにはいくつかのパーツを上手く組み合わせて、これらがうまく作動するようにしなければなりません(後述)
電気を使わないラジオ
先に述べた通り、鉱石ラジオはとても原始的なラジオです ラジオは日本では1920年代に放送が開始されますが、とても高価で、多くの人が購入できるものではありませんでした
そこで利用されたのがこの鉱石ラジオです
当時、まだまだ電気が引かれている家は少なく、電気を使う家電製品を利用できる家は限られていました
鉱石ラジオは電波が金属、例えば窓枠などにぶつかると、金属との作用で電気が発生し、
その電気を利用することで電池やコンセントなどの電源を利用せずにラジオが聞けるという装置です 戦地など、電源の確保が難しい場所でも「塹壕ラジオ」と呼ばれるほぼ同じ仕組みのラジオが使われました
こちらは安価に買えたり作ることができたので、多くの人に利用されました
しかし、こうして得られる電気はとても小さいので、
特別なイヤホン「クリスタルイヤホン」を使わなければ小さい音でしか聞こえないという欠点があります
これに真空管(後にトランジスタ)を付け、その音が大きくなるようにしたのが現在の、または当時の高価なラジオです
真空管は初期には高価で(すぐに安価になりました)また、音を大きくするためにはたくさんの電気が必要でしたので、購入だけでなく維持にもお金がかかったということです
しくみ
話を鉱石ラジオに戻します
先述の通り、鉱石ラジオは「電波を音声に変換できる、ただし音はとても小さいので特別なイヤホンで聞くか、オプションパーツで音を大きくする」というものです
ここからはその「電波を音声に変換する」という部分を詳しく見ていきます
大まかなながれとしては
「アンテナ」で電波をキャッチする→「コンデンサ」で特定の電波だけを取り出す ここでチャンネルを選ぶことも可能→「ダイオード」(これが鉱物で代用できる)で電波を音にできる状態に変換する→「クリスタルイヤホン」で音に変換し聞く、、、という感じです
つまり鉱石ラジオは
アンテナ、コンデンサ、ダイオード、クリスタルイヤホン の4パーツに分けることができます
パーツについて
アンテナ
先述の通り金属であればなんとかなるのですが、よりよい音を取るためには工夫が必要です アンテナの長さがミソです
電波は名前の通り波です この波の長さを波長と言います
取りたい電波に対してアンテナの長さが1/2の時に効率よく電波が取り出せます
ですのでほしい電波によっては何十メートルのアンテナが必要になったりもします
(現代はそれをコンパクトにする技術がちゃんとあるので、小さなアンテナでも大丈夫ですが 今回は銅線を使った基本的なアンテナです)ですので、持ち運びを簡単にするために、丸い板にぐるぐると巻き付けて長さを確保します(巻き方が特別みたいなので、また調べる)
コンデンサ
現在はとても小さいパーツで数十円で購入できます
特にポリバリコンという種類のものを使うと選局ができるようです 電気が溜まる量を変えることで物理的に選局できる?? まだよくわかってないです
ダイオード
鉱物 これに金属針を当ててうまく聞こえる場所を毎回探す ゲルマニウムダイオードを使えば接続するだけで聞こえる 今回はあえて鉱物を使います
針が錆びると感度が下がるらしいので、ステンレスとか錆びにくいものの中から、問題のなさそうなものを探す
クリスタルイヤホン
電気を通すと振動したり変形する「圧電効果」を持つ結晶(圧電素子・ピエゾ素子)が入ったイヤホンこの振動が音として聞こえる 少ない電気で音が聞こえる 400円くらい
今のイヤホンとは違う仕組みのイヤホンです
(余談)なかなか奥が深いです
(もしかしたら違う理由かもしれませんが)秋葉原にラジオデパート、ラジオ会館などラジオの名を冠したお店がいくつかありますが、ラジオに関連するパーツが沢山売ってあります 今までは「なぜラジオの店がたくさんあるのか」分からなかったのですが、
納得しました、、、奥が深い、、、どんどん脇道にそれ続けて関連装置やより高性能なものを作ろうとすればおそらくほぼ一生できる趣味だと感じました 一つ完成しても新たな疑問や不満が生まれ、終わりがない、また電気や電波の仕組みに触れることもでき、かなり学びがあります