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2022年度バイオインフォマティクス技術者認定試験を受けた

※試験問題情報は非公開なので記載しません

2022年度のバイオインフォの試験に合格したので、記録を残しておこうと思います。参考になれば嬉しいです。
ちなみにバイオインフォを広める学会公式マスコットキャラクターがいるそうです。

私 (解析後のサンプルはどう排出するんだろう…)

【試験概要】

どんな試験か

生命情報を解析するための基礎知識があるかを問う試験。
受験者層は医学系、生物系、情報系の学部生・院生・社会人が多い。意欲のある高校生も受けるらしい。
受験料5500円払えば誰でも受けれる。受験場所は近所のテストセンターで、受験方式はCBT。
この試験を主催しているJSBiは現在、将来この試験を国家試験にするべく動いているらしい。

当学会としては、国家資格化などによりこれらの効果を強化することが目標の一つです。現在、バイオインフォマティクススキル標準の策定も他学会と連携して進めています。
https://cbt-s.com/examinee/examination/jsbi.html

バイオインフォマティクスの知識は何に役立つか

・膨大なゲノム情報を解析することで、病気のメカニズムを解明する
・タンパク質を調べることで、治療薬を開発する
・未知の生物・生物構造を解明する
・解析のためのソフトウェア・プログラムを作る または 論文に登場している解析ツールを検証・実行する
・生命ネットワークをプログラム上でシミュレーションする

出題される4分野

生物、情報、配列・構造、遺伝子進化・オーミクス

【受験してみた】

私について

・情報系の大学生。高校時代は生命科学系の研究をしていた
・現在は個人的に医大の研究室に通っている
・大学受験に失敗したので重度の学歴コンプを抱えている

受けたきっかけ

1年前に試験の存在を知り、その分野を勉強したかったので受けてみた。
受験者層は賢い人が多いので、受かったら私も賢くなれるのではないかと思った。

受けた結果

総合スコア6.3割で合格した
例年は5.8割以上で合格らしい

試験前後の流れ

〜試験を知ってから〜

テキストの日本語が読めない(専門用語の羅列)


テキストを初めて見た時に「解けそう」と直感的に感じた。当時は当然解く実力はなかったが、自分の興味どストライクだったので運命を感じた。
テキストを研究室から借りて、まずは1人で黙々と読み込んだ。専門用語ばかりで読めなかったので、最初は思わず頭を抱えた。だがとても興味ある分野だったので、勉強は楽しかった。
受験する仲間や、勉強会の主催者(試験合格者)が皆医大生だったので、自分の学歴コンプを刺激され、絶対に受かってやると心に誓った。ちなみに私含め参加者は全員女子。

〜最後の追い込み期〜

なんとか用語の意味がわかりはじめる


試験合格者が勉強会を開いてくれたので、仲間と一緒に勉強した。わからないことを共有したり、試験合格者に質問をした。
また、彼氏がとても応援してくれたので、精神的に支えられた。

〜受験〜

テストセンターのパソコンで受験する


会場のテストセンターには5分前から入室可だった。バイオインフォ試験と同時に他の試験も実施されていた。試験当時は冬だったが、暖房はちょうど良く効いており、試験スタッフの対応が大変丁寧だったので、心地よく試験を受けることができた。
パソコンの前に座って試験を受ける。1枚の白紙と1本の鉛筆(ペンだったかもしれない。忘れた)が配られた。紙と鉛筆は試験後返却する。
試験を受け終わると、すぐにパソコン画面に総合スコアが表示されるので大体合否がわかる。その後、スコアの結果用紙が渡されるので、分野別にスコアがわかる。

〜合格発表後〜

大体6割で合格!やったね!


12月下旬のある日正午、ログイン後のサイトにて個別に合否発表された。合格すると、バイオインフォ学会に関して特典がある。来年度バイオインフォ学会に参加する予定だったので都合が良い。
仲間の中には医大の卒試後から勉強し始めた人もいたが、その人はたった1ヶ月の勉強で難なく合格していた。勉強のやり方を知っている人は、専門分野外のことも呑み込みが早いのだと知った。

他大学ではこの試験に合格したことは大きく取り上げられるらしいが、私の通う大学では特にそういったことはなかった。そもそもバイオインフォに関心を示す人がほぼいないので、孤独を感じた。特に応援もされず、学科長には「そんな勉強よりも他の資格試験を勉強しなさい」とだけ言われた。だが何人かは応援の言葉をくれたり、合格したらおめでとうと言ってくれた。

【所感】

・バイオインフォを通じて医大生と繋がり、彼らの考え方や勉強法を取り入れることができたので良い機会であった
・「やはり自分は生命科学とその情報解析に興味があるんだなあ」としみじみ思った。バイオインフォが自分の興味にどストライクだったことを改めて理解できた。

【勉強方法】

そんなに良い成績で受かった訳ではないですが、これさえ押さえておけばギリギリでも合格できますよという内容です。

①まずテキストを読む
②過去問を解いて出題パターンを知る
③わからないことはネットで調べる・有識者に聞く

・研究室やインターンでバイオインフォに触れた経験があると、学んだことがイメージしやすい。
・要点をパソコンでEvernoteにまとめて何度か見返した。
・私は過去問をほぼ全て解いた(解いていない年度もある)。1年度分を解くと、復習込みで4時間は費やした。実際、試験では過去問から結構出るので、解いた者勝ちではある。
・医学生は馴染みのない情報分野に躓きやすい

個人的に勉強に時間を使ったのは、
・アミノ酸の特性を覚える(泳げぬSTY、泳げぬGAVLIFなど)→慶應大学教授 黒田先生のYouTube講義や、それをまとめたブログで勉強した。とてもわかりやすいので是非
・SVM、線形カーネル
・行列の固有値
・バイナリ木 (周りの医学生はこのパターンの把握に躓いていた)

未だに理解できていないのは、
・PDBフォーマットの読み取り方
・確率変数の詳しい式

【今後何をしたいか】

・将来はバイオインフォ系の仕事をしたい
・バイオインフォの大学院で勉強したい
・現在のバイオインフォ研究を頑張りたい

あまりにもアバウトすぎる…
もっと将来の選択肢を具体的にしたい



以上です。バイオインフォは今後成長する分野ですし、遺伝子解析とかに興味あれば受けてみてください。






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