最初の難関、シリーズAを点で捉えるか線で捉えるか
友人と立ち上げたこれから起業しようかなと考えている起業予備軍と、起業してシード〜プレAラウンドにいる起業家向けのコミュニティ、StartPassのキックオフイベントから早2ヶ月経ちました。
コミュニティメンバーは想定以上のペースで増えており、日々さまざまなご質問や悩み・相談をいただき、壁打ち相手(カウンター)としてお答えしている毎日です。
なぜスタートアップ支援にQ&Aというアプローチをとっているのか
そもそもですが、スタートアップ支援にはいろんな形があると思います。弁護士や会計士、税理士などの専門家として助言を与えたり、エンジェルやVCとして出資した上で支援したり、ピッチイベントやマッチングサイトを運営したり。
そんな中で、エンジェル投資家仲間の小原さんと議論を深めるうちに、投資する/しないという関係性だと支援できる会社数やその支援の深度が限定されてしまうが、起業家予備軍・起業家向けのコミュニティを作って、そこで日々行動する中で生じた疑問を質問してもらい、セカンドオピニオン的な立ち位置で我々オーナーが回答したり、他の起業家のやりとりを見ることで自分が気づかなかった論点に気付けたりして、成長速度をあげることができるのではないか、という話になりました。
「質問」と一言で言っても、その質問には多くの情報が含まれています。まず、行動しなければ障害や分かれ道に出会えないため、行動していればしているほど質問が出てきます。質問することに価値を感じるかは、自分が行動しているかのバロメータになります。次に、その質問をしたということは、ここの領域が分かっていないのかな、とか、こういう価値観を持っているのかな、ということが推測できます。
よって、オーナーが質問に答えるという体裁をとっていながら、実態としてやっていることは、その会社の成功のサポートになります。
一番受ける質問は資金調達がらみ
「成功」の定義を、会社のビジョンの達成とEXIT(IPO/M&A)と一旦したとします。
会社が成功するためには、事業・組織・資金調達の3つの巧拙が重要なのですが、一番いただく質問は「資金調達」に関することです。
スタートアップ的な経営をするなら、受託はせずに、最初は赤字を掘ってJカーブを描くような成長シナリオを目指しますので、その赤字分を補填するためにも資金調達をしなければいけません。資金調達できなければ人も増やせないし、広告も出せないし、オフィスも移転できないので、まず資金調達に目がいきがちなのは仕方ないとも言えます。
※とはいえ、StartPassは調達支援サービスでも、投資家を繋ぐサービスでもありません。あくまで、会社の成功のサポート役です
言葉を選ばずに言えば比較的容易なシード・プレAラウンド
資金調達には、ラウンドという概念があります。ラウンドごとに時価総額や株式の種類、投資家の権利を分けることで、会社・創業メンバー・既存株主・新規株主の利害調整をしやすくしているのですね。
ざっくりシード・プレAとシリーズAの違いを整理します。
何事にも例外はありますので、あくまで目安とお考えください。シード・プレAの場合、事業というよりも人(ストレートに言えば社長)に賭けて投資することになりますので、いろんな見立てが投資家ごとに起こり得ます。
シード・プレAで100発100中だぜ!といっている投資家とは会ったことはありませんし、何年スタートアップで投資経験を積んでも、ボラティリティが高く、難しいとされるのがシード・プレAです。
シード・プレAでは、数百万円の投資もありえるので、個人投資家がかなり参加しています。また、シードラウンドを対象とするVCも多く、事業のように誰がみても「トラクションが出てる、PMFしてる」という基準がなく、あくまで基準は人になりますので評価が分かれやすいです。
投資家を数当たれば投資してくれる方に出会いやすいですし、先輩や前職で一緒に働いていた知り合いなどを当たって(そこで信用を得ているなら)投資いただくこともよくあると思います。
初めての資金調達になるため、エクイティで投資を受けられること自体が嬉しい、という気持ちはよく分かるのですが、シード・プレAの投資家が自分だけで投資できる金額は数百万円〜2千万円程度ですので、次のシリーズAでその投資家が追加でさらに億投資する、ということは考えにくいです。
ですので、必ずシード・プレAの投資家から、シリーズAの投資家にバトンを繋がないといけないのですが、ここを点で捉えているか線で捉えているかがかなりの分岐点になるな、とStartPassを運営していて気付きました。本記事では、そちらについてご説明します。
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