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三陸視察旅~気仙沼市-宮古市~

はじめまして!TEDICの吉野(よぴ)です!
東北福祉大学教育学部4年生で、小学校教諭を目指して勉強しています!今年の1月から、学生有給スタッフとしてTEDICに関わらせていただいています。小学校教育実習で不登校の子どもが多い現状を目の当たりにし、「学校に来ていない子どもたちはどんな子なんだろう…会ってみたい!」と思い、学校という場では出会えない子どもたちと出会うべくTEDICに飛び込んできました!普段は蛇田事務所のほっとん家(日中の子どもの居場所)で活動しています♪

今回は、2024年9月25日(水)にほっとん家のスタッフみんなで視察に行った、気仙沼「つなぎ」・宮古「みやっこハウス」の視察内容を紹介したいと思います!


・気仙沼「フリースペース つなぎ」

団体概要


・「フリースペースつなぎ」は、東日本大震災のあと、気仙沼を中心とする地域において、 不登校・ひきこもりの子ども、若者たちが安心できる居場所を目指し2013年2月にオープン
・日々来所する子どもの数が多くて15人、少なくて7人くらい
・対象年齢は小学生~20代

場づくりの工夫


どこか懐かしさを感じる1軒家🏠中はとても広いです!


 民家の中にある平屋一軒家で、キッチンとみんなで集まるスペースの他に2部屋ありました。それに加え、奥に付け足したみんなで作ったお部屋がひと部屋あり、ログハウスのような温かみのある素敵なお部屋でした。中村さんはこの居場所を「大きな家族と同じ、昔の大家族のイメージ」と仰っていましたが、本当にその通りで、みんなでテーブルを囲んでお昼を食べている賑やかな様子にほっこりしました。また、区切られている部分が少なく、狭く艦居させない家の作りになっていました。棚やホワイトボードには利用している子ども・若者の名前が書かれていて「自分の場所」として認識できるような置き方だなと思いました。
 

敷地の奥にいくと…素敵な遊び場スペース!GW期間に作り上げたみたいです!すごい!

活動の様子


・「自分たちのことは自分たちで決める」
 「つなぎ」では、毎週水曜日の午後に子どもMTGを行っており、そこでやりたいことや困っていることを議題として出して子どもたちが議論をする、「つなぎ」の意思決定の最終機関となっているそうです。代表理事の中村さんは、「一番高めたいのは、子どもの自己肯定感・自信で、そのためには1個でもいいから自分がやりたいと思ったことが”この場所なら”実現できるんだ!という達成感を感じさせることが大切」と仰っていました。「最終決定権は子どもたち」ということが保障されているからこそ、子どもたちは安心して意見を言ったり、物事を決めたりすることができるんだなと感じました。

・子どもの”自己決定”や”自己選択”を応援する
 「自分のやりたいことをやっていい」「無理しなくていい」「疲れたら休んでもいい」といったことを子どもだけでなくスタッフ自身も大切にしているようです。そういった心がけが子どもの”自己決定”や”自己選択”に繋がり、さらには子どもの自己肯定感や自身の高まりにも影響を与えていくのではないかなと感じました。普段のほっとの子どもたちを見ていて、経験不足や自信の無さからか、なかなか「やりたい!」という声が出てこない時があります。そんなほっとの子どもたちにも、「つなぎ」の子どもたちが日々感じているような達成感、安心感を感じさせることができればいいなと改めて思いました。また、「やりたくない」という思いも自己決定の一つであることを学びました。その時の体調や天候で「無理はしない」ことも学校にはないフリースペースの良さであると感じたため、ほっとでも今後大切にしていきたいと思いました。


みなさんの手作りの肉じゃがごちそうになりました!手作りのおいしさが染みる!

・宮古「みやっこベース(みやっこハウス)」


団体概要


・東日本大震災をきっかけに、地元の高校生たちの「復興の力になりたい」という想いを形にするサポートをするために生まれた団体
・高校生を対象にしたコミュニティースペース作りとプログラムの実施をメインに始めたが、今では小学生向けのみやっこタウンや地域の廃屋となってしまったデパート跡地について使い道を話し合うワークショップ等地域の子ども・若者の人生が豊かなモノになるために必要と考えるプロジェクトを多く立ち上げている。

場づくりの工夫


外から見える素敵な黒板✨


 商店街の中にあり、駅から徒歩5分圏内。ガラス張りで外から様子がよく見える入りやすさがありました。また、リフォームしたとのことで、色遣いがパステルで明るかったり、大きな黒板があったりなど、綺麗でお洒落な空間で、「かわいい!」「カフェみたい!」と入りたい気持ちを高めるような作りになっていました。

活動の様子


・学童代わりに利用する子どもも!
 私たちがお邪魔した時には、小学1年生の女の子と中学生の女の子の2人が来所しており、学生インターンの大学生と一緒に楽しく過ごしていました。設立当初は高校生がメインで来所していたようですが、徐々に小学生の利用者が増え、今では小中学生の利用者が多くなっているそうです。小学校での広報は全くしていないらしく、小学生間の口コミで「みやっこハウス」の存在がどんどん広まり、学童代わりに利用する子どもが増えていったそうです!また、賑やかな小学生と落ち着きのある場を求める高校生の両立が難しい時期もあったようですが、小学生の利用時間を17時までにするなど工夫して、みんなが自由に過ごせる居場所を作っているそうです。中には高校生が大好きな小学生と、小学生が大好きな高校生がお互いに会いに来て楽しく過ごすということもあるそうで、素敵な空間だなと感じました。インターンで来ている大学生との関わりを通して、「将来はみやっこベースのスタッフとして働きたい!」という想いが高まり、毎日のように通っている小学生がいるというお話も聞きました。身近に年の近いスタッフがいることで「憧れの存在」に出会える、そのような機能もフリースペースは果たすことができると実感しました。

・地域との関わり
 地域の行事にはとにかく誰かが参加できるよう声をかけ、みやっこハウスが安心な場所でみやっこベースは怪しい団体ではないんだよということが人と人との関係で伝わるよう意識しているとのことでした。地域に根差して事業を展開していくには、このような日々の積み重ねが大切だなと改めて感じさせられました。

スタッフ紹介やイベントの案内が可愛く書いてある素敵な黒板でした
入口の近くにはチラシもたくさん👀
落ち着く色合いの小上がり!ゆったり過ごすのにいいスペース✨

・感想


 2つの団体の視察を通して、TEDICでもぜひ参考にしたいと思うことをたくさん見つけることができました!場づくりの工夫や子どもとの関わり方、保護者や地域との関わりなど今すぐにでもほっとん家で実践したいと思うことが山ほどあります。まずは「子どもたちにとって過ごしやすい場づくり」を目標に、「つなぎ」や「みやっこハウス」を参考に、より過ごしやすく、素敵な空間を子どもと一緒に作っていけたらいいなと思います。

・最後に🌱



今回温かい受け入れてくださった
一般社団法人フリースペースつなぎの中村さんをはじめとした、みなさん

NPO法人みやっこベースの早川さん、坂本さんをはじめとした、みなさん

本当にありがとうございました^^
今後ともどうぞよろしくお願いします。