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困りごとから始まる地域づくり研修

8月12日。
東北台風直撃の中…静岡から車や電車を使って5名の方が来石!
「本当にやるの?」と問い合わせを受けながらも、
静岡の方の勢いとともに決行した研修会となりました!


自己紹介

台風の影響もあり午前の部参加者は、9名!
「名前・何をしている人か・最近はまっていること」を一人ずつ紹介しました。
みんなが座っているこの椅子!
これがとっても有能で…。軽くすい~と前に出てこれる。
みんな前に行ったり後ろに行ったりと落ち着きなく話していました。

静岡に行ってみて

昨年度の1月に実際に現地に行ったTEDICのスタッフ2名が
「静岡に来てみてどうでした?」
という対話形式でお話をしました。

話題提供者として今回来ていただいた島崎さんが聞き手となり、
・なぜ静岡に来ることになったのか
・行ってみてよかったと思ったポイント
・何を持ち帰ってやってみたこと(やってみたいと思ったこと)
等について、それぞれが思っていたこと感じたことを話しました。

★行ってみてよかったと思ったポイント
・ごちゃまぜの絵を見た時
懇親会の場で、サポーターやスタッフ、利用者の若者など…どのような立場など関係なく交わり合っている絵を見た時とても新鮮な気持ちになった。
・ココカラの事務所を見られたこと
事務所に入るといろいろな人が声をかけてくれて、「今私は誰と話しているんだろう?」という気持ちになりながらも居心地がよい不思議な空間だった。(https://note.com/tedic_ishinomaki/n/n8c24ea9f2de8

★持ち帰ってやってみた(やってみたいこと)
・他団体のことを知ることを進んでできるようになった!
・地域や他団体に混ざりに行くことが増えた!
・どこに誰がいるのか、子ども・若者や支援してくれる団体や人の場所を意識するようになった!

この視察から帰ってきたときのスタッフのキラキラやる気に満ち溢れていた表情を思い出しました。半年以上たってもなお、心に刻まれているその衝撃を受け入れ側と訪問した側の二つの視点で聞きの直すことができた時間となりました。
私も行きたかった‥‥(´;ω;`)

静岡方式とは

就労支援ネットワーク静岡の発起人である津富氏から、静岡方式についての基本的な考え方についてお話がありました。

静岡方式でで行こう‼


静岡方式とは「市民ネットワークによる伴走型支援」
青少年就労支援ネットワーク静岡とは「静岡方式を実現するための市民ネットワーク」
という整理をするところから話は始まりました。
ここから先は、私がキーワードだなぁーと思った言葉を箇条書き…
気になる言葉がある方はぜひ、本や、次の研修会にいらしてください~💦笑

★根本にある信念
・人は変わる
・変化を支えるのは地域である
・地域とは人のつながりである

★試行錯誤を貫く原理原則
・最終解決は「就労」
・あらゆる問題を引き受ける
・目の前の問題はすべて解く
・ボランティア団体であることを譲らない
これらの原理原則のもと動いてきたというゆるぎないものを知ることができました。

★NPOとは
・市民が力を合わせるための媒体・乗り物・器
・力とは、時間、モノ、お金
NPOってどんな組織なんだろう?
非営利な団体に求められているものって何だろう?と考えるきっかけとなりました。

★実際の就労支援
・本人中心主義
→好きなこと、好きなもの、好きな人、好きな場所をもとに提案
→できるかできないかではなく、やってみてもいいかよくないか
→就労体験の重視「働く練習」をする
→「できること」を増やす
・伴走者は船体串を示し勇気づける
・一人で行けないところに行く(一人では大変でも一緒に動きましょう)
・伴走で萃点を作る

★組織境界を作らない
★地域で広がり続ける
★フルタイムで地域(=市民社会)を作り続けるこれができるのがフルタイムのスタッフ
★行政の事業はどんどん縮小されていくからいつ抜けても大丈夫なようにする

言葉を一つ一つ拾っていってもすぐには理解につながらないけれど、「あ、わかるかも」「ふむふむ」「こういうこと言ってるのかな?」そんな瞬間を味わいながら静岡方式について考える時間となりました。

石巻でもやっている事業を静岡で実践すると…?

①富士市若者相談窓口「ココ☆カラ」

ココ☆カラを立ち上げたフルタイムのスタッフ渡邊さんが概要についてお話ししてくださいました。

・ネットワーク作り
・コミュニティースペースの活用
・入口から出口まで
若者相談窓口ココ☆カラはこの3つの柱で活動をしています。

★コミュニティースペースは
・人と人が出会う場所で交差点のようなもの
・化学反応が引き起こされる場所

★クラブ活動
・ごちゃまぜの活動
・うっかり巻き込まれていく
・好きなこと、やりたいことが地域のあちこちで起きている

★制度のはざまをうめるものとしての…
・イベント
・サポーター養成講座
・説明会 etc・・・

何をどのような立ち位置で実施するのかその意識が変わるだけで、
事業という視点から地域の活動という視点になっていくのだなぁと実感しました。

さらに、相談が入り口で現在サポーターとしてココ☆カラに関わり続けている加藤さんとそのサポーターとして長くかかわってきている島崎さんの対談もとても心が熱くなる時間となりました。

就労体験の場所まで島崎さんが送っていったはずなのに…
いつの間にか戻ってきている加藤さん。
そしてまた次の就労体験にチャレンジする。

その二人のやり取りを見ながら、絆を感じました。
支援・被支援の関係ではない、「応援団」としての姿を見せてもらった時間となりました。

②沼津市の事例

沼津市で活動している小和田さんには、学習支援「にじっこ」や相談支援センターの開設と事業が取れなくなった現状について、そしてその中で活躍するサポーターさんについてお話しいただきました。

中でも、どの活動にも共通していたサポーターさんのつながり方とその活躍が目からうろこのお話でした。

サポーター同士は、Facebookやメーリングリストでつながり、困りごとを連絡すると「今自分ができる。」という人が反応するようなコミュニティーが形成されているということでした。

小和田さん自身
「お湯が沸かせなくて困っている」
という発信をみて、
「電気ポットならうちにある。それならもっていくよ!」
そんなことがきっかけでサポーターの活動を続けていたということでした。

また、「相談」は「次の相談」で終わる。という発想も今までにないものでした。
相談場所が居場所になっていることを懸念点として挙げ、地域の中に当事者同士のグループを作ることで、相談を当事者にお任せする形を思い描いて活動していることも私たちにとって新しい形でした。

小和田さんの最後のスライド。
こちらは、そのまま引用させていただきます。

我々TEDICは、まさしく行政の委託事業を受託している団体です。
その受託がなくなったとき、石巻の子ども・若者は自分たちで連帯できるのだろうか。地域の力を弱める動きになっていないだろうか。
この最後の言葉を受けて、自分たちの活動を見直すきっかけをもらった気がします。

今関わっている石巻圏域がどうなっていくための活動なのか。
これを見失っては、活動が地域に入り込んでいくことはないのかもしれません。

最後に

研修の終わりには、参加者一人一人が前に出て、今の自分の立場や活動を振り返ってこれからどうしていくのか、どうあるべきなのか。
研修を通して気付いたことや感じたことをゆっくりとシェアしました。

何か次のアクションが生まれたわけではないけれど、
参加していた人の意識が、参加する前と後で少し変わったような感覚になるそんな時間となりました。

私自身、
「居場所をTEDICが作っています。」
「相談をセンターで聞いています。困ったときや誰かに話したいときはここに来ればいいからね。」
そんな意識で止まっていた私の視界がもう一歩・二歩下がって俯瞰してみようとしている感覚です。

静岡方式を石巻で巻き起こすのが正解なのではなく、
静岡で起きているいいとこどりをして、石巻という地域にアレンジするにはどういう意識と覚悟、ビジョンが必要なのかを考えていきたいと思います。
今年度中に居場所見学会として、静岡にも視察に行こうと計画しています!
ぜひ、この話を見て・聞いて興味がわいた方、一緒に行きましょう!

台風と共に、静岡から石巻まで来ていただいた、
小和田さん、渡邊さん、加藤さん、島崎さん
本当にありがとうございました!!