応援は力に。遊びだからこその出会いがある。
MKBカップから、もう2週間経ったのか。記事を書くために写真を見返すと、それだけで思わずニヤニヤしてしまう。それくらい僕にとっては幸せな1日だった。
MKBカップはまきばフリースクールさん主催のフットサル大会。その趣旨もすごく素敵なのでちょっと触れておく。
TEDICも昔から参加させてもらっていて、ある種毎年の恒例行事になっている。毎年、「応援はTEDICが優勝だよね」と言ってもらっていて、それも誇らしかったのだけど、サッカーガチ勢だった自分としては、昔の熱がフツフツと湧いてしまい、「競技でも優勝じゃ」と意気込んでいた。
まきばさんの場づくり
趣旨からも伝わってくれると嬉しいのだが、この主催のまきばフリースクールさんがつくる場が本当に素晴らしい。なんと言うんだろう、「自由で、ゆるくて、セーフスポットがたくさんある」とでも言うのだろうか。
スポーツガチ勢の僕なんかは、上手いやつが主で、下手なやつはモブだと言わんばかりの世界で生きてきた。それはそれでいい部分もあるのだが、どうしても上下をつくり、ダイバーシティとは正反対のような場になってしまう。それが、逆なんですよね。ゆるくて自由で、ゴロゴロしてる人たちの中で、暑苦しい人たちが一生懸命ボール蹴ってるよ、みたい感じ。だから、スポーツが苦手、集団が苦手、対人が苦手って人も居やすい場所になっている。TEDICも半分くらいの人間がゴロゴロしたり、ゲームをしたりして過ごしていたんじゃないかな。だって、それでいいんだもの。
ガチンコ勢(普段関わらないような大人)がいた時の化学反応も見てみたい
そんな安心安全な場だからこそ、今年はチャレンジしたいことがあった。サッカーガチ勢、普段、子ども・若者支援とは無縁な大人と、子どもや支援者を混ぜてみる試みだ。(あえて、こういう書き方をしているが、彼らもめっちゃいい奴。ただ、普通にサラリーマンをやっていると、不登校や貧困、虐待、みたいなものとは距離があるよね)
この試みは、個人的には大成功だった。最初はまぁ交わらないwww ってか子どもたちは昼夜逆転している子も多いので、早起きして大型バスに乗ってくること自体がとっても大きなチャレンジ。なので、試合にも最初は全然出ないし、声もなくて静か。それが、フットサルがやりたくてこの場に来ている、サッカー小僧(おじさん)たちの生き生きした様子を見ると、だんだん変わってくるわけですよ。
「あれ?だれ?めっちゃ上手い」
「ってかめちゃイケメンじゃね?」
そうなってくると、推し活のプロの女子中学生あたりが、段々と騒ぎ始める。実は前の日に応援用のうちわなんかも作っているので、それがベンチ脇で踊り始める。声援もだんだん黄色くなってくるわけですよ。
そうなると、もう子どもたちも、あっ、いいんだなってなってきて、
「次試合出てもいい??」
「下がる? → いい!もっとでる」
「次の試合まだ?」
とかとか言い始めるし、思いっきり身体を動かし始める。普段の学習支援やフリースクールでも、運動はできたりするけど、相手がいて、勝敗が決まる場だからこその「思いっきり感」は全然違う。みんな汗だくになるくらい、走り回ってて、「あの子があんなに動くんだ」「自己主張するんだ」って、普段から関わってるスタッフなんかはそれだけでなんかウルウルしたり。
そんなこんなで決勝戦
みたいな感じで、子どもたちの様子に嬉しくなりながらも、ちゃっかりガチチームは決勝戦に。(決勝までの道のりもそれはそれで1本記事書きたいくらい)
これやりたかったんだよね。もう、エゴです。僕のエゴに付き合わせましたwww けどさ、初めて会った人も多い中で、人間関係が嫌で学校に行かなかったり、困っている子たちもいる中で、みんな手をつないで、声出してくれたんですよ。嬉しかったな〜。力もらったな。
そして、決勝戦…
優勝しました〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!
これはもう普通に、競技者として嬉しかった笑
最後に
実は、今回TEDICチームには当日飛び入り参加の高校生がいました。TEDICの学習支援に通っている高校生が、自分の友達も呼びたいって言ってくれてたんだけど、大人の事情で最初はお断りをしていました。だけど、当日、シューズを届けにきたっていうので会場で会うことに。僕の判断で参加OKにしちゃいました。(ちょっとヤンチャっぽい子らだったんだけど、参加していいよって言ったらめちゃ嬉しそうだったな〜)多分、その子らはフットサルだったから出会えた子達。困り事や「支援」という入口ではつながらなかった子達だと思う。けど、これでいいんだ、こういう形で若者と出会えていいじゃないかって思わせてもらった。これからまた何かの形で会うかわからんけど、あの時一緒にフットサルやった大人がいたな〜。あいつら、なんか面白かったな、って思えてもらっていたらそれだけでいい。自分が大学までやってきたサッカーがこんな形で役に立ったのが嬉しかった。
いいことばかり書いたけど、もう少し配慮ができていたらよかったなとか、目が行き届いてなかったなと反省することもあった。けど、この数年で一番幸せな日だったし、またやりたいと思える日だった。きれいごとではなく、子どもや若者に力をもらい、もしかしたら、力を分け合えた日だったんじゃないかな。
たいら