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[2/16開催]信用がお金になる?新しい経済の可能性を語る

こんにちは!TEDee渋谷主催の早坂です。今回は「The currency of the new economy is trust」という2012年の動画を取り上げ、信用や、評価が現実世界でお金として影響力をもつ可能性についてディスカッションしました。

動画の中では、「TaskRabbit」という、今でいう家事代行のスキルシェアリングサービスで、「レビュー」の高評価によってTaskRabbit内で引く手あまたのIKEA組み立て名人になった人物の例をあげ、「評価」「信頼」が人物の市場価値を左右するという事例があげられました。また、動画の中のスピーカーは、あるサービス内で高評価を得ていたとしても、同じ人物が別のスキルシェアサービスを利用すると、まったく「ゼロ」からスタートしなければならないことを指摘し、あるコミュニティで得た評価を別のコミュニティで利用する仕組みの可能性についても言及しました。

ディスカッションは、参加者の中で、身近に使っている評価機能があるサービスの例をシェアするところからスタート。「GitHub」や「食べログ」があげられました。

あるコミュニティで得た評価が、別のコミュニティではゼロスタートになってしまうことについて、デジタル世界ならではの現象だという指摘がありました。現実世界では、目の前にいる人を判断する際、その人の行いや言動から「ベーシックレベル」を図ることができますが、インターネット上ではデータがすべてであるため、デジタルの「ベーシックレベル」のようなものが作れるなら、評価を活用できる可能性もあるのでは。

また、世帯年収や職業など以外の、様々な指標を用いる「信用スコアリング」について議論。その人のふるまい、行いなどで信用を向上することができるという意味で、より多くの人に金融サービスが開かれたという前向きな側面もありつつ、収集された情報がどう利用されるかについて厳密にポリシーが定められるべきという意見があがりました。信用スコアリングというとアリババの芝麻信用が有名ですが、中国政府が情報を握ることで、思想や言論に制限がかけられる危険があると指摘されています。

評価システムの信ぴょう性についても議論が進みました。食べログのステルスマーケティングや、食べログの運営会社の恣意的な評価操作があったというニュースを覚えている人も多いと思います。評価は「本物」か、人工的につくられた「偽物」かの見分けが難しい。これについては、複数のレビューを参考にする、もしくは、自分の目的にあったコミュニティのレビューを参考にするという意見があがりました。

評価システムの裏にあるAI技術についても議論。最近は、SNSの投稿内容をAIで収集し、その人物の家族構成や性格を分析した情報を営業・マーケティングツールに活用するサービスも登場しています。
ただし、SNSの投稿内容がその人物の現実をそのまま表しているわけではないこと(複数アカウントを持っている、SNSごとに人格を使い分けている、等・・)が指摘されました。将来的にはAIに高評価されることをねらって、高評価が得られるSNS投稿をするサービスが現れるのでは・・という意見も。笑

動画のスピーカーも、あるサービス内の評価はあくまで「Contextual」であると指摘していました。(つまり、TaskRabbitでIKEAの組み立て名人として高評価を得ている人が、UBERのドライバーとして同じ高評価を得られるわけではない、ということ)

評価される側のユーザーとしては、
・複数の経済圏があると理解すること
・自分に合った経済圏を選ぶこと
という結論に至りました。

いろんな観点にディスカッションがおよび、各ポイントでまだまだ議論が深められそうなトピックでした!ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

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