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ドイツワインケナー試験(筆記・テイスティング対策)

日本ワイン検定1級に合格した今年、次のワイン資格をどうしようか悩んだ挙句、ドイツワインケナー試験を受験する事に。試験日程がちょうど良かった事もあるが、元々ドイツワインが好きだった事も理由の1つ。

24年10月27日にドイツワインケナー試験が実施された訳であるが、筆記試験は99/107点(自己採点)、テイスティング試験は品種5/5・産地4/5の正答率であった。本記事ではドイツワインケナー試験を上位合格する上で参考となるテイスティング試験を中心に記述する。


ドイツワインケナーとは?

以下が公式サイトでの資格概要である。
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日本ドイツワイン協会連合会では、広くドイツワイン・ドイツ文化の啓発を目的に、2003年にドイツワインケナー呼称資格制度を創設し、認定試験を始めました(中略)
試験は、筆記試験とワインのブラインドテストで構成されています。受験申込者にはテキストをお届けするとともに、東京・大阪の2会場においてテイスティング付きの受験対策講座を開催するなど、試験合格に向けた支援も行っています。
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上級ケナーはさておき、並級ケナーは「ドイツワインを知ってもらう」「ドイツワインファンを増やす」ことを目的としたもの。筆者も短期間で150種類ほどのドイツワインをテイスティングしたのだが、ワインエキスパート試験やWSET Level 3試験では習わなかった点や気付かなかった点が色々とあり、予想以上に楽しく学習出来た。

本記事の目的

上記の通り、ドイツワインケナーでは受験申込の際に「ドイツワインの魅力」と題された公式テキストが郵送されるが、それに加えて過去5年分の過去問/解答集も送付される。そのため、筆記試験に関しては公式テキストと過去問集を学習すれば問題ない。

しかし、テイスティング試験に関しては案外情報が見つからないもので、日本ワイン検定1級ほどではないが、「どういうテイスティング試験なのだろうか?」と少し不安を抱きながら本番を迎えた。

ワインエキスパートやWSETなど過去の試験経験をもとに自分なりに構築したテイスティング技術(=テイスティングコメントスキル)や試験対策力を活かして臨んだ訳だが、前日の都内ワインスクールでのテイスティング講座では白品種10/13、黒品種6/9の正解率、本番の試験でも品種5/5、産地4/5という正解率となった。

ワインスクールの周りの生徒を見ると、コメントの書き方や量、先生への質問の内容などでだいたいその人のレベルは推して計れる。残念ではあるが「そんなやり方ではただの品種当てクイズですよ…」と感じざるを得ない人が少なくない。

「品種が全問正解、産地も1問間違いですごい」と思う方もいらっしゃると思うが決してそうではない。むしろ品種が合えば産地も正解して当然なのである。

本記事は、そういった品種当てクイズにはならない、化学的・理論的なテイスティングコメントをベースとしながら(例:酸とタンニンの量的/質的評価:WSET Level 3で用いるMedium-, Medium, Medium+など)、過去の出題傾向を分析して効率的に正答率を最大化し、ドイツワインケナー試験のストレート合格を後押しする事を目的としている。

尚、合格基準は明確に提示されていないが、筆記試験とテイスティング試験の合計点で合否が決まる訳ではない。また、過去問集にも殆ど記載のないテイスティング試験の内容(実際に出題された20問含む)も記している。そういった試験対策も交えて記述しているので、本稿が皆さんの合格の一助となれば幸いだ。

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