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Googleスプレッドシート管理する方法(詳細)

以下では、実際にGoogleスプレッドシート上で構築できるテンプレート例をステップごとに説明します。以下の手順を参考にしていただければ、同様のスプレッドシートを自作することが可能です。
(※ ご自身のGoogleドライブ上で新規Googleスプレッドシートを作成してから、以下を行ってください。)

シート構成概要

  • 「計画表」シート
    日付、タスク名、予定時刻などを記入する。
    ※後述の通り、日付+タスク名を結合した「キー」列を設ける。

  • 「実績記録」シート
    実際の開始・終了時刻や完了フラグを記録する。
    同様に、日付+タスク名を結合した「キー」列を設ける。

  • 「分析」シート
    「計画表」と「実績記録」をキーで紐づけ、予定と実績の差分や達成率を表示する。

  • 「タスクテンプレート」シート(任意)
    ルーティンタスクをここに蓄積し、「計画表」にコピーして使う。


シート列構成の具体例

初心者でも混乱しないよう、あらかじめ「キー列」を最左列に置く構成にします。こうすることでVLOOKUPで検索キーを簡単に使用できます。

シート1:「計画表」シートの列構成例

列項目名入力例・説明
Aキー[=TEXT(B2, "yyyy/mm/dd") & "_" & C2]で「日付_タスク名」を生成
B日付例:2024/12/11
Cタスク名例:「資料作成」
D予定開始時刻例:「9:00」
E予定終了時刻例:「9:30」
F必要工数(h)「(予定終了-予定開始)*24」で小数時間を表示可。例:=(E2-D2)*24G優先度「高」「中」「低」など

ポイント:

  • A列は「キー列」。B列の日付とC列のタスク名を結合して一意のキーを作ります。

    • A2セル例:=B2&"_"&C2

  • 時刻は「時:分」形式で入力し、セルの表示形式を「時刻」に設定しておくと計算が容易です。

  • 必要工数(h)は(終了時刻 - 開始時刻)×24で「時間数」として算出できます。

シート2:「実績記録」シートの列構成例

列項目名入力例・説明
Aキー=B2&"_"&C2 で「日付_タスク名」を生成
B日付「計画表」と同じ日付
Cタスク名「計画表」と同一のタスク名
D実際開始時刻作業開始時に手動記入。例:「9:05」
E実際終了時刻作業終了後に手動記入。例:「9:40」
F実績工数(h)=(E2-D2)*24 で計算(小数時間表示)
G完了フラグチェックボックス挿入(完了時にチェック)
Hコメント遅延理由などメモ

ポイント:

  • キー列(A列)は「計画表」と同様のロジックで日付+タスク名を結合します。

  • 実績工数も同様に(E列 - D列)*24で時間差を小数で算出できます。

  • 完了フラグは「挿入」→「チェックボックス」で作成し、完了時チェックします。

シート3:「分析」シートの列構成例

列項目名参照方法
Aキー=B2&"_"&C2 (分析時も日付+タスク名でキー生成)
B日付UNIQUE関数やフィルタで計画表の日付一覧を取得
Cタスク名タスク一覧をUNIQUEなどで取得D予定開始=VLOOKUP($A2, '計画表'!$A:$G, 4, FALSE)
※4列目は「計画表」での予定開始時刻が何列目かを確認すること(A=1,B=2,C=3,D=4…)
E予定終了同様に=VLOOKUP($A2, '計画表'!$A:$
G, 5, FALSE)
F実際開始=VLOOKUP($A2, '実績記録'!$A:$H, 4, FALSE)
(実績記録で実際開始時刻がD列=Aから数えて4列目)
G実際終了=VLOOKUP($A2, '実績記録'!$A:$
H, 5, FALSE)H差異(実際終了 - 予定終了)=G2 - E2(時間形式で差分)
I達成率完了タスク数/予定タスク数をCOUNTIF等で算出しパーセント表示

VLOOKUPのポイント:

  • 第1引数:検索キー(A列:キー)

  • 第2引数:検索範囲(参照先シートのA列~必要列まで)

  • 第3引数:取得したい列番号(範囲開始列を1とカウント)

  • 第4引数:FALSE(完全一致)

列番号の数え方(例:計画表):

  • A列(キー):1

  • B列(日付):2

  • C列(タスク名):3

  • D列(予定開始):4 ←予定開始を参照するならここを第3引数に指定

  • E列(予定終了):5

  • F列(必要工数):6

  • G列(優先度):7

実績記録でも同様に数えます。

シート4:「タスクテンプレート」シート(任意)

列項目名Aタスク名B標準予定工数など(任意)

ここで日々発生する定常タスクを管理し、「計画表」にコピー&ペーストすれば毎日の計画作成がスムーズです。


運用フロー例

  1. 計画立案(前日または当日開始時):
    「計画表」に当日分のタスクを入力(タスクテンプレートからコピー可)。
    日付・タスク名・予定開始・予定終了を入れると、キーと必要工数が計算できる。

  2. 実行中(当日):
    タスク開始時と終了時刻を「実績記録」に記入。完了時にフラグをチェックする。

  3. 終業前(分析):
    「分析」シートでVLOOKUPが値を取得し、予定と実績の差異や達成率を自動表示。
    遅延タスクに色を付けるなど条件付き書式で可視化。

  4. 改善サイクル:
    分析結果をもとに翌日の計画を調整したり、工数見積り精度を上げていく。


注意点・追加工夫

  • 書式設定
    日付・時刻列は必ず「日付」「時刻」または「時間(Duration)」形式に設定してください。
    計算結果が期待通り表示されない場合は表示形式を確認してください。

  • 条件付き書式
    予定終了より実際終了が遅い場合に赤色表示など、わかりやすく可視化できます。

  • 権限管理
    「計画表」は特定ユーザーのみ編集可、「実績記録」は他メンバーが編集可、など権限を細かく設定できます。

  • スクリプト活用
    Google Apps Scriptを使い、前日の計画を自動コピーして当日の計画を作成するなど、運用効率化が可能です。

以上の手順で、Googleスプレッドシート上に計画と実績管理、分析までをカバーした仕組みを構築できます。これをもとに実際に手を動かしてスプレッドシートを作成してみてください。

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川村康弘(Yasuhiro Kawamura、Ted)@クラウド屋
おもしろきこともなき世を面白く 議論メシ4期生http://gironmeshi.net/ メンタリストDaiGo弟子 強みほがらかさと発散思考 外資系企業でインフラエンジニア