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ABC理論を水平志向で活かす方法~誤解や対立を回避し、人間関係をスムーズにする思考のコツ~

人間関係で「何気ない一言」が原因でトラブルが起きたり、「本当はそんなつもりじゃなかったのに……」と誤解されてしまった経験はありませんか? そんなとき、心理学でよく知られる「ABC理論」に目を向けてみると、事態を俯瞰して捉えるヒントを得られるかもしれません。


ABC理論を提唱したアルバート・エリスによれば、私たちの感情や行動は「出来事(A)」そのものではなく、「その出来事をどう捉えるか(B)」によって決まるといいます。今回は、このABC理論に「水平志向(ラテラルシンキング)」を取り入れ、より柔軟でポジティブな人間関係を築くためのヒントをご紹介します。


1. まずはABC理論をおさらいしよう

A (Activation / きっかけ)

他者からの言葉や行動、あるいは環境で起こった何らかの出来事を指します。たとえば、友人に「最近、変わったね」と言われたことがA(きっかけ)です。

B (Belief / 信念)

その出来事や言葉について、私たちがどのように「意味づけ」するか。

  • 「なんだかバカにされてる気がする…」

  • 「心配してくれてるのかな?」

  • 「褒めてくれているのかも!」
    こんなふうに、人によって解釈の仕方はさまざまです。

C (Consequence / 結果)

B(信念)がもたらす感情や行動、対人態度です。

  • 「腹が立って言い返す」

  • 「逆に気になって、相手に詳しく聞いてみる」
    など、Aは同じでも、Bが違えばCも変わってきます。

ポイントは、A(きっかけ)自体が感情や行動を決めるのではないという点です。人間関係でよくあるトラブルの背景には、「一方的な思い込み」が関わっているケースが多々あります。


2. 水平志向(ラテラルシンキング)の考え方

縦型思考(垂直志向) vs. 水平志向(ラテラルシンキング)

  • 縦型思考(垂直志向)
    物事を1本の線に沿って論理的に積み上げ、「A → B → C」の因果関係を1つに絞って考える思考法。
    例)「友人に『変わったね』と言われた(A) → バカにされたと解釈(B) → 腹が立って文句を言う(C)」

  • 水平志向(ラテラルシンキング)
    多様な可能性を一気に見渡し、複数の切り口を探ってみる思考法。
    例)「友人に『変わったね』と言われた(A) → “心配かも?” “褒めてるかも?” “ただの世間話?”など複数のBを想定 → それぞれのBごとにCを検討する」

水平志向のメリットは、一つの思い込みに縛られず、「ほかの見方もあるかもしれない」と柔軟に考えられることです。


3. ABC理論を水平志向で活かすポイント

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