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途中段階からでもできる!限られた時間内での設計レビューの改善ポイント
「レビュー中盤の後半だけど、まだ修正できることはあるのだろうか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。実は、限られた時間やレビュー回数の中でも、今からできる改善策はいろいろあります。ここでは、非エンジニアのレビュワーがいる状況を想定しながら、具体的な対策をご紹介します。
1. 今回のレビュー範囲と目的を“絞って”再確認する
まずは、レビューの目的と範囲を再度はっきり共有して、重要な箇所に集中しましょう。
レビューアーが「何を見たいのか」明確にする
非エンジニアのレビュワーでも、顧客への説明を考えると「ここは顧客から突っ込まれそう」「ここは特に重要」という箇所があるはずです。そこを中心に、追加の説明や資料を補足し、「お客さんに話すときの筋書き」を固めましょう。
コピペ部分など、詳細すぎる仕様は後回しにしてもOK。最終的にアップデートすればいいので、一旦は優先度の高いところだけを押さえます。ゴールを改めて共有する
途中段階でも「この資料は最終的にこう使う」「顧客レビューではここをチェックする」というゴールを共有するだけで、レビューアーの視点がブレにくくなります。
2. 最低限押さえるべき構成だけ、先に整える
エンジニアが伝えたいことと非エンジニアが知りたいことでは、視点が異なりがちです。そこで、レビューや顧客説明に向けて“最低限必要な構成”だけ先に整えておきましょう。
概要ページ(エグゼクティブサマリ、要点まとめ)
非エンジニアでもざっくり理解できるページを先に作り、最新情報を反映しておきます。顧客レビュー前に「この概要を押さえれば、全体像はわかる」と提示できると安心です。顧客視点のQ&Aを作る
レビュー中に「顧客からこういう質問がありそうだな」というポイントが出てくると思います。それをQ&A形式でまとめ、設計書のどこを見れば答えられるかを示しておくと、レビュワーが抱える不安感も少なくなります。途中段階でも取りかかるだけで、「ここを補足すればいいな」と判断しやすくなるでしょう。
3. コピペ箇所や整合性の不安を“見える化”する
次に、コピペしたままの文や整合性が怪しい箇所を明確にする工夫をしましょう。
コピペ箇所にはラベルを付ける
たとえば「要再確認」「後で要メンテ」「一時的に引用」といったコメントを残し、のちに必ず修正することを示します。レビューアーにも「最終的に自分の言葉で整合性を取り直す予定」と伝えておけば、中途段階での不安が和らぎます。不整合がある箇所は“差分リスト”を作る
仕様や要件が更新されると、ドキュメントの一部で古い内容が混在してしまうことも。
「ここは未更新」「ここは半分だけ反映済み」などステータス管理する差分リストを作ると、どこを後で直すかが一目でわかり、混乱を防げます。
4. レビューアーとの対話の仕方を工夫する
限られた時間の中で効率よくレビューを進めるには、レビュー前の準備と対話の進め方がカギになります。
レビュー前に要点サマリを事前共有する
「今回見てほしいポイントは3つです」と絞り込んで伝えると、レビューアーは集中しやすくなります。非エンジニアのレビュワーに膨大な技術資料を一気に見せるのは負担が大きいので、事前に要点をまとめるだけでも進行がスムーズです。レビュー会で一緒に資料を見ながら疑問をその場で解消する
ドキュメントにコメントを書いてもらい、口頭で議論して「これはこう直そう」と決める。その場でメモや修正を入れておけば、次回レビューで同じ指摘が繰り返されることを防げます。
5. “顧客レビュー”に向けた段取りを早めに作る
最後に、顧客レビューでスムーズに進行できるよう、レビュー段階から準備を進めておくのがポイントです。
顧客レビュー用のスライドや進め方をざっくり検討
「どんな順番で説明するか」「どこを深堀りするか」「顧客が関心を持ちそうなポイントは何か」をイメージしておきましょう。今のレビューで足りないところや補足すべき内容がクリアになります。“仮の顧客レビュー”として社内関係者向けにリハーサル
時間が許すなら、今回のレビュワーも巻き込んでリハーサルしましょう。「ここ、顧客に伝わらないかもしれない」「ここはわかりにくいかも」といった改善点が見つかりやすくなります。
まとめ
レビューの目的・範囲を再度はっきり共有し、“重要箇所”を中心にアップデートする。
概要ページや顧客視点のQ&Aを先に整備しておき、レビューアーの不安感を抑える。
コピペや不整合のある箇所は“TODOを明示”して見える化し、混乱を減らす。
レビューのポイントを事前にまとめて共有し、対話の場で疑問をその場で解消する。
顧客レビューの段取りを早めに検討し、リハーサルで問題点を洗い出す。
途中段階であっても、「どこを直せばレビュワーや顧客が納得しやすいか」をピンポイントで押さえながら取り組めば、限られた時間内でも十分にブラッシュアップできます。ぜひ今回ご紹介したポイントを活用して、設計レビューの質を高めてください。
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