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NVIDIA CEO Jensen Huang Keynote at CES 2025の要約
NVIDIA CEO Jensen Huang Keynote at CES 2025の要約です。
1. トークンが切り拓く新時代のインテリジェンス
トークン (Token) の役割
自然言語や画像、動画、音声、さらには物理現象をも「トークン」として扱い、生成・推論を行うことで「インテリジェンス」を生み出すという考え方を強調。大規模言語モデルからフィジカル AI へ
画像・言語などの生成に留まらず、今後は物理空間や世界モデルまで取り込み、ロボットや自動運転などの実社会の課題にも応用していくことが大きなテーマ。
2. RTX Blackwell シリーズ: GPU アーキテクチャの革新
GeForce RTX 50 シリーズ (Blackwell アーキテクチャ)
前世代 Ada (RTX 40 シリーズ) に比べ最大 3 倍以上の性能向上を実現。920 億個のトランジスタ、AI 性能 (TOPS) が大幅に強化され、レイトレーシングやニューラル レンダリング (DLSS など) で飛躍的な効率を可能に。AI が CG を革新し、CG が AI を普及させた歴史
GeForce による 3D グラフィックスと AI の相互作用が、リアルタイム レイトレーシングやピクセル予測生成などのブレイクスルーをもたらしている。
3. Blackwell データセンター向け GPU と AI 工場
Blackwell を用いたデータセンター システム
大規模クラウドやエンタープライズでの AI 推論・学習の需要を支えるために、NVLink 36/72 や Grace CPU との組み合わせなど、多様な構成の巨大スーパーコンピューターを多数の OEM パートナーと展開。ワット当たりの性能 4 倍、コスト当たりの性能 3 倍
前世代と比較して大幅に効率化を実現し、トレーニング コストと推論コストを劇的に削減。AI モデルのさらなる大規模化と普及を後押し。
4. Agentic AI とエコシステム戦略
エージェント型 AI の重要性
従来の生成 AI をさらに拡張し、マルチステップで思考し、外部ツールを呼び出し、他モデルとのやりとりを行う「エージェント型 AI」が今後急速に拡大。NVIDIA NIM / NeMo / Blueprint
クラウドやオンプレ問わず導入可能な AI マイクロサービス群、ファインチューニングやガードレールを含む管理フレームワーク、各業界特化のテンプレート (Blueprint) で構成されるエコシステムを発表。Llama Nemotron ファミリ
オープンソース Llama 系モデルをベースに企業向けに最適化した大規模言語モデル群で、検索や推論、会話など多様なタスクに対応。
5. AI PC・WSL 2 への展開
Windows AI PC
従来のマルチメディア API に加え、AI 用の生成 API を標準搭載することで、個人 PC 上でも容易に高度な AI を活用できる「AI PC」構想を提示。WSL 2 (Windows Subsystem for Linux 2)
CUDA 対応により NVIDIA のフルスタック ソフトウェアが動作し、開発者が PC 上で AI モデルを実行・実験できる環境を実現。
6. Physical AI と NVIDIA Cosmos
NVIDIA Cosmos: 世界基盤モデル
動画・画像ベースで物理現象や空間を学習し、実世界の動的要素を理解・生成できる初の大規模モデル。Omniverse と連携することで、ロボットや自動運転向けのシミュレーション・合成データ生成などに大きく貢献。Omniverse との統合
物理シミュレーション (Omniverse) と Cosmos を組み合わせることで、マルチバース環境を構築し、ロボティクスや自動運転車両に必要な膨大なトレーニング データを創出。
7. ロボティクス: ヒューマノイド ロボットと Isaac GR00T
汎用ロボティクスの時代到来
自動車・ロボット・エージェント AI の 3 領域が、既存環境 (ブラウンフィールド) に直接適合できる次世代プラットフォームになる。Isaac GR00T
遠隔操作と合成データ生成を組み合わせ、わずかな実演データから指数関数的に学習データを拡張し、ヒューマノイド ロボットのモーション習得を加速。
8. 小型 AI スーパーコンピューター「Project DIGITS」
DGX-1 のコンパクト版
「箱から出してすぐに」AI スーパーコンピューターとして使える DGX のコンセプトをさらに縮小化した新デバイス。Grace Blackwell (GB110) ベースのチップを搭載。デスクトップ/クラウド両対応
高性能でありながらデスクトップにも収まる大きさで、開発者や企業が容易に導入し、NVIDIA のあらゆる AI ソフトウェア スタックを活用可能。
結論
NVIDIA は「トークン生成」に着目して AI コンピューティングを刷新し、言語・画像・動画のみならず物理世界への応用 (自動運転や汎用ロボティクス) を強力に推進している。新アーキテクチャ Blackwell を軸に、クラウドから個人 PC、産業向けロボットまでをカバーする多層的なエコシステムを構築し、あらゆる領域での AI 普及を加速していく方針を明確に示した講演といえる。
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![川村康弘(Yasuhiro Kawamura、Ted)@クラウド屋](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/125203282/profile_46a0b283802922e6bcd70f872a75f788.png?width=600&crop=1:1,smart)