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「自分の言葉で説明できない…」を解消!参考ドキュメントの示し方&修正点を明確にする方法

設計書や仕様書を修正したはいいけれど、「なぜそう変更したのかを自分の言葉でうまく説明できない」「参考にした資料の参照元や修正理由を明確に示せない」といったお悩みはありませんか?


実はその原因の多くは、“修正の背景やロジックを自分で咀嚼しきれていない” ことにあります。本記事では、そうした問題を解消するためのポイントや手順を、具体的に整理してご紹介します。


1. なぜ「自分の言葉で説明できない」のか?

1.1 内容をしっかり咀嚼していない

  • 原因: 参考資料をコピペ・流用しているだけで、背景やロジックを十分に理解していない。

  • どうなる?: 深い質問をされると「えっと…」と詰まってしまい、表面的な説明で終わってしまう。

1.2 大枠を知らずに“点”だけ機械的に直している

  • 原因: ドキュメント全体のストーリーや目的を把握せず、パラメータや文言だけを差し替えている。

  • どうなる?: 「なぜそれが必要なのか」説明ができず、修正の妥当性を説得力ある形で話せない。

1.3 修正のプロセスを記録していない

  • 原因: 「言われたから直した」だけで、修正に至る議論や決定プロセスをメモしていない。

  • どうなる?: 後から自分でも再現できず、「何でこうなったんだっけ?」と曖昧になる。


2. 参考ドキュメントをどう示せば、説明が明確になる?

2.1 引用・参考元を文書中に明示する

  • ポイント: 「この仕様は○○の公式ドキュメントを参照しています」「この部分は△△ベンダーの資料Version X.Xを参考にしました」という形で、具体的に出典を記載しましょう。

  • 効果: 「どの情報がどこから来ているのか」がはっきりし、突っ込んだ質問を受けても根拠を示しやすくなります。

2.2 引用の“意図”を補足し、自分なりの言葉で再解釈

  • ポイント: ただコピペするのではなく、「なぜこのドキュメントを参考にしているのか?」「どんな要件を満たすためなのか?」を自分の言葉で書き添える。

  • 効果: 背景や目的を含めて理解していることを示せるので、質問への回答に説得力が出ます。

2.3 修正バージョンや変更履歴を作成する

  • ポイント: 「Ver1.0 → Ver1.1で、ここをこう変えた。理由は○○だから」と“変更履歴”を残す。

  • 効果: どの資料をもとに、どのような意図で修正したのかが一目でわかり、後からでも説明しやすい。


3. 「ここをこう変えた」と明示的に言えるようになるためのステップ

ステップ1:修正前・修正後の差分を“見える化”する

  • やり方: Wordの「変更履歴」機能、Gitなどのバージョン管理、Markdownの差分表示機能を活用する。

  • 効果: 「どこがどう変わったのか」が一覧で見えるため、理由とセットで覚えやすくなる。

ステップ2:修正内容を“自分の言葉”で箇条書きにする

  • やり方: 「今回は①エラー制御ロジックの追加、②ログ出力先の変更、③初期パラメータの調整」と短い文でまとめる。

  • 効果: 文字に起こすだけで、頭の中が整理され、自分で説明する下地ができる。

ステップ3:背景と目的を再確認する

  • やり方: 「なぜこの変更が必要なのか?」「何の要件に応えるためか?」などを短い文章で書き出す。

  • 効果: 「セキュリティ要件を満たすため」「運用コストを抑えるため」のようにシンプルに説明できるようになる。

ステップ4:短い“エレベーターピッチ”を考える

  • やり方: 30秒~1分くらいで「修正ポイントと理由」を端的に話せるように練習しておく。

  • 効果: 急に上司や顧客から「なんでこう直したの?」と聞かれてもスムーズに回答できる。


まとめ

  • **「自分の言葉で説明できない」**のは、多くの場合「背景やロジックを十分に理解していない」「ドキュメント全体像をつかまずに個別修正だけしている」「修正プロセスを記録していない」などが原因。

  • 参考ドキュメントの示し方は、「文書内で出典を明確に書く」「引用の意図と自分の再解釈を添える」「変更履歴やバージョン管理を使う」といった方法が効果的。

  • 修正点を明確に説明するためには、差分の“見える化”→内容を箇条書き→背景・目的の再確認→短いエレベーターピッチ作成、というプロセスが有効です。

これらを実践するだけで、「どの資料を使って、なぜそのように修正し、どんな価値があるのか?」をサッと答えられるようになります。次の打ち合わせやプレゼンで、ぜひ役立ててみてください。

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川村康弘(Yasuhiro Kawamura、Ted)@クラウド屋
おもしろきこともなき世を面白く 議論メシ4期生http://gironmeshi.net/ メンタリストDaiGo弟子 強みほがらかさと発散思考 外資系企業でインフラエンジニア