ヒロプリンコ 【刺繍缶バッジ#038】
……
カエルの王子は王と女王にねがいます
「わたしにも王のようなヒゲはいただけませんか?」
王はしばらくなやんだあとに
「ヒゲをつけるは王のあかしであるぞ。わしよりほかになんぴともつけることはゆるされぬ。
それをつければ、むほんのうたがいありとして、いそいですぐにそやつの首をはねねばならん」
カエルの王子はたちまちに兵隊ガエルに体の両脇をおさえられます。
「あらあら王さま、おおげさですこと。かわいい王子はあなたのおヒゲがうらやましかっただけですよ」
王は、それでも王子をにらんだままでいます。
「王さま、よければ王子にわたくしのようなカツラをお与えになってはいかがです? やがて王子が王をつぐときにヒゲをゆずるのがよろしいでしょう」
カエルの王はうなずいて
「それがよろしい。王子には子どもの頃の肌のような金色のカツラを用意せよ」
部下に命じます。
それから王子は冠と金色のカツラをつけるようになりました。
……
ヒロプリンコ。カエルの王子の物語。現在、4巻まで刊行中。いずれも私家版。
やがて、カエルの王子は旅立ちます。カエルの王子の成長譚。
バッグに合わせるとこのような感じになります。
表面
裏面
[サイズ]:φ54mm
[素 材]:刺繍糸、布、ブリキ、鉄
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?