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リコリスガール|ウィッシュリスト
わたしは、何かをやりたいと考えながら、ではそれは一体なんなのか分からず、一瞬、エウレカの尻尾を掴んだように思っても、それはするりと抜けてしまう。泣きながら目を覚ました時の夢の質量のように、確かにあったことだけ手のひらに残る。
ときめくイントロの予感、それはブレスをわずかに感じさせただけで去ってゆく。
胸の疼きだけ先走って、困惑している。
何か、焦がれるものだということは確かな、それでもそれを為すためには自分に決定的な何かが欠けているような。
「毎日、物語を書いているじゃない」
わたしの影が、セブンイレブンの冷凍チェリーを頬張りながら、励ましの言葉を掛けてくれる。
そう。毎日、物語詩を書くことは続けている。カヤさんのドローイングの中に鳴っている言葉を拾いあげ、並べる字句に政治的な意図が含まれたとしても躊躇せず、わたしは大胆に書き続けている。
クオリティのある、クリティカルな物語詩を紡いでいると自負している。
ドローイングとのマリアージュに、繊細に心を砕いている。
日ごとに与えられている嗣業と思っていて、それはとても貴重なこと。
そう、だから、わたし、何もしていないわけじゃない。それでもそれでも、まだ何かを表現したいと渇いている。
正体を掴むことのできないその渇きを、わたしはチェリーを頬張ることでごまかそうとする。解決に至らないけれど、ひと息はつける。
セブンの冷凍フルーツ、おいしいよね。これからはアイスじゃなくて、このシリーズを楽しむことにしようか。
「うん。それがいいと思うよ」
わたしの影、リコリスガールは、もうひと粒フルーツを頬張る。
わたし、何がしたいのかなあ。
やるべきことをジャグリングしていても、それは形にならないので、書き出してみることにする。
わたしのウィッシュリストだ。
・小説を書く。
原稿用紙80枚の作品をすでに書き上げている。これは9月末締切の公募に投稿するのだ。これから推敲を施す。
あれ、具体的にやることあるじゃないか。そうだ、こうして公にしていったらぐんぐん行うことができるのじゃない?
続けてみよう。
・毎日、投稿をする。
カヤさんとの【March hare sings】に加えて、個人の投稿を行いたい。
できれば、写真を伴ったもの。
ああ、そうだ、このリコリスガールをデイリーの更新にしたらいいのじゃない? 2000字の日記を毎日更新するようにしたらいい。それにふさわしい写真を撮影できるようになれたらいい。
やりたいこと、具体的になってきた。いいね、いいね。
・読書
今は、なかなか本を読めないでいる。文字が上滑りして、物語は音しか聞こえない花火のようで、わたしは何も読んでいないのじゃないかという気分になる。
まずは、読みかけ、というか聴きかけのオーディブル『猫を抱いて象と泳ぐ』を読了しよう。
あまりの暑さに慄いて、散歩をすることもできないでいたけれど、明日は病院もあるから、カメラを持ち、広い公園を散歩しながら、シューティングしながら聴くことにしよう。
これらができたら十分じゃないかな。
あと、やりたいことはなんだろう。
・ストレッチ
・ポケ活(GBL)
・デザイン作業
デザイン作業が難関に思える。やっぱり、今の病気(障害)を抱えるきっかけになったのがグラフィックデザイナー時代の仕事のせいだからだと思う。
でもね、それを克服したいと考えている。
そのために、まずは写真を撮影できることを入り口にしたい。わたし、写真を世界を切り取るものとは考えていなくて、どちらかというと絵画のようなものと捉えている。だからRAWで撮影し、自分の好み、というと語弊があるけれど、伝えたい彩色を施す。
そうだそうだ、そういうことがしたかったんだ。その先に、デザインの扉が再度開かれることを期待している。
この熱量が、明日には去ってしまうかもしれない。詰め込みすぎて、また寝込んでしまうことになるかもしれない。
この胸の奥にたぎっているものを、もっと適切に表現する何かがあるのかもしれない。
でも、それを見つけることができなかった。
だから、また、同じことをしてしまうのだけれど、やってみようと思う。
このリコリスガールをデイリーのものとし、インスタグラムとnoteとエブリスタで連載することにしよう。
わたしの影は、そのことを喜ぶだろうか。また前後不覚に陥ることを懸念するだろうか。
「わたしは、いつでもあなたのことを励ます。わたし自身があなたの紡ぎ出す物語を読みたいと思っている」
そうだ、誰に乞われるのではなくて、ただ自分が自分の書く物語を読みたいのだ。何の益にもならないだろう。喜ぶ人も少ないだろう。
見つけられることも、少ないだろう。
それでいいから、ただ書いてゆき、その先に読む喜びがあり、デザインする楽しみが生まれてくる。
まとめてわたしだから、とにかくそれをやってみよう。
いつも書きながら発見していたじゃないか。
わたしの冒険は、真っ白い世界に文字をしたためるところからはじまる。
リコリスガール:0015 ウィッシュリスト<了>