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〖八花設計室〗 11月の作品ジャケットデザイン

haccaノベルのデザイナー、石川です。
haccaノベルのデザインについて〖八花設計室〗と題してお届けします。設計室はそのままでも、デザインルームと読んでいただいても結構です。

11月リリース作品のジャケットデザインについて解説をしてゆきます。

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11/20リリースの『秋の記憶』。中村 リエッタさんの作品です。

hacca filmでも少し触れましたが、今回のジャケットには、キャラメルキャンディーとキャラメルシロップを用いています。

キャラメルシロップの色合いが、紅葉したイチョウの葉のようで、秋らしく仕上がりました。
その液体のもったりとした感じが、眠りの奥にあるような溶けてしまった記憶をあらわしています。

そこに浮かび上がるふたつのキャラメルキャンディー。
それが象徴する記憶は、幾たびも重ねられ、意味を深くしてゆきます。

出来事とともに、時間とともに、変化するもの。
傷を慰めるものもあれば、高揚を失わせるものもある。

甘く香ばしいキャンディーが人によって、とても複雑な味わいになること。
それは面白く、キャンディーひとつでも、人はただ味だけを楽しんでいるわけではないのだと、気づきます。

今回のジャケットに、スモーキーなイメージも乗せようと思っていました。煙草の煙のくすぶりも表現したかったのです。
味だけではなく、匂いからも記憶は呼び起こされます。

味、匂い、記憶。
あなたの秋の記憶の中に、ぜひこの物語も含めてみてください。いつか金色の景色の中に、くすぶるような香りや、口の中に広がる甘さを感じることができるかもしれません。
それが物語の持つ、ふくよかさだと思っています。


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