デジタルマーケの極意
P&Gのマーケティング手法
そこで本稿では、P&G流のフレームワークをデジタルサービスに応用する技術について、解説していきたいと思います。
カテゴリー・ペネトレーション
P&Gなど消費財メーカーは、使わない人はほぼ皆無のシャンプーや洗剤などカテゴリー・ペネトレーションの高い製品を中心に扱っています。
よって、マーケティング戦略も、顧客の重要性と併せて「競争戦略」が大事になります。花王やユニチャームなどライバル企業とのシェアゲームの連続です。
飲料業界などもそう。カテゴリー・ペネトレーションが高い製品・サービスは日々シェア争いを繰り広げています。
デジタルサービスのマーケティングはシェアゲーム<<<市場そのものをどう大きくするか
一方、メルカリやNewsPicksのようなデジタルサービスはどうでしょうか?
カテゴリー・ペネトレーションはまだまだ低く、「誰でも知っている」と思われがちなメルカリでさえ、私が在籍していた2017年当時は数10%程度でした。
スタートアップのサービスはほとんどゼロに近いサービスが中心です。
だからこそ、デジタルサービスのマーケティングはシェアゲームではなく、市場そのものをどう大きくするかが大事になります。
顧客管理→LTV
データの可視化は、ビジネスのありかた、マーケティングのアプローチをガラリと変えました。LTVを考えてどれくらい投資できるかが明確になったのです。
他方、消費財などは、1人の顧客がどれだけ自社にお金を払ってくれたかを完全に追うことはできません。
繰り返し強調しますが、デジタルサービスと消費財のマーケティグの大きな違いは、顧客管理ができること。
グロースの法則①「LTVとCACのマネジメント」
つまり、LTVが算出できることであり、グロースとはLTVとCACを管理し、ビジネスを伸ばすことと定義しています。
結局、LTVはデジタルサービスの価値そのものです。これを測るにはリテンション(継続率)や チャーンレート (離脱率)が重要な指標になります。
グロースの法則②「マーケットで小さく試す」
デジタルサービスをグロースするうえで、極めて重要なのがスピードです。
グロースの法則③「センターピンを定めて、投資する」
繰り返しになりますが、デジタルサービスは顧客管理できているので、顧客の動きを計測し、要素を因数分解して、KBDはなにか、どこのレバーが一番10倍、100倍にできるかということを考えていきます。
マーケティングのフレームワークも進化
ここでは、P&Gのマーケティングの基本として、誰しもが使っていた「Who,What,How」のフレームワークを、デジタルサービスに応用してみましょう。
P&Gでは、製品ごとの顧客ターゲットが明確でした。そのプロダクトは誰が使ってくれるのか、顧客をセグメンテーションし、狙いを定めて、マーケティング戦略をそこにフォーカスする技術に長けていました。(STP)
一方デジタルサービスは、先述したとおりカテゴリー・ペネトレーションが低いため、既存顧客はほぼおらず、「顧客の創造」をする必要があります。
そのとき重要なのが、顧客はWhy (なぜ )そのサービスを、(When)いつ使ったのかという「ユースケース」を顧客インタビューを重ねながら、集めることです
ユースケースの拡張→「市場を広げる」発想
P&Gでは、ブランド独自の提供価値としての「What(=顧客便益)」を考えることに心血を注いでいました。
デジタルサービスもそれは同じですが、違いはその「What」が競合との差別化によりシェアを奪うことではなく、「いつ、なぜこれを使うといいのか」というユースケースを拡張することで、「市場を広げる」発想をすることです。
HOW
1. 無料トライアルと検索上位
2. 認知の拡大、第一想起
3. 顧客が顧客を呼ぶ(招待, 推薦)