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丸裸でぶつからなければ相手を丸裸にできない。 『主婦病』

テーマは「日常」。短編だが、内容やテーマが繋がっている。なんの変哲もなく見える日常の背後に、不穏な影。

伝えたいこと

1. 残酷で理不尽なのが日常であり、人の心だ。それでも輝く静かで力強い前向きな曖昧なのが存在する。一瞬だけ通い合う気持ちや、何気ない一言や振る舞いが私たちを生かす。

2. 「楽しいことも怖いことも沢山ある。けど、恐れることはないわ。」
「恐れずに、"裸で"立ち向かうよ。丸裸でぶつからなければ相手を丸裸にできない。」

3. 出会いというのは、なんでもない日常の亀裂だ。奇跡だ。一生に何度巡ってくるだろうか。

4. 良心って何?若さは使うべきよ。

5. 不倫。浮気。世間からすれば、道に外れたことになる。しかし、断言できる。私たちは道に外れていない。2人だけの至極の道だ。少しでも会えることが日常を煌めかせる。相手を受け入れるたびに新しい自分を発掘する。これだけは断言できる。「何が幸せか、わかったから、幸せです。」

1. 眠る無花果

母は車で1人で電信柱に激突した。(4.と繋がる)
整体師の父。
と12歳の絵子。

金髪の男。死神みたい。顔はいい。タイタンという寮に住んでいる。金髪の男は、二輪の花を持っていた。これは、草汰くん。(6.と繋がる)

おさげ。禁欲的な髪型。(4.と繋がる)春枝おばさん。父は裸の女性に施術をする。その相手が春枝おばさんだった。母は空っぽだった。

見せたくないものは、見えないようにするのよ。無花果の葉の小枝が何本もおられていた。

絵子「大人って楽しい?」
春枝「楽しいことも怖いことも沢山ある。けど、恐れることはないわ。」
絵子「恐れずに、"裸で"立ち向かうよ。」

4. 森と蜜

1.は絵子目線の話だったが、4.は絵子の母目線の話。
冷たい整体師の夫
小学校時代の出来事を仕切に思い出す女。

夫の部屋。夜ご飯を聞いても返事がない。ベッドには乱れたタオル。女が横たわっていたのだ。夫は、永遠に私を抱かないだろう。

ある日、見てしまった。やっぱり。金髪の男を強引に家に呼んで営んだ。まるで下手なピアノみたいに。金髪の男(草汰くん)は言う。「あなたは昔の彼女に似ている。電信柱に衝突しました。」

男に後をつけられている。人生最初の友達、麗羅というモデル。ひとりぼっち同士。美緒が目当てなのかな?おさげが好きなんじゃない?だって美緒って、つまんない女だもん。麗羅がおさげにして彼女は亡くなった。

なるほど、この後、昔の彼女を真似して車で亡くなったわけか。

6. 月影の背中

激しい恋状に駆り立てられるかのように、タクシー運転手となって街を走るお嬢様育ち(タイタン寮の不動産)の女。(1. の母のこと)

ミス交通安全。箔が付くからと両親に勧められた。夫は親が決めたようなもん。ずっと無言で営む。

金髪の男(草汰くん)が家賃を払いに来た。見つめた。出会いというのは、なんでもない日常の亀裂だ。奇跡だ。一生に何度巡ってくるだろうか。丸裸でぶつからなければ相手を丸裸にできない。

結婚したけど、恋愛を何も知らない。草汰君と不倫する。夫に思う。こんなに人を好きになってごめんなさい。いくってのは天国に行くこと。一緒に天国に行こう。それをまぶたで閉じ込めた。

夫と結婚したことを死ぬほど後悔した。良心って何?若さは使うべきよ。不倫。浮気。世間からすれば、道に外れたことになる。しかし、断言できる。私たちは道に外れていない。2人だけの至極の道だ。少しでも会えることが日常を煌めかせる。相手を受け入れるたびに新しい自分を発掘する。

これだけは断言できる。「何が幸せか、わかったから、幸せです。」

草汰君は白い花が似合うと言ってくれた。夫を刺した。そして、車で電信柱に衝突した。草汰君、恋愛してもいいんだよ。

2.5.は独立した話

2. まばたきがスイッチ

夫と会話が成立せず、秘密のアルバイトに精を出す妻。

夫はパブやキャバ嬢に行ってた。ご飯に文句を言うし、無視。ベランダで瞼を閉じて凪のように佇む。向かいのタイタンという寮で、洗濯を干す金髪の男。心臓が鳴る。目が合って、前髪作ったのに気づいてくれた。

たとえ専業主婦でも女はいざという時のために100万円は隠し持っているべきだ。いざ、自分は革命家でもなった気分になれる。世界は瞼というスイッチで開閉可能だ。8時半から15時までは仕事。自慰行為の電話を受けるだけ。

夫に言った「いざ」。通帳の残高は100万に届こうとしていた。

5. まだ宵の口

結婚して経済的に恵まれてるものの、朝四時から七時までお団子屋で働く女。私は和香奈。親友の冴子。店長と冴子がラブホテルに。2人ともバイトから消えた。冴子の娘の結真。お団子の甘さとセックスの快感をつなげている。夫はIT社長。

バイトから帰ると、夫のティッシュペーパー。いつでもできるぞという主張に見える。ずっと捨てられずにいた。目を閉じると夫の顔が浮かぶ。行為中、名前を呼んでいる顔を。4.50代なのにやりまくってた。もう死んでもいいほど幸せだった。けど子供ができにくいと知った。私の中で生きるはずだったのに。希望を失い、セックスをやめた。冴子と結真が眩しくて仕方ない。私の空っぽの子宮。

冴子「母親じゃない自分に戻りたい日が来るの。逃げたいって思うの。男が欲しかった。店長も女が欲しかった。それだけ。」

初めてのデートのように「今夜一緒にどこかでご飯食べない?」夫は明るく行こう。と答えた。前向きで終わる。

3. さざなみを抱く

ゲイだった夫を知り、同様しつつ介護する妻。

体の感覚がもうない。もちろん夫の夫も。いつも諦めた悟った優しくて寂しい笑いをする。リハビリ施設のインストラクターの金髪の男にデレデレしている。「ゲイなのに、なんで結婚したの?」

金髪の男(草汰くん)に誘惑してくれるように頼んだ。夫の性的不能を回復するため。夫は部下といちゃつく私を見て自殺した。夫の夫は立派になっていた。どっちに欲情したのかわからず終わった。

“主婦病”という表題

「明確な症状があるわけではないのに、周囲はもちろん自分さえ気づかないうちにじわじわとむしばまれ、内面から壊れていくところが病気に近いなと。買い物依存症のようにはっきり見える問題ではないから、よけい根が深く治りも悪そうです」。


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