Web3.0のワクワクする事例
GAFA独占時代(Web2.0)→個人とコミュニティが力を持つ非中央集権時代(Web3.0)
もともとフラットな世界を理想として生まれたのがインターネットです。しかし過去20年ほどで、グーグルやフェイスブックといった巨大なプラットフォームが、その利益を独占する場所になりました。
すべての富や権力は、GAFAのようなテック企業に集まる。あなたが素晴らしいコンテンツを創っても、それはグーグル検索で表示されるブログや、ユーチューブの動画作品や、フェイスブック上の投稿のように、プラットフォームの部品になる。
しかしWeb3.0の世界では、ブロックチェーンという技術を基盤にして、一人一人が自分のデータやコンテンツを所有したり、コントロールできます。そして巨大企業に支配されないような、新しいサービスが生まれているのです。
ブロックチェーン
基礎知識として、Web3.0というのはすべてブロックチェーンという技術を基盤として、インターネットを「民主化」する最新トレンドだと思ってください。そして新しいサービスは、大きく5つのジャンルから登場しています。
NFT
例えばニュースなどでもよく話題になるNFT(Non-Fungible Token)とは、デジタルコンテンツの所有権を、ブロックチェーンで記録する仕組みです。これによってクリエイターたちは、自分のデジタルコンテンツに値札をつけて、流通させることができます。
先日も、手塚治虫さんの名作漫画「鉄腕アトム」のデジタルアートが、約5300万円でオークションで落札されたことが話題になりました。世界では10億円単位の値札がつくNFTも登場しています。
De-Fi
ディファイ(分散型金融)というのも、大きなトレンドです。これは銀行のような監督者がいなくても、投資をしたり、決済をしたり、送金をしたりする、新しい金融サービスのカテゴリーです。
世界大注目7つのプロジェクト
ここから先には、いま世界でもっとも注目を集めている7つのプロジェクトを紹介します。新しいインターネットの世界を想像しながら、その未来を考えてみてください。
1. ダッパーラボ(Dapper Labs)
デジタルコンテンツの所有権を売買できるのがNFT(ノンファンジブルトークン)です。そこで多くの人を魅了するNFTを、創り出しているのがダッパーラボです。
2. スカイメイビス(Sky Mavis)
創業メンバーたちは「仕事とゲームの境界線はあいまいになる」という仮説をもっており、ヴァーチャルな世界で遊んだり、仕事をすることで、さまざまな対価を得られる仕組みを実現しています。
2021年に世界中で話題をさらったのが、仮想空間で働いて(遊んで)、金銭を稼ぐという仕組みを、かわいいアバターを使ったオンラインゲームで実現した「アクシー・インフィニティ」です。
3. ミラー(Mirror.xyz)
多くの人が文章を書いて、有料課金することができるブログサービスというのは、すでにたくさんある。米国のミディアムから、日本ではnoteがそうしたサービスに当たります。
しかしWeb3.0の世界においては、作家たちは文章コンテンツをボタンひとつでNFTにして、そのデジタル所有権をサポーターたちとシェアしたり、売り買いできます。
この仕組みを使えば、これから作家は自分に共感するサポーターとコンテンツを共同所有して、拡大することもできます。
4. ルート
ルートがユーザーに提供するのは、想像力をかき立てる文字列だけ。具体的には探検家が身につけるような、武器や防具といったアイテム一式(8個)の名前をセットにして、デジタル資産のNFTとしてユーザーに与えてくれます。
ユーザーはそこから、自由に遊びを考えるのです。例えば武器や防具のデザインを想像して、それをイラストレーションとして描いて、グラフィックアートにする。
そうして二次創作したコンテンツを、またNFTとして流通させるのです。
ルートは「データのレゴブロック」のようなもの。そこから庭園を創ろうが、都市をつくろうが、人気キャラクターを創ろうが、すべてはユーザーの想像力次第。それをデジタル資産にできる点が、革命的だったのです。
5. テラ
要注目の分散型金融サービスのひとつです。目指しているのは、暗号資産の「アリペイ」です。暗号資産を使って決済、送金、資産運用までおこなえる、ワンストップサービスを開発しています。
韓国出身の創業者は常々、未来のお金を創るには、ビットコインでは不完全だと感じていました。なぜなら価格の乱高下が激しく、日常生活でコーヒーやパンを買ったり、地道にこつこつ資産運用することが難しいからです。
そこで開発したCHAI(チャイ)というサービスは、暗号資産をクレジットカードのように日常使いできる決済サービスです。
6. コンスティテューション・ダオ
この歴史価値のある書物の競売について、その値札と同じくらい話題になったのが、暗号資産を使ってオークションに参加した「コンスティテューション・ダオ」です。
もし原本を競り落とせたら、どんな美術館に貸し出そうか、どこに保管するかーー
7. オリンパス・ダオ
仮想通貨の世界は、本当の意味でまだ自立していません。ドルや円といった法定通貨の価値を担保にした、ステーブルコインという暗号資産がありますが、いわば国家や政府がコントロールしている仕組みに、暗号資産が依存し続けているのです。