見出し画像

ChatGPT拡張機能で月商320万円を達成したエンジニアの軌跡

シリコンバレーで話題のソフトウェアエンジニアSaeed Ezzadiは、たった1年半でChrome拡張機能ビジネスを月商320万円〜480万円規模に成長させました。約10年間の企業勤務を経て、フルタイムで働きながら副業として始めたAIプロジェクトは、現在では26万ダウンロードを突破し、週間アクティブユーザー5万人を抱える人気サービスとなっています。ChatGPTの機能を拡張する「Superpower ChatGPT」を開発した彼が、アイデアの見つけ方からマーケットプレイスでのビジネス構築方法、そして収益化までの全てを詳しく語ってくれました。

マーケットプレイスの可能性を見出す

既存のプラットフォームに向けた拡張機能やプラグインの開発は、伝統的なSaaSビジネスと比べて多くの利点があります。Saeedは、Gmail、YouTube、Twitter、Robloxなどの大規模プラットフォームや、Zoom、Salesforceといった比較的小規模なマーケットプレイスに注目することを推奨しています。

「Twitterには何億人というユーザーがいます。そのうちたった2,000人があなたの機能を必要としても、十分な収入になり得るのです」とSaeedは語っています。また、独自のウェブサイトやバックエンド、フロントエンドを構築するよりも、既存のマーケットプレイス内で競争する方が、競合が限定され、製品の検証も容易だと説明しています。

アイデアの見つけ方

Saeedのアプローチは非常にシンプルです。まず自分自身のニーズから始め、その後ユーザーの声に耳を傾けることでアイデアを発展させていきました。具体的には以下の場所でリサーチを行いました:

  • Reddit(サブレディット)

  • Discordチャンネル

  • Slackグループ

  • Facebookグループ

「これが私の最大の成長ハックの一つでした。人々の声を聞き、彼らが求める機能を実装し、そしてその機能を追加したことを伝えに戻るのです」とSaeedは説明しています。

さらに、AIの活用がまだ浸透していない業界、特に医療や法律分野にも大きな機会があると指摘しています。ユーザーとの対話を通じて、各業界特有のニーズを理解し、新しい製品アイデアを見出すことができると語っています。

技術的な要件と開発プロセス

拡張機能の開発に必要なスキルセットは、基本的なウェブ開発スキルと同じです:

  • JavaScript

  • HTML

  • CSS

Saeedは、ChatGPTがローンチされてからわずか2-3日で最初のバージョンを開発・リリースしました。タイミングの重要性を強調しながらも、事前の拡張機能開発経験がなくても十分に実現可能だと語っています。最初のバージョンはわずか2つの機能だけの非常にシンプルなものでしたが、それが成功の第一歩となりました。

集客とマーケティング戦略

興味深いことに、Saeedは広告費を一切使用せずに成長を達成しました。主な成長要因は:

  • Redditでの有機的な拡散

  • ユーザーによる口コミ

  • 第三者によるレビュー記事

  • ソーシャルメディアでの自然な共有

特筆すべきは、優れた製品を作ることで、ユーザー自身が自発的にマーケティングを行ってくれるようになったことです。多くのユーザーがChatGPT拡張機能のレビュー記事を書き、Saeedの製品を紹介してくれました。

収益化モデル

Saeedの収益化アプローチは段階的なものでした:

  1. 最初の9ヶ月間は完全無料で提供

  2. ニュースレターの開始とスポンサー収入の獲得(数百ドルの初期収入)

  3. プレミアム機能の追加による収益化

ニュースレターの執筆は当初1日6-7時間かかっていましたが、現在では2時間程度まで効率化されています。また、既存の無料機能はそのままに、新機能を追加する形でプレミアム版を展開し、様々な価格帯を試験的に導入して最適な価格を見出しました。

使用している技術スタック

  • VSCode(コードエディタ)

  • Pure JavaScript(フレームワークなし)

  • AWS(バックエンド)

  • Beehive(ニュースレター配信、Beehiveのブーム機能で収益化)

  • Passionfruits(スポンサー管理)

インサイト

この事例から学べる重要なポイントは、マーケットプレイスの力を活用することの有効性です。Saeedは従来のSaaSビジネスモデルではなく、既存のプラットフォーム上に製品を構築することで、より効率的な成長を実現しています。

特に注目すべきは以下の3点です:

  1. 早期の市場参入:新しいプラットフォームやテクノロジーが登場した際、迅速に行動することの重要性

  2. ユーザーフィードバックの活用:コミュニティに深く関わり、実際のニーズに基づいて製品を進化させるアプローチ

  3. 段階的な収益化:最初は無料で価値を提供し、信頼関係を構築した後に収益化を図る戦略

これらの要素が組み合わさることで、個人開発者でも大きな成功を収めることが可能であることをSaeedの事例は示しています。プラットフォームに依存するリスクは認識しつつも、常に新しい機会を探り、迅速に行動することで、持続可能なビジネスを構築できると語っています。

もっと詳しく知りたいという方は、ぜひソースの動画もチェックしてみてください!

https://www.youtube.com/watch?v=ty9ZcimL6VE

「英語だからわからないけどこの人のストーリーを知りたい」などありましたら、ぜひコメントください!

#ChatGPT #ブラウザ拡張機能 #プログラミング #海外スタートアップ #スモールビジネス

いいなと思ったら応援しよう!