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【プレビュー】G大阪vsC大阪~ダービーに良いサッカーはいらない~【J1再開】

 どうもこんにちは。今まで補強に関する記事を書いてきましたが、テクニカルスタッフとしての本分である試合分析を(やっと)書いていこうと思います。完全に余談ですが、タイトルで「J1再開」って打とうとしたら「J1最下位」と予測変換で出てきて物凄く嫌な気分になりました。

 あとこれも完全に余談なんですが、シティvsアーセナルの分析でもしようと思っていたら、アーセナルファンの友人に「見なくていい、やめろ」と言われたのでやめました。ちなみにそいつは今シティに寝返っています。

 さて、今回は再開初戦となる大阪ダービーをいつも部活でやっているスカウティング風にプレビューしていきます。このようなプレビューは初めてなのでどのような形になるか分かりませんが、読んでもらえると嬉しいです。

おことわり

 プレビューといっても、分析するセレッソのサンプルは開幕戦の大分戦しかありません。あとは去年の名古屋戦の記憶がうっすらとあるだけです。
 対して今年のガンバを見れるのも開幕戦だけで、対マリノス仕様の特殊な戦い方でした。ので極めて確実性の低いプレビューになってしまいますね。ちなみにこれは言い訳です。

セレッソの基本フォーメーション

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 基本フォーメーションというか、大分戦のスタメンです。この試合では木本をボランチで起用してきました。藤田は怪我してたのかな。

基本戦術

 多くの方がご存知だと思うのでざっくりと書いていきますが、戦術的な特徴を挙げるとすれば
・コンパクトで強固なブロック守備
・丁寧なビルドアップからサイドを活かした崩し

となるでしょう。オープンな展開を好むことの多いJリーグにおいて、最もクローズドな展開で試合を進めるチームの1つと言って間違いありません。

 この特徴は主観的なものなのですが、データ上でも表されています。Data Stadium社が提供しているFootball LABのデータでは
「自陣ポゼッション指数とそこからのチャンス構築率(シュート率)の高さ」
「クロスからのチャンス構築の多さ」
「低い最終ラインと特に縦幅がコンパクトな守備」 「KAGIの低さ」
という特徴がハッキリと見られ、とても面白いのでオススメです。まじで見てると時間が溶けます。

 その一方で崩しの精度は決して高くなく、ゴール数はリーグ平均を下回りました。この辺りはロティーナセレッソの大きな課題の一つと言えます。

トリニータ戦スカウティング①:ブロック攻略

 ここからは、トリニータ戦を見ていて気になった点をピックアップしていきます。

 先ほども書いた通りセレッソは非常に強固なブロック守備が特徴で、トリニータも崩すのにはかなり苦労していました。ただし、完全無欠だったわけではなく「あれ?ここは狙えるかもしれないな?」というポイントも存在します。

 セレッソは4-4-2ブロックを敷いたのに対し、大分は4-1-5の形で崩しを試みました。中央を固めてくるので外回りの崩しになり、両WBはSHとSBの中間ポジションでボールを受けます。この際、おそらくセレッソの約束は「SHがプレッシャーをかける」だと思いますが、間に合わないこともありその時はSBが対応します。また、右サイドの場合は松田がかなり前へ行く意識が強く同じような現象が起きていました。

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 大分はシャドーの2人が執拗にチャンネルランを仕掛けますが、SBは外にいるためこの対応はCBの仕事になります。ボランチはそのスペースを埋めるために下がらざるを得ないので、結果的にバイタルエリアにスペースが生まれがちなのです。

 更に坂元は5バック化してしまう傾向もあり、素早くサイドチェンジを行うことで香川がフリーで受けられるシーンやハーフスペースで田中がフリーになるシーンもありました。

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 もちろん、この場合でもCFのプレスバックやデサバトらのプレッシャーは早く瞬時の判断が求められますが、中央でブロックの内側に侵入していくことを繰り返せばチャンスは生まれるでしょう。ガンバの場合、WBが同じポジションを取りCFやIHがCBを引き付けることでることで同じような状況を作れるはずです。

 大分はここから単純にクロスを上げることが多かったのですが、セレッソの守備陣は高い選手が多く空中戦の強い知念でもかなり苦労している様子でした。FWの高さという点では劣るガンバにとってはあまり得策ではないかもしれません。

 また、大分は崩しの際に頻繁にロングボールでのサイドチェンジを行っていましたが、スライドの早いセレッソにはあまり有効ではなさそうです。(繰り返す中で清武が追い付かなくなるシーンはありましたが...)

トリニータ戦スカウティング②:ビルドアップの阻害

 ここは簡潔に行きます。セレッソのビルドアップはこんな形。

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 さて、早い段階で先制したセレッソですが前半は守備の時間が長くなりました。前から圧力をかけずブロックを敷いたことも要因の一つですが、ビルドアップが上手くいかなかったことも大きな要因です。

 自陣でボールは回せるものの前進はできず、ロングボールを蹴らざるを得ない→大分ボールに、という展開が続きました。これには2つの理由が考えられます。

①ビルドアップの目的地が少ない
セレッソの最終ラインには瀬古を中心に出し手として優秀な選手が揃っている一方、ボランチの木本は守備に特徴のある選手であり、デサバトはパスの出し手として動いていました。相手のライン間でボールを引き出すのは基本的にSH(+奥埜)の仕事で目的地は基本的には清武が担っており、ミドルブロックを敷き構える大分にそこが封じられると手詰まりになってしまうシーンがいくつか見受けられました。

②試合展開による
セレッソは早い時間に先制したことで無理に得点を狙う必要はなくなりました。相手の大分は前線にスピードがあり(=ショートカウンターが怖い)、一方で持たせてブロックを敷いてしまえばあまり怖さはないというチームです。セレッソとしては無理にショートパスを繋いでボールをかっさらわれるよりはロングボールで相手のラインを下げ自分たちはブロックを形成するほうがマシだ!という戦い方を選べたのです。

 ①はボランチの組み合わせなどで変わる可能性もあり、②の方は試合展開や相手によって変えてきそうです。ですが、大分のようにしっかり中を閉めたミドルブロックを形成すればビルドアップを阻害することは充分に可能そうです。

 後半のセレッソはかなり繋げるようになりましたが、この理由は良く分かりません(なげやり)。坂元が若干内側で受けるシーンが増えたかなあ...という気もしますが気のせいかも。ちなみに崩しの場面でもSHの2人の役割は非常に大きくなっています。この2人を抑えられれば攻撃力はぐっと抑えられるでしょう。

要注意人物

 最後に、セレッソにおける要注意人物を紹介します。まあ色々な媒体でも取り上げられてて知ってる方も多いでしょうが、右SHの坂元です。

 今年山形から加入した選手で、最大の持ち味はキレキレのドリブル。この選手左利きなんですが、逆足のWGにありがちな「カットイン一辺倒」ではありません。中を切られれば縦にゴリゴリと仕掛けてきて強かにCKを獲ってきます。
 大外でもハーフスペースでもプレーすることができ、身体を張って起点にもなれる、更に守備も頑張れる、と特長を挙げればキリがありません。昨季J1で2番目にドリブルの少なかった(!)セレッソを変え得る選手です。対面の藤春には開幕戦に引き続き重労働を強いることになるでしょう...

予想フォーメーション&試合展開&まとめ

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 予想と書きましたが、嘘です。妄想です。
 右WBには髙尾を起用し、右サイドのローテーションで清武-丸橋ラインを混乱させてほしい。WBが小野瀬でないのはもう一つ理由があって、どうしてもWBが決定的な仕事をする場面は少なくなりそうなので少しもったいないかな、と思ったからです。ブロックの内側でゴールを狙ってもらいます。またIHは守備の面でポジションを守れる矢島がbetterだと判断しました。

 逆にセレッソはビルドアップ改善のため奥埜をボランチで使ってくるでしょう。そして豊川は果敢なプレスでガンバのビルドアップを阻害します。

 試合展開ですが、やはり海外リーグを見てもいきなりフルスロットルは厳しそうです。今季標榜する「ハイプレス」は限定的な使い道になるでしょう(とは言いつつもハイプレスに対応できそうなメンバーを選びました)。しかしベンチにアデ・井手口・小野・福田などが控えているのは頼もしい

 最後にまとめです。

・WBでSBを誘い出し、更にCBを外に追い出すことでバイタルのスペースを使いたい
・セレッソのビルドアップ時はミドルブロックを組みSHを封じよ
・藤春は坂元と松田の2人を抑えてください
・先制されたら無理
・ダービーは、最後は気持ち
・何を怖がっているんだ!プロとしてしっかり闘え!全員でいくぞ!
・ダービーは勝ったら勝ち点300
・万が一負けたら「実は再開はまだらしい」もしくは「阪神よりはマシだ」と思い込もう

 

 以上になります。書きながら思いましたが、これはプレビューではないですね。

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