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「多様な価値観との出会いがコミュニティの価値」/ Ko-kiさん/テックレジデンスメンバー紹介シリーズ#12

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もしあなたがIT人材で、コミュニティを持ちたい!テックレジデンスを知りたい!と感じているなら、
一番知りたいのはどんな人がいるのか?ということではないでしょうか。

各分野で活躍してるエンジニアやデザイナー、マーケター、ディレクターなど、多才なテックレジデンスメンバーを紹介していくこのシリーズ。

第12回は、大学院修了後、異例の人材業界へ就職した後、営業職で独立。コミュニティづくりをライフワークとしている【Ko-ki】さんです
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山口県の徳山高専・機械電気工学科を首席で卒業後、新潟県の長岡技術科学大学に編入した【Ko-ki】さん。
優秀な成績を収め、このまま理系の人生を歩むと思いきや、就職で人材サービス企業の営業職に。営業職に従事する中で、「本当にやりたいことは地方でも自由な価値観を自信を持って発信できるコミュニティづくりだ」ということに気づきます。
現在は営業代行事業で独立し、新潟で社会人を中心としたコミュニティづくりをしています。コミュニティづくりのポイントや大事にしていることなどについて伺いました。

高専から異例の”営業職”に

山口県出身で15歳から20歳までは山口県の徳山高専(工業高等専門学校)に通い、高専から長岡技術科学大学(以下、技大)に編入したのが新潟県に来たきっかけです。
人に教えたり、学んでもらうのが昔からすごく好きで、先生になるためには博士の学位まで取らないといけないということで技大に進みました。
しかし、人に教えることが好きだった反面、篭って研究することが不向きなことに気付きました。就職活動が始まってメーカーの話を聞いても設計や開発や研究などに、全然ワクワクしませんでした。自分の今までの活動を振り返ると、学生時代から町おこしの活動やイベントなどの運営をしていたので、そういった人やコミュニティにフォーカスしたことがやりたいなと思いました。
新潟もどんどん人口が減っている状況で、U・Iターンの”就職”はひとつ、町おこしのキーワードだと考えました。当時、学生登録数・企業登録数ともに日本一の採用媒体を運営している会社でU・ Iターンのお手伝いができたら地方を盛り上げられると考え、その会社に就職しました。
技術系大学院から人材系営業職への進路に関して、専攻学部の主任からはなかなか納得してもらえなかったんですが、そこは自身を貫きました(笑)
人材業界に入って3年間。営業は楽しかったのですが、やっぱり地方にいるせいもあってか、どうしても地方にいる人々(自分自身も含め)の価値観の狭さを感じました。同時に、自分の後輩たちにもっと色んな生き方があると伝えたいと思いながらも、自分自身もまだまだ世界を知らないな、という気持ちがありました。
会社員のときからこれからは複数の仕事を持つ働き方が当たり前になってくるはずだ、と考えていましたが、自分自身は会社員として今やってることで手一杯で、そういった働き方ができていない、とずっと気になっていました。そこでいろんな世界や価値観を自分が知らないといけないと思い、会社を退職しました。よく居酒屋にポスターが貼ってある99万円で世界一周できる、というピースボートに申し込み、2018年5月から船で3ヶ月半世界一周しました。色んな価値観に触れ、視野が広がり、ワーホリや留学を検討する人も多かったのですが、僕の場合は、結局世界を回ってもやっぱり日本が好きだな、と実感しました。

コミュニティ運営の原点

やっぱり日本の地域活性化に関わりたいけど、どこの地域を盛り上げたら面白いだろう?というのを確かめに、原付を買って4ヶ月ほど日本一周しました。実家が山口県だから、山口県か隣の福岡県や広島県あたりを盛り上げようかとも思ったんですけど、新潟県を選びました。新潟県は全国的に見てもめちゃくちゃポテンシャルがあるのに、新潟から出たことがない人は気づきづらい、そこをどうにかしたいと思い、新潟に戻ることを決心して、新潟県燕市の地域おこし協力隊に入りました。
空き家をゲストハウスにするなど、色々とやりたいことはありましたが、協力隊の任期は僕の中ではかなり挫折した期間でした。あまりにも地域と僕が思っている進めるスピードが違ったり、何かビジネスとして立ち上げようとした時のお金の考え方に違和感があったり、うまくいかなかったというのが正直なところです。ゲストハウス用の家を買う手前まで進んでましたが、新型コロナが流行り始めたことで観光、宿泊は厳しそうと断念。新型コロナが落ち着くまで、協力隊の継続も考えましたが、30歳になっていたので、協力隊を卒業し独立を決めました。
個人事業主として開業し、しばらくは単発で地域のお仕事や知り合いのお手伝いをさせてもらって、後にベースとなる収入を作るために営業代行を始めました。今は東京の企業様から業務委託で営業マネージャーの仕事をさせてもらっています。その傍ら、地域コミュニティの活性化を進めるため、2020年の10月に「NAKAMA」というバーを、新潟の駅前に友人と作りました。コロナ禍であっても、みんな誰かに会いたいし話を聞いてほしいし繋がりが欲しい、と思っているだろうということで、友人がオーナーで僕はボランティアとして手伝っていました。1年経って軌道に乗ったので、別のコンセプトでの箱が欲しいと考え、COCOROMI(試み)というBARを開きました。「あなたの試みを応援し、あなたの失敗を笑わない店」というコンセプトで、NAKAMAが友達作りの場ならば、COCOROMIは誰かの挑戦を後押ししてあげる場にしたいと考えました。新潟県の起業率は日本でトップクラスに低いのですが、引っ込み思案な県民性を考えたときに、挑戦しよう!よりもまずはやったらどうなるかな?という試みを具現化できる場所を作りました。

マイノリティの意見が通りづらいローカル

僕のコミュニティの世界観の原点は、ピースボートでした。世界一周しながら仲間たちと”自分たちでこんなこともっとできるじゃん””こんな生き方もありだよね”と、毎日酒を飲みながら船の上で語り合いました。多種多様な考え方の人との出会いがあったり、自分たちで考えた企画をやったり、イベントを開いたり、スペシャルゲストが来て自分達の知らない世界を教えてくれたり、そこで会った人たちとそのまま旅に出て気づきが得られたりと、飽きる日がありませんでした。地方にも自由な生き方や価値観を受け入れてくれるこういったコミュニティを作りたいと思い今に至ります。
COCOROMIでも、イベントを開催し、そこで出会った人たちが色んな価値観や考え方に触れてこんな世界があるんだ、ということに気づく、そんなことをしています。
TECHRESI BASE(※)もいくつか旅したのですが、リモートワークで働ける仲間たちが増えたら、旅をしながら仕事できる世界を実現していきたいと思っています。自分自身の仕事もリモートでできているので、一緒に場所を選ばずに働けるようなメンバーが増えたら色んな所に行けるので楽しいですよね。
人って同じ空間にいると、価値観が固まってしまうので、色んな所に行って気付きを得たいし与えたいです。そこがコミュニティづくりの根幹だと思っていて、体現しようとしている部分です。
地方でマイノリティの話を聞き入れてもらうためには、マジョリティになるしかないと思っています。例えば、5人座ってるテーブルで、僕1人が4人に向かって話しても聞き入れてもらえませんが、僕と同じ考えの人が4人いて1人に対して話すと聞き入れてもらえやすい。「あれ、みんなそんな生き方しているの?」「そういう生き方もありなんだ!」と、やっと気づいてくれます。
営業の時も、お客さんに対してこういう企画やったほうがいいですよ、と言っても伝わらないけど、隣の会社さんでもやってますよ、と言ったらとんとん拍子で話が進むのは、地方のあるあるだなと思っています。「こういう生き方もあるよ」というのを日々伝え続けて「その考え方面白いですね」と受け入れてくれる人を少しずつ増やして、じわじわとその考え方や生き方が地域に浸透すればいいな、と僕は思っています。

未来の価値観に”今”触れる

TECHRESI BASE(※)は全国の色んな拠点を使えるので、大変便利だなと思いました。旅しながら仕事し、知らない街や行く理由がないところに敢えて行き、そこのコミュニティがどうなってるか自分の目で見ることで常に新しい発見があります。2023年は月の5日〜7日間は新潟県にいないようにしています。いろんな拠点に滞在して、そこで何をしてるか、どんなコミュニティがあるのかを知ることで新潟に還元できると考えています。そういった意味で、TECHRESI BASEのこの仕組みはとてもありがたいです。今回、旅の途中で寄った宮崎県の日南市では良い刺激を受けました。宿泊した拠点のオーナーさんが商店街の案内や歴史を教えてくれたり、同世代の女性がスナックを3週間前にオープンして、そこで街の人との交流が生まれたり、コミュニティづくりのアイディアをもらえたりと大変勉強になりました。これはただの旅行では発見できなかった部分だと思いました。そして何より、そこにいる人達が自分たちの町に自信を持っていることが素敵だなと感じ、また行きたいと思う街になりました。
「新潟は何もない」という新潟県の方は多いので、街ぐるみでいい町だと自信を持って言える方を増やしたいです。
次回以降、TECHRESI BASEの拠点を周る際は、現地にいる魅力的な”人”を事前に検索していこうと思います。オーナーさんなどのプロフィールもちゃんと調べて、 SNSで先に繋がって連絡して、やり取りした上で泊まりに行けば良かった、というのを今回感じました。そうすればもっといろんな方との繋がりが持てるかな、と。
熊本県のサイハテ村のコミュニティマネージャーとのトークセッションもすごく刺激的で、「お金はいらない」「お金の価値はなくなっていく」という価値観に出会いました。まだ今の自分じゃ消化し切れないけど、多分5年10年先には何となくわかってくる世界観なんだろうというのを、実際にやってる人たちから教えてもらえるんですよね。今は理解はできないけれど、受け入れる心持ちはできてるので、 まだまだ自分のいる地域だけでは聞けない話や価値観に触れられて、ひとつ視座があがったというか、考え方として新しい領域ができたなと思います。
テクレジの東京メンバーの方々も僕が知らない世界観を持っている方がたくさんいるので、早く会いたいですね。例えば僕の新潟のコミュニティの人たちと、東京メンバーが一緒に何かする、など、テクレジは自分が今いるコミュニティだけでなく、外(他の拠点)との繋がりも持てるところが良いと思います。みなさんがどんなことをしてるのかを知りながら繋がっていけたらいいと思うので、テクレジの繋がりでこれからも色んなことが生まれたらな、と思っています。僕もコミュニティを開拓していきたいし、どんどん声かけていきたいです。

※…「日本全国にオフィスを」のコンセプトで全国各地に拠点を設けており、テック人材が利用することを目的としたワーケーションサービス。テックレジデンスの入居者は全国53施設での宿泊が無料(2023年3月現在)。


<インタビュー/ラインティング>株式会社papapa marketing

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【TECH RESIDENCE(テックレジデンス)】
住人は、エンジニアやデザイナー、クリエイターなどのTECH人材専用 コミュニティ型住宅です。


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