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執筆を通じて自分にも学びがある。[株式会社クリレジ竹馬力さん]

株式会社クリレジ竹馬力さんへのインタビュー

Techpitでは電子書籍の作成を通じて、これまでにない新しい執筆体験を目指しています。教材を作成されている方たちの多くは書籍などの執筆体験を抱負にお持ちです。その執筆体験を共有いただくのが、このインタビュー企画になります。

今回は、株式会社クリレジの竹馬力さんにお話を伺いました。

 Q:自己紹介からお願いします

2002年に新卒として企業に入社して、2004年からエンジニアになりました。7年くらいSES企業と契約してフリーランスをしていました。

その後、2年くらい会社員として新規事業のエンジニアリングマネージャーを経て、前職のリブセンスへ転職してます。リブセンスでは新規事業系のエンジニアリングマネージャーを担当していました。

1年ほど前に株式会社クリレジを起業して、今は複数のベンチャー企業などで技術顧問やスクラムマスターなどとして関わっています。

初学者向けの書籍における苦労

Q:書籍を執筆したきっかけは何だったのですか?

2014〜15年くらいにプログラミング教育などに興味があって、執筆に対しても取り組んでみたいと思っていました。ブログではテーマが定まらなかったり、モチベーションがわかなかったので、商業メディアへ寄稿させてもらったのがはじまりです。

締め切りもありますし、報酬をいただくことで、良い記事を書こうと縛りをかけられたのが良かったです。

それがご縁となって3ステップでしっかり学ぶ Ruby入門たった1日で基本が身に付く! Ruby on Rails 超入門の執筆につながっています。

Q:実際執筆されてみていかがでしたか?

自分で執筆している時にはGihHubのプライベートリポジトリを使ってテキストを管理していたので簡単だったのですが、編集者の方やデザイナーの方など技術的なバックグラウンド(Gitなど)がない方たちが関わるようになってからが大変でした。

技術的な図をこちらで書いて、デザイナーの方に清書してもらうのですが、間違ってしまうことが多いんですね。それが書籍として組み版されたPDFで送られてくるので、それに赤入れするのは大変でした。

最新版のPDFがどれなのか分からなくなってしまうこともありましたし…。今でしたらDropboxを使ったり、もっとオンラインでうまく管理する方法がありますが。

Q:初学者向けの書籍が多いですが、執筆する上で注意されていることはありますか?

私自身がエンジニアということもあって、ものすごいハイコンテキストで会話していたんだと思い知りましたね。たとえばアジャイルやスクラム開発で出るような単語は専門的ですが、エンジニア同士であればお互い理解しているという前提の上で会話できています。

しかし、初心者向けとなるときちんと噛み砕いて説明しなければなりません。当たり前のように使っている単語を分かりやすく伝えるというのは苦労しました。厳密には正確でなくとも、初心者にとっては分かりやすい表現を優先した方が良い場合もありました。

モチベーションを言い訳にしない執筆体験

Q:書籍の執筆にはどれくらいかかりましたか?

3ステップでしっかり学ぶ Ruby入門は1年3ヶ月くらいですね。たった1日で基本が身に付く! Ruby on Rails 超入門は途中休止期間があって、それでも8ヶ月くらいです。実質的には半年くらいで書けました。

Q:その間のモチベーション維持で苦労したことはありますか?

3ステップでしっかり学ぶ Ruby入門について言えば、お金云々ではなく、執筆のプロセス自体を体験して、完成までたどり着くのが目標でした。それは自分の約束事なので、モチベーションを言い訳にはできなかったですね。

Q:書籍の出版を通して周囲の反応はいかがでしたか?

エンジニアではないですが、親とか近所の人から書籍を買ったよと連絡をもらったりしましたね。紙の本なので全国の販売ネットワークで店頭に置かれるのはインパクトが強いです。

仕事上で言えば、書籍を通じて私を知ってくださって技術顧問のお仕事に繋がっているケースもあります。後は書籍の執筆を通して、私自身が仕様を改めて学び直すことで、知識を体系づけられたのも良かったです。

執筆を通じて教育に貢献したい

Q:竹馬さんにとって執筆やアウトプットはどういった意味がありますか?

単に動くだけのものを作るならば簡単です。しかし、実際の開発現場では自動テストを作り込んだり、設計を変更したり、品質を継続的に作り込むことが重要です。そうしたエンジニアのレベルを引き上げる上で、書籍を通じて教育に貢献したいと考えています。

人に教えるためには、自分の中でちゃんと分かっていないと難しいと思います。そして分かっていない人たちに、どう伝えれば良いかという点も大事です。その意味では自分自身が正しく技術を理解する必要があるので、他の人に教えているようで自分も教えられているとすら感じますね。

そのため執筆中は、まだ見ぬ読者と頭の中で対話しながら進めていたりします。ここが分からないから、こういう風に書き直そうみたいな。

Q:普段どういった時間を執筆にあてていますか?

私の場合は執筆する内容を見積もって、25分ごとに分割しています。いわゆるポモドーロテクニックを使っているので、1つのタスクを25分としているんです。

この章を書くのに25分を3回使いそうだなと見積もって、普段のワークフローに取り込んでいます。今週金曜日の午後に空き時間があるから、そこに執筆タスクを入れるといった形です。

実際書いてみたら、予定より時間を使ったという場合もあるので、そういうときには見積もりをアップデートしていますね。後はスプリントとして1週間ごとに計画を見直して、翌週の計画に反映しています。

Q:Techpitで書かれている書籍について教えてください

Techpitでは「ポモドーロタイマーの開発を通してRubyを再学習」を出版しています。Rubyを書いたことはあるけど理解が追いついていない、より深くRubyを理解したい方にポモドーロタイマー開発を通じてRubyを再学習する講座となっています。

Rubyの基本的な文法を確認しつつ、リファクタリングを行い、より分かりやすいプログラムに変更する過程までを学習できます。

Q: 他にどんな書籍を執筆する予定ですか?

興味があるのは教育系ですね、脱初心者というか。最近はどこでもエンジニア不足が言われています。しかし、プログラミング教育を受けたばかりのプログラマーがすぐに実践で活躍できる訳ではありません。

その初級者と、中級者の間には深い溝があると感じています。そうした溝を埋められるような書籍が書けると嬉しいですね。

業界全体のスキルが底上げされれば、日本全体のITやDXが良くなると思います。それに貢献できると良いですね。

ありがとうございました!

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