龍涎香(りゅうぜんこう)
龍涎香とは?
龍涎香(洋名:アンバーグリス)はベゾアールの一種でマッコウクジラの腸内に発生する結石であり香料の一種です。 それ自体が良い香りであったことや、他の自然物にはない色や形をしていたことから中国では「龍のよだれ(涎)が固まったもの」と考えられたそうです。その大きさは数グラムから100キログラム超まで様々で、水に浮くため海を漂って海岸に漂着していることがあります。世界中の海岸で発見され骨董品や香料として高値(1グラム1万円以上)で取引されています。
どんな香り?
生成されたばかりの龍涎香は海の匂いや糞便臭がします。熟成するにつれ甘い土の香りに変化します。一般的には蒸気質の化学的渋みのない消毒用アルコールの香りに例えられ、その独特な匂い故、古くから香水やお香の原料として利用されて来ました。龍涎香の香りはお葬式などで使われる『抹香』によく似ていると言われています。洋名はアンバーグリス、”アンバー系の香水”とは龍涎香の香りを指します。
龍涎香の特徴・見分け方
軽い
石のような見かけに反し軽く持ち上げることが出来ます。水よりも軽いので海面を漂い、その間に成熟される事となります。匂いがある
マッコウクジラの語源にもなっている『抹香』によく似た香りがします。熱すると溶ける
針を火で炙り刺すと粘りのある液体に変化し香りがします。
龍涎香の外見
元となったマッコウクジラの食べ物や、排出されたにどれくらい漂流したかなどで特徴は変化します。色は黒・黄色・白・緑などがあり、一番良い香りがする白・黄色が最も高価に取引されます。長く漂流し酸化するにつれて丸みを帯びて白色が強くなります。発見されるものは形も丸々したものやゴツゴツしたものまで様々です。