LINNDRUM
ロジャー カーティス リン(1955年8月24日生まれ)によって設計された世界で初めてサンプリングを使用したドラムマシン※である【LM-1】の登場は世界中のミュージシャンを驚愕させることになります。当時のヒットチャートのドラム音はLINNDRUMが使われたものが本当に多かったです。
※ シンセサイズされた音源からサンプリングを使ったリアルなドラム音になったことで【リズムボックス/リズムマシン】という呼称は【ドラムマシン】になりました。
LM-1
1979年に発表されたLM1は500台しか生産されておらず、後に発売されるLM-2に比べるとたった10分の1の量です。中古市場でもなかなかお目にかかれません。最初の35台はロジャーの自宅で組み立てられていていました。そのロットはパネルの文字が彫り込まれたデザインになっており、ボタンの配置も若干違います。8ビットでありながら力強い音は世界中のアーティストから絶賛されました。カルチャークラブやプリンスのアルバムでも大フィーチャーされていました。サンプリングに使えるメモリーに限界があったため各音色は比較的短くなっており、それがタイトなニュアンスを生み出しています。またシンバルがありません。これもサンプリングタイムの問題で切り捨てられたそうです。当然ながらMIDIはついていません。ちなみにLinn製品のサウンドですが殆どはLAのセッションドラマーのアート・ウッドに叩いてもらったものをサンプリングしているそうです。
LM-2 LINNDRUM
1979年のLM-1の成功に続き、1982年に発表されたのがこのLM-2です。サウンドも8bitから12bitに引き上げられ、音色が増えたほか、メモリ容量も大きくなりました。決して安い製品ではありませんでしたが5000台も生産され、尚且つLM-1の半額というコストパフォーマンスを実現しました。【リンドラム】という呼び名を一般に浸透させたのはこのLM-2が出回ったためです。おかげで今ではネットオークションでも中古を頻繁に見かけます。LM-1とは音質はもとよりサウンドのニュアンスも違っており好みの分かれるところでしょう。LM-2には当時定番のMIDI改造が存在していて中古市場で見かけるものにもMIDIポートが強引に取り付けられている製品を多くみかけます。
LINN 9000
9000はLinn社が倒産する直前に発売された物で、高機能を誇りましたが数々のバグを残したまま現在中古市場に出回っています。本国アメリカでの発売は1984年(日本での発売は翌85年)。発売当時の国内定価は1,500,000円でした。「デジタルドラムマシン+MIDIシーケンサー」であり、さらにオプションのサンプリングカードを装備すればサンプリング音をデジタルドラムマシンにて走らせることもできるという当時としては夢の仕様で注目を集めました。このアーキテクチャーは後にAKAI MPCへと受け継がれて行きます。
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