オーディオブック紹介 「贖罪」
おはようございます。
2024年10月24日 木曜日です。
贖罪
15年前、静かな田舎町でひとりの女児が殺害された。
直前まで一緒に遊んでいた四人の女の子は、犯人と思われる男と言葉を交わしていたものの、なぜか顔が思い出せず、事件は迷宮入りとなる。
娘を喪った母親は彼女たちに言った――あなたたちを絶対に許さない。
必ず犯人を見つけなさい。
それができないのなら、わたしが納得できる償いをしなさい、と。
十字架を背負わされたまま成長した四人に降りかかる、悲劇の連鎖の結末は!?
幼い心に刻まれた深い傷跡と、消えることのない罪の意識。
湊かなえ作『贖罪』は、一人の少女の命が奪われた事件から15年の時を経て、その影響を受け続ける人々の心の機微を丁寧に描いた衝撃作です。
事件当時、被害者と一緒に遊んでいた四人の少女たち。
犯人の顔を目撃していながら、なぜか誰一人として正確に思い出せない。
その「忘却」は本当に偶然なのか、それとも幼い心が自らを守るために選んだ防衛本能だったのか。
被害者の母親から投げかけられた「許さない」という言葉は、四人の少女たちの人生に重い十字架として のしかかり続けます。
本作の特徴的な語りの手法は、事件に関わった五人の女性たちによる告白形式。
それぞれの視点から語られる真実の断片が、徐々に全体像を浮かび上がらせていく構成は見事としか言いようがありません。
特に印象的なのは、被害者の母親の深い悲しみと怒りが、他の登場人物たちの人生にどのような影響を与えていくのかという点です。
湊かなえ作品特有の繊細な心理描写と、じわじわと迫る緊張感は読者を離しません。
「贖罪」とは何か、そして「許し」とは何か―。
重いテーマでありながら、一気に読ませる展開力も見事です。
ミステリーとしての謎解きの妙もさることながら、人間の心の奥底にある複雑な感情を描き切った本作は、湊作品の真骨頂と言えるでしょう。
事件の真相以上に、登場人物たちの心の機微に触れる場面で胸が締め付けられる思いがしました。
心理サスペンスの名手による渾身の一作として、ぜひ多くの方に読んでいただきたい作品です。
今日の占い
10月24日
△準備の日
1. 気が緩んでサボりがちな日や集中力が散漫になる時期です。
2. 上司への確認漏れが起きやすいので要注意です。
3. 小さなことでも確実にチェックを依頼して、ミスを防ぎましょう。
それではまた明日
ひろかん