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飲食業界へ入り海外に移住したが、自然災害に遭遇し帰国。離島へ就農した矢先にコロナ禍……。将来の道で悩んだ先に見出したのは 「モノづくり」の世界だった

エンジニアとしては異色の経歴をもつ小椋真さん。
福島県での飲食施設立上げや海外でのコーヒー焙煎に従事したほか、離島での就農など、「人が生きていく上で価値ある道」を模索した結果、テクノプロ・デザイン社でエンジニアになることを決めたという。
ここでは小椋さんの経歴や、描いているキャリアパスについて紹介します。

公立大学の航空工学出身。「地域×飲食」をテーマに、卒業後は飲食業界に進んだ

東京の公立大学にて、航空工学を学びました。そのまま理工系への進路という選択肢もあったのですが、当時はまったく別の道を選びました。

それは飲食業界です。実は4年間、飲食関連のアルバイトをしていましたが、イタリアンのおいしさ・素晴らしさに魅了され、そのまま飲食の道へ進みたい!という気持ちが強かったからです。

卒業後は先輩の勧めで福島県へ行き、「地域×飲食」をテーマとした新施設の立上げなど、単なる「食」だけではなく人が生きる上で必要不可欠な文化としての側面から、飲食ビジネスでチャレンジできる環境に身を置いていました。

ここで学んだことは社会人としての原点になりました。事業立ち上げの難しさや地域文化への理解度、ビジネスとしての「食」の捉え方など、やみくもに社会貢献という言葉だけでは推し量れないさまざまな壁も存在することを知りました。

しかし一方で、周囲には流されないこだわりを持つことも大切で、自分の将来へ向けたキャリアパスを描く上ではしっかりとテーマをもって活動するべきだと考えました。以後は、「食」を追い求めつつ、自分の好きなものも取り入れてキャリアを築きたいという考えが生まれてきて、海外に目を向けるようになりました。

大規模な自然の驚異を目の当たりにして、「自然×共生」を考える

イタリアンに魅せられて飲食業界に飛び込んだ私でしたが、働く中で「食」というカテゴリーの中でもとくに極めたい分野がもうひとつ、見つかりました。それはコーヒーの焙煎技術です。

日本でも焙煎のレベルを高めることはできますが、本場で真剣に取り組んでみたいという気持ちもあってオーストラリア・メルボルンへ渡航することを決めました。現地のカフェで働きながら充実した海外生活を送っていた矢先、自分の考え方が大きく変わる自然災害に遭遇したのです。

それは大規模な森林火災でした。オーストラリアでも歴史的な規模の災害となり、恐ろしい経験をしました。このような経験を踏まえ、人の力をはるかに超えた自然の驚異と人との共生の重要性を深く考えさせられました。日常生活を取り戻すのに時間がかかることもあり、やむなく帰国することを決めました。

「環境×食」をテーマに、離島で就農にチャレンジ、のはずだったのだが……

このような経験を積んだ上で、次に志向したのは「環境問題」でした。「食」から、人々が環境問題に取り組むきっかけを創出したい。そう考えた末、帰国して沖縄・宮古島に移住しました。

他地域もそうだと思いますが、宮古島の農業就業人口は減少傾向が顕著で、未経験からでも就農支援のサポート体制が充実していることもあり、ここで「ゼロから価値を生み出すモノづくり」に従事することで社会貢献したいと考えました。

ところが……ここでも大きな壁に阻まれました。移住後すぐに新型コロナウイルスによるパンデミックが起きたのです。第一次産業はもちろん、その先にある飲食業界は軒並み、壊滅的な状況におかれました。

世の中の流れが一気に変わってしまい、自分に何ができるのか?将来何をしたらよいのだろう?という焦燥感が募ってきたとき、ふと頭に浮かんだのが「本当にやりたいことってなんだっけ?」という疑問でした。

なんでもよいから食べていける道を探すというネガティブな志向ではなく、こういうときだからこそいったん立ち止まり、自分が心からやりたいこと・満足できる道をしっかりと見つけるべきだ。そんな考えに至りました。

そして今までの経験から楽しかったことや充実感を覚えたことをあらためて整理すると、そこに共通していたのは「モノをつくることで、人に喜んでもらう」というやりがいでした。

イタリア料理に魅了され、コーヒー焙煎の魅力に感動し、農業でイチから食物を作り上げる喜び。それはすべて何かを作り上げて提供し、その先にいる多くの人々が笑顔になってくれるからやりがいに直結していたのだと感じたのです。

これは別の分野でも実現できるのではないか?「モノづくり」というテーマで考えた時、学生時代に学んだ工学の知識を活かす「エンジニア」という仕事がある!と気づきました。とはいえ、エンジニアとしての勤務経験はありません。そこで、イチから学べる環境が整っている会社を探しました。

「エンジニアリング×社会貢献」実践的な戦略研修を受講。キャリアパスを自ら描く

入社後にしっかり学べる環境がある会社を探したときに、エンジニアの育成実績が豊富なテクノプロ・デザイン社に出会いました。「戦略研修」として、未経験でも実践的なカリキュラムを集中して受講できることを知り、「エンジニアの第一歩はここだ」と入社を決めました。

入社後は3カ月間、フルリモートで集中して受講できました。後半は、一人だけではなく複数名のチームを組んで一つの課題に取り組むなど、単なる知識習得の場ではなくプロジェクト配属後を見据えたチームワークでの進め方も学ぶことができました。

研修修了後は情報処理・情報システムサービスを展開する大手クライアントにて、官公庁向けのクラウドサービスを設計工程から手掛けています。まだ入社1年目なのに、すでに社会的に影響力のあるプロジェクトに参画できており、日々刺激を受けています。プロジェクト現場でしっかりと力をつけて、新しいキャリアパスを描いていきたいと思います。

今まで、環境問題など社会問題の解決に役に立ちたいという想いがあったのですが、エンジニアという立場でもその想いを叶えることは可能だと感じています。

そもそも「ここからここまでがエンジニアの仕事」という枠組みはなく「こんなものがあると便利」「こういうサービスがあると世の中がもっとよくなる」といったニーズに対して、今あるものでまだないものを作ること、それを技術力で実現していくことがエンジニアだと思うのです。「エンジニア×社会貢献」というテーマで今後も成長していきたいと思います。

※こちらの記事は2024年3月時点の情報となります。