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自らの可能性を探求──電気エンジニアからキャリアチェンジしたデータサイエンスの世界

2016年に入社した伊中 茂。電気系エンジニアとして約3年間勤務した後、社内の研修制度を利用してデータサイエンスの部署に異動しました。異動後はデータ基盤の開発を担当しています。大きなキャリアチェンジに踏み切ったことで、自らの可能性を広げた伊中。これまでのキャリアを振り返り、今何を思うのでしょうか。


データを「使える状態」に変える。アライアンス先企業で、データ基盤を開発

2022年10月現在、データサイエンティストとして、多様なアライアンス先の企業で勤務しています。主な業務は、データ基盤の開発。「データをもっとうまく活用したい」と考えている企業のために、既存のデータを使いやすいかたちに整理していくのがミッションです。

多くの企業は、自社の保有する膨大なデータを活用したいと思ったときに、単にデータを保存しているだけでは不十分な状況にあります。というのも、エンジニアによって使っているコードやクオリティーが異なるため、そのままのデータだと機械でうまく読み取れないのです。

そこで、膨大なデータを取り出し可能な状態に整理して、データベース化するのが私の仕事。保存していた膨大なデータを、「使える状態」に変えていきます。

広告系の会社、旅行代理店を経て、今担当しているのは金融系企業。バラエティ豊かな案件に取り組んでいます。

正直なところ、私の行っている基盤開発の仕事よりも、データ分析を行う仕事の方が、データサイエンスの部署の中では花形かもしれません。データ分析の仕事もやってみたいなとは思いますが、自分の希少性を活かすかたちで開発業務に取り組んでいます。

そんな私は、今でこそデータサイエンスの部署にいますが、ここに至るまでには紆余曲折がありました。そもそも当社に新卒で入社したのは、2016年のこと。就職活動での軸は2つありました。

1つは、アウトソーシング系のエンジニアに興味があったこと。2008年に起きたリーマンショックに衝撃を受けて、「これからの時代、いろいろなスキルを身につけておいた方がリスク回避になるのではないか」と思うようになったのです。

そこで、さまざまな仕事に携われて、かつ管理職ではなくプレイヤーとして働き続けられる場所を探していました。

もう1つは、私が理想とする社会人像が、「人と人をつなぐ、ハブのような存在」だったこと。何か問題が起きたときに「解決できる人、知っている?」と聞かれるような存在、専門性を持つ人をたくさん知っているエンジニアになりたいという想いがありました。アウトソーシングの業界は、さまざまなエンジニアに関われますから、その点でも魅力的でした。

その結果たどり着いたのが、テクノプロ・デザイン社です。

データサイエンスの世界へ──「大変」なだけではなかった、研修期間

入社後は、今とは異なる配属先で電気系のプログラムに携わっていました。デジタル上に作られた集積回路の設計図を見て、仕様書通りに動くのかを検証するのが主な仕事でした。

データサイエンスの部署に行くチャンスが巡ってきたのは、この配属先で2年半ほど経ったとき。新たな部署立ち上げの話が私の元へと舞い込んできました。

実は、大学時代に少しだけ触った言語「Python」が、データサイエンスでよく使われる言語だったことで、データサイエンスの部署に誘われたのです。

データサイエンスは、化学、医療、自動車、ゲームといろいろな分野の仕事を体験できる職種です。特定の分野に絞ることなく幅広い経験をしたい私にとっては、魅力的な環境でしたので、すぐに挑戦を決意しました。

異動後の私を待っていたのは、約半年間でデータサイエンスのひと通りの基礎を学ぶ研修でした。

最初の1カ月は、プログラミングに関する基礎知識やデータサイエンスにおけるPythonやSQLなどの言語の使い方を習得。2カ月目は、100%演習です。通常であれば2カ月は工数がかかりそうな案件を2件、それぞれ2週間で仕上げるという課題に取り組みました。その後の4カ月は、実際のアライアンス先で実践を通じて、データの分析方法からクライアントへの説明の仕方をひと通り経験しました。

この研修では、あえて多いボリュームに対応していく中で、限られた時間内にどのように対応するかを考えて行動できるようにするという目的がありましたので、時間が足りず大変なこともありましたがいい経験になりました。

この研修期間6カ月は、仕事と並行ではなく、すべての時間を研修に使うことができるのです。学びに100%投資している状態なので、会社への売上貢献にはつながりません。にもかかわらず研修期間中も待遇を変えず、勉強に専念できる環境を整えてくれたテクノプロ・デザイン社のすばらしさを感じました。もちろん、短期間で課題に向かう過酷さはありましたが、学びの機会をもらい、次に活かせる技術を学習できたことに感謝しています。

知らないこと、新たな技術を学ぶ日々。大切なのは、相手に寄り添うコミュニケーション

半年間の研修を経て、正式に、データサイエンスを専門とする企業に配属されました。異分野から飛び込んだ未経験の世界でしたが、大きなキャリアチェンジでもフォロー体制が整っていることで、臆することなく次の一歩を踏み出すことができました。

実務が始まってみると、自分の知識不足や経験のなさに戸惑うことも多いです。それでも仕事をしつつ学べる環境があるので、優先順位を考えながら限られた時間の中で、適切な行動をとるように心がけています。また、お客様とのコミュニケーションは、キャリアチェンジする前とは180度変わりました。

電気系エンジニアのときは、技術的な知識を持つ相手とのやりとりがほとんどでした。しかしデータサイエンスの現場では、お客様が必ずしも技術的な知識を持っていません。知識の前提が違うのです。そのため、私たちの言葉や常識が伝わらないことがあります。

反対に、お客様の言葉を私たちが理解できないこともあります。お客様が私たちの知らない業界だったり、日常的に使うシステムの言語がわれわれの知らないものだったり。なので、お互いに当たり前としている前提や、相手の考えを理解するために、時間がかかることもあります。

そのための工夫が、お客様に合わせて伝え方を変えること。相手がどれくらい自分の言葉を理解してくれているのか。それを探りながら、相手に合わせた説明を心がけています。

この仕事は、制作物のアウトプットイメージをすり合わせるのも、難易度が高く、自分の中では理想形が見えていても、お客様にそのイメージを伝えるのは簡単ではありません。それゆえに、作ったものを実際にお客様が利用されて感想を聞くまでは、安心できないこともあります。

それでも、その大変さがあるからこそ、最終的に「すごく役に立ちます」などのお褒めの言葉をもらえると、かなりホッとしますし、何より嬉しい。お客様が喜んでいる様子を直接見ることが、私にとって、大きなモチベーションになっています。

お客様とメンバーが楽になる仕事をしながら、チャレンジできる環境を整えていきたい

仕事をする上で大切にしているのは、とにかく楽しむこと。どんな現場でも、せっかく行くのであれば楽しみたいです。だから、お客様やメンバーとも活発にコミュニケーションをとりながら業務を進めています。

とくに私のようにソリューションを提供するポジションで大切なのは、お客様との信頼関係を構築し、「次も一緒に働きたい」と思ってもらうことです。そのために、常に相手が楽になるような仕事をすることを心がけています。たとえば、可能な限り気がついたことを共有することも、そうした想いからくる行動です。お客様や上司が気づいていない部分、改善が必要な部分を目に留め、伝えられるようにしています。そうすることで、大ごとになる前に問題に対処できるのです。

入社して約6年が経ちました。そうした年月の中で感じているのは、テクノプロ・デザイン社が、さまざまな分野の案件に気軽に挑戦できる会社であること。チャレンジしてみたいことがある場合、やる気さえあれば門が開かれる。いやむしろ、門そのものを自分で作ってしまえるような環境があるとさえ思っています。

私はそんな環境のもとで、まず、目の前にあるデータサイエンスの分野をしっかり自分のものにしていきたいと思っています。「データサイエンティスト」と名乗るには、まだ果てしない道のりがありますが、多種多様な分野でさまざまな手法を学び、自分で「それなりに経験できたな」と思えるまでは、頑張りたいです。それも、人と人をつなぐハブになる夢につながるはずですから。

また中長期的には、今社内で他の分野に取り組んでいる人たちが、データサイエンスに興味を持った際にサポートしたいです。

データサイエンスに関心がありチャレンジしたいと思っている人は社内に結構多いはずですし、キャリアチェンジ経験者として、本気でチャレンジしたいと考えている人が飛び込みやすい環境づくりをしていければいいなと。私のサポートで、みんなが希望のキャリアパスを描けるようになればな、とひそかに考えているところです。

データサイエンスにおいては、好奇心があり新しい知識を知ることを楽しめて、人とのコミュニケーションが苦手ではない人なら、きっと楽しいと思える仕事です。ぜひいろんな人に飛び込んで来てほしいですね。

※こちらの記事は2022年11月時点の情報となります。


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