RME ADI-2 FS RMAA結果
先日モニター用のDAコンバーター用途としてRMEのADI-2 FSを購入しました。情報を探索するためにネットをさまよったのですが、情報が何もなく、「RMEだからたぶん大丈夫だろう、、、」という感じで、なんとなくいけそうな気もしつつ、不安感はぬぐえないまま購入に至りました。結果的には満足しているのですが、似たようなことを考えられる人に対する情報としてRMAAを測定したので、結果を載せておきます。
ADI-2 FSはインプット、アウトプットともに+4dBu、+13dBu、+19dBuの3つの基準レベルが選択できるので、それぞれ同一の組み合わせで3種類測定しています。
なお後述するように、電源はiPurifier DC2 を通過させているため、実機付属アダプターのみの結果とは多少異なるかもしれません。
測定環境
Clarett 4 pre Coaxial out
↓ Classic Proの安物ケーブル
ADI-2 FS Coaxial in
↓ ADI-2 fs DA変換
ADI-2 FS TRS Phone out
↓ カナレのケーブル
ADI-2 XLR in
↓ ADI-2 fs AD変換
ADI-2 Coaxial out
↓ Classic proの安物ケーブル
Clarett 4 pre Coaxial in
*Clarett 4 preおよびADI-2 fsのDC input にはiPurifire DC2を経由させ、電源ノイズは除去しています。
*ADI-2 のOutにTRS Phoneを使ったのは、ケーブルが家になかったためです。XLRからアウトプットした場合、結果は異なるかもしれません。
*クロックマスターはClarett 4preに設定、Steady Clockでリクロックされるので、特に問題ないと判断しています。
*すべての測定は24bit 96khzで行いました。
結果
すべての結果が極めて良好であり、 プロユースとしてふさわしい性能を持っていると判断できます。同じRMEのBabyFace Pro FSやFireFace UCX ii の測定結果と比較しても、数値上大きく上回っており、プロユースのapogee Synphony IOの測定結果に迫るパフォーマンスです。上述のリンクから取得した比較結果は下記の通り。
ノイズレベル、THD+N、IMDの観点から、+13dBuが最も好ましい性能を発揮しますが、誤差の範囲と思われます。後段の機器の特性によって好みの設定を行えば問題ないと考えられます。+13dBu設定時は、Babyface Pro fs やFireface UCX iiよりもTHD+Nで5dB程度、IMD+Nで6dB程度良好で、Stereo Closstalk(約5dB劣る)およびNoise level(約3dB劣る)を除けばSynphony I/O MK2に迫る結果です。
聴感上の感想ですが、これまで使っていたClarett 4preのアナログアウトと比較すると、背景のノイズが一段下がり、定位が明瞭となり、周波数特性が見えやすくなりました。
また、Clarett 4preのアナログ出力基準レベルが+26dbuと高く、後段のヘッドホンアンプへのインプットレベルと増幅率の兼ね合いからSNがもう一つだったのですが、SNをあまり変えずにアウトプットレベルを調節できるようになったため、システム全体としてのSNは数段向上した印象です。
自宅録音メインで2In 2Outで事足り、すでにCoaxial Input / OutputがついたオーディオIOを持っている方で、プロユースのハイエンドAD/DAをある程度廉価に調達したい方には有力な選択肢となると考えられます。