キャリコン2級初チャレンジ①【20代後半男性】
前回の記事の経緯で、国キャリではなく2級技能士を受験することを決めた限界矛盾キャリコンマン。初受験は第27回試験、2021年12月になりました。本記事では試験申込~受験までのことについて記載します。2級技能士の受験を検討している方たちに、一人の受験者として生の声が提供できればと思います。
受験申込に関して
2級技能士の合格を目指すことになったものの、現実には業務多忙で帰ったらYouTubeを見て、酒を飲んで毎日が過ぎていき…。あっという間に次の人事異動の内示がありました。
「えっ、また職業相談ですか???」
漠然とした不安
若年者は10年の間様々な業務を経験するというのが弊職場の通常のキャリアプランだったので、職業相談を連続して担当する内示は寝耳に水でした。内示を受け、新天地で半年くらい職業相談業務を行っていると、もちろん大変なこともありましたが比較的慣れてきた感覚がありました。「楽だな♪」と感じる一方で、大学の同級生、様々な業務を経験している組織内の同期等をみていると「楽なままでいいのか?」という漠然とした不安に駆られるようになりました。
不安の根底には県外異動のタイミングで妻が退職し世帯収入が減少したことや、子供を持つことを見据えていたこともあったことから将来への不安感が大きかったのかと考えます。「自分は社会人になってから職業を通じて成長しているのだろうか?」、「職業相談をやってきたけどどの程度のスキルが身についたのか?」、「プロとして名乗れるレベルなのか?」こんな不安です。
そしてちょうどこの頃、実務経験を4年得たことで2級技能士の受験資格が得られたため、試験の合格を通じて不安を少しでも払しょくするために受験申込を行いました。また、子どもが生まれたら勉強の時間が確保できないことになるという考えもありました。
申し込み時に感じたこと
2級技能士を受験する上では必ず実務経験が必要です。そしてその実務経験があることは、受験者がみずから経験年数、配属先、実際の業務内容を申込フォームに入力していくことになります。以下試験団体「キャリアコンサルティング協議会」による実務経験について説明スライドです。
これらの実務経験について、Webブラウザに打ち込んでいきます。他、申込時に氏名、住所、試験区分、実務経験、支払い方法含め一気に入力するため、結構時間がかかりました。時間に余裕があるときに申し込むことをお勧めします。
筆記・実技を分けて受験することのメリット・デメリット
2級技能士の申込方法について、筆記試験と実技試験の一方のみを受験することが可能です。周りの受験者の何人かは「実技試験に合格後、一部合格有効期間中に筆記試験合格により総合合格を狙う」作戦をとっていました。合格率の低い実技試験を合格した後に比較的容易な筆記試験合格を狙えば効率的に総合合格を狙えるといった狙いです。筆記試験に合格するも、実技試験に合格しないまま一部合格期間が満了してしまうことを避ける狙いもあります。
この受験方法についてはメリットデメリットがあると思います。メリットとしては先に挙げたように「学科のみ合格して実技に合格できない」リスクを避けることでしょう。結果的に受験費用も抑えることができると思います。
一方デメリットは、「試験対策に意識が向くあまり、試験受験本来の目的を見失う懸念がある」ことです。2級技能士が筆記試験と実技試験に分かれているねらいは何でしょうか?それはキャリアコンサルティングに必要な知識が備わっていること(インプット)と、それをクライアントに提供することができること(アウトプット)の両方を確認するためだと考えます。インプットとアウトプットの両方を行いながら試験対策を行うことで得られる気づきが私にはあったため、筆記・実技の両方を受験し、対策、学習を行うことをお勧めしたいです。
「理論なき実践は盲目であり、実践なき理論は空虚である」byカント
試験1日目
受験申し込みを9~10月に行い、試験1日目(筆記、論述)を12月に迎えたので、勉強期間は2~3カ月程度でした。行った勉強方法や使用した参考書の紹介についてはこの記事では割愛します。機会があれば別記事で。
当日特に印象に残っているのは筆記試験と実技試験(論述)の間の待ち時間がとても長かった(2~3時間)ことです。試験会場はその間封鎖されるので外に出るしかないのですが、私の受験した会場周りには喫茶店等時間をつぶせる場所も少なく、時間つぶしに困ってしまいました。昼食を済ませた後は冬の寒空の下、1時間半程歩きまくることに(笑)。午後の論述試験に向けてノートを見返すなどして準備している方もいましたが、やはり場所がないため皆さん不便そうでした。
筆記試験
試験勉強を行う中で、「論述試験に回せる時間がない!!」と気づいてしまい、当時の私の作戦として「筆記試験は必ず合格する!!」ことに焦点を置いていました。合格率60%程度、落とすわけにはいかない気持ちで受けていました。手ごたえはそこそこ。
実技試験(論述)
論述試験についてはほとんど対策を行えず、また指導を受ける機会もないまま当日を迎えてしまいました。しかしいざ回答を作文していると手ごたえを得ることができました。
試験2日目
1日目試験を終え、1カ月程度後に面接試験が実施されます。論述試験で手ごたえを得ていた私は「もしかしたら合格できるかも」と面接試験に向けて1カ月間、自分なりに対策をして臨みました。
勉強会に参加
本番1~2週間前に職場の有志が実施する勉強会に参加させてもらい、そこで初めて口頭試問の練習を行うことに。覚えている口頭試問練習の質問は以下の通り。
クライアントとの関係構築のためにどう取り組みましたか?また関係構築はうまく図れましたか?そう評価した根拠は?
クライアントが本日相談したい内容は?
コンサルタントが捉えたクライアントの問題点はなに?
今後どのように相談を進めていきたい?
これをクライアント役、コンサルタント役、試験官役を交代しながら2セッション行いました。…この辺りから「あ、ちょっと試験のこと舐めてたな」と気づき始めます(遅い)。ロールプレイはまだ実務経験があるのでこなせるのですが、口頭試問の練習を初めて行った自分は結果的に自信を喪失して本番に臨むことに…。面接試験対策は人と練習しないとだめだと痛感しました。
実技試験(面接)
当日のロールプレイの詳細はこの記事では割愛します。印象に残っていること、読んでくださる方に伝えたい内容は以下の通り、失敗経験となります。…試験後はかなりへこんだことを覚えています(笑)。合格でも不合格でも、ありのままの弱点をしっかり見つめて、前に進んでいこうと思います。
普段と違いメモがとれない
普段の業務で紙に簡単な単語をメモしながら対応する癖がついていたため、普段と勝手が違い戸惑ってしまいました。
カッコつけていた
「演技する」とも言えますが、試験官の視線を意識してしまい、普段行わないような対応をしたり、口頭試問で普段使わない専門用語等を使ったりしていました。
自己不一致を抱えたままコンサルティングを行っていた
演技してコンサルティングに臨んだ結果、「クライアントのためにあろうとする自分」と「試験に合格したい自分」が両方存在することになり、自己不一致(矛盾)を抱えてしまいました。この状態のままコンサルティングを行うと、面談の序盤ではクライアントに向き合えていたのに途中で「相手の主訴を把握できていないかも」とか「この時間でまだ目標共有できていないのはまずい」とか試験合格のことを考えてしまい、クライアントに十分に向き合えませんでした。口頭試問でも、自分の行った発言が「クライアントのため」の場合と「試験に受かりたいため」の場合とで混ざってしまい、口頭試問時に自分の発言の意図を自分でも説明できなくなってしまいました。
まとめ
今回の記事をまとめると以下の通りです。
漠然とした不安を払しょくするために2級試験を受験することにした。自分のレベルを証明できると自信にもつながるはず。
筆記試験と実技試験は分けて申し込むこともできるけど、個人的には同時受験がおすすめ。インプット・アウトプットを両方行えば気づきも得られやすい!
面接対策、特に口頭試問の練習は人と行おう。本番を意識した練習が大事。
試験を通じてコンサルティング上の自分の弱点、課題を突き付けられた。自分と向き合う時間はつらくもあるけど、前に進むうえでとても大事。
次記事では結果発表について取り上げたいと思います。この記事が受験を検討している方の参考になることを祈っています。
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