【商品レビュー】 42154 2022 フォード GT
こんにちは。パーツショップ テクニクル店主のNa-Ga(ナーガ)です。
今回は以前の分解してみたシリーズの続編として個人用に購入したレゴのレビューをしたいと思います。
前回の『42151 ブガッティ ボライド』を分解しながら書いたレビューはこちら
【コラム】レゴ テクニック ばらしてみた。
【コラム】アクスルが抜けない……テクニックパーツの外し方
というわけで今回はこちらの『2022 フォード GT』を紹介したいと思います。
セット番号は42151 発売年は2023年となっております。レゴ公式の商品ページではセット名に『2022』と入っているので若干紛らわしいですが実車のモデルが2022年製造ということみたいです。
定価では1.8万円くらいですがセール中だったので1万円ほどで購入。それからしばらくショップの立ち上げなどで忙しくしており数ヶ月は放置していました。大きめのセットでボリュームがありパーツ取り目的でもダークブルーが多くて楽しみです。それでは開封していきましょう。
箱を開けると各セクションごとに袋分けされたパーツとインスト、一部の大型パーツが別に入れられています。袋はビニール製から紙製へと変更が始まっているようなので販売された時期などで変更されているかもしれません。
今回はきちんと順番通りに作っていくので『 1 の袋』から開けます。
撮り忘れがありますが『 1 』と書かれた袋から順番に開けていくことでそのセクションで必要なパーツのみを取り出せます。『 1 の袋』を使いきったら『 2 の袋』を開ける、という風に進めていくことで別工程のパーツと混ざらずスムーズに組み立てられます。同じ番号でも大きさや色などで大分されて複数あることがありますので私のように忘れないようにご注意ください。『リフトアーム フレーム』のような大きなパーツは別にして入っているため番号は書かれていませんがインストに表記されていますので見落とさないようにしましょう。
『1 の袋』
ここからは各セクションの気になったところをピックアップしていきながら組み立ての様子を紹介していきたいと思います。
最初の工程でいきなりエンジン部、後輪の足回りが組みあがります。いわば車の心臓部であり一番組んでて面白いところですが車の中心部でもあるため大抵は最初に終わってしまいます。 このセットもそうですが一部のセットではエンジンパーツがクリアになっていて内部の動きがよく分かるようになっています。後で紹介しますが完成後も完全には埋もれずちゃんと見えるようになっているのが嬉しいところですね。
ということで先に作っておいた後輪部分と組み合わせてこのセクションは終了です。この時点でそれなりの大きさになっていますがまだ座席より後ろの部分までしか完成しておらず流石のサイズ感です。
中心のギアがエンジンと繋がっており『ディファレンシャルギア』を経由して車軸と繋がっています。
オミットされがちな四輪車のサスペンションも搭載。見た目にこそ違いは現れませんがリアル感と組み応えは段違いに上がります。完成後に動かして遊ぶのも楽しい!この時点ではバネが強すぎる印象でしたが通常ピンと固定ピンを使って細かく調節しているだけに完成後はかなりいい感じのサスの効き具合です。
サスを搭載しながらエンジンとも連動している秘密はこのパーツのおかげ。ディファレンシャルギアとホイールハブを内部で繋いで回転運動も伝えています。
余りパーツ。こういった小さなパーツは各セクションで少しだけ多めに入っています。大きなパーツだと付け忘れの可能性が高いですがこのような小さいパーツだと余っているだけでは見分けがつきません。分解して付け直すのもかなりの手間になるのでページをめくるときやセクションごとにちょくちょく見直すといいと思います。余ったパーツはセットの組み立てには使わないので予備として持っておきましょう。
さて、次のセクションに向かいましょう。
『 2 の袋』
『 1 の袋』では車体の後ろ半分を作っていきました。『 2 の袋』は座席から前方を作っていきます。
まず目に入るのはこのリフトアーム。大きなサイズで交互にピンホールがある直交タイプ。大きな作品のフレームとして活躍しそうです。それでは組み立てに取り掛かっていきましょう。
前輪には後輪と同様にサスペンションが仕込まれていますが三股のトウボールが使われています。
最近ではミニボールジョイントとしてシステムロボの関節などに多く使われています。ネックスナイツのバトルスーツが初出かと思っていましたが実際にはそれより数年前にサスペンションとして使われていたみたいです。
そんなこんなで組み立てていくとこのような感じになります。先ほどのトウボールを使った機構があるのでパーツの向きには細心の注意を払いましょう。向きが違うとどう頑張っても接続できず分解するしかなくなります。
ホイール周りのアップ。剛性と機能性が両立されたサスペンションの作りが見事です。
さて、前方部分が完成したところで『 1 の袋』で作った部分と合体させます。中心のアクスルが前輪のステアリングと後方のギアを繋いでいます。これがのちに車の天井から飛び出しているギアと繋がり前輪のハンドルの役割を果たします。
ここまで組みあがったところでこのセクションは終了です。座席周りや運転席のハンドルなどがすでに出来上がっています。先に紹介した『リフトアーム フレーム』は運転席付近の横に付いており車の前後をしっかりと繋いでいます。さらに気になるのが運転席脇にトウボールで作られたレバー。後方に続いておりその正体は完成後に分かります。
『 3 の袋』
このセクションでは車体後部の外装を作っていきます。と言ってもそのほとんどがテクニックパネルを張り付けていく作業です。一見複雑そうには見えませんが車体の微妙なラインや曲線を再現するためにパーツが斜めに配置されているなど工夫が凝らされています。新型のテクニックパネル、ダークブルーのパーツが大量でパーツ的にもおいしいです。
屋根から車体に続く手前のテクニックパネルが下を通るパーツをギリギリで避けています。このパーツ自体も裏側で微妙に調節されてしっかりと固定されています。
真上から見るとこのような感じでエンジン周辺の外装が斜めに配置されています。内部を見せながらも外観を損なわないように工夫されています。
『 4 の袋』
前のセクションに続き前方のボディを作っていきます。
今さらですが今回もシールは貼らない方向です。しかしこの画像のヘッドライトのパーツもそうですが要所でプリントパーツが使われているのでそこまで薄味には感じませんでした。組み方的な面で言うとテクニックパネルやソフトアクスルが使われ上手く曲線が表れています。ただ実車の微妙な曲線を細かいパーツで追っているのが逆にごちゃごちゃ感を出してしまっているような気はします。ヘッドライトももう少し角度や大きさが違うともっと雰囲気が出るのかなあと思ったり……。文字通り『顔』に当たる箇所なのでその分難しくもあり目立つ部分でもあります。
このセクション終了時の全体図です。全体でみるととても良い感じです。パーツのつなぎ目や接続する上での制限。こういったことはレゴの宿命ですので、全体のバランスを見ながらいかにしてちょうどいいところに落としていくか……。正解はなくサイズ感でも印象が変わってしまうのがレゴで作ることの難しさかもしれません。
『 5 の袋』
さて、車体もほぼ完成しいよいよ大詰めです。
まずは車体後方のカバーを作っていきます。エンジン周辺の作りにマッチするようにこちらも角度が付けられています。
上の画像から裏返しの状態で車の屋根と合体。全体の一体感が増し、これだけで見栄えが違います。
というわけでドアとタイヤを付けて……。
完成!!
ドアについては下の項で紹介したいと思います。
『ギミック紹介&ギャラリー』
早速どんなギミックがあるか見ていきましょう。
ドアは斜め上に開きます。セットによっては開閉しなかったり簡単に作られていたりするのでこのサイズならではかもしれません。
内側ではこのような形になっています。なかなか難しい構造かつ接続点が少ないため若干強度は心許ないですが大きな負荷が掛かる位置でもないので大丈夫です。
さて、『 2 の袋』でいつの間にか付いていた運転席横のレバーは皆さん覚えていますでしょうか?
実はこれ後方のウイングと繋がっており……。
レバーを操作することでウイングを上げ下げすることができます。スイッチをわざわざ運転席のレバーにしているのが設計者の拘りを感じます。
前後方ともにカバーを開けて中を見ることができます。前方はステアリングとサスペンションの構造が、後方はエンジンと連動したディファレンシャルギアもじっくりと観察できます。見た目の完成度だけでなく頑張って作ったのに隠れてしまう部分もきちんと見る方法があるのは嬉しいですね。
バックを別角度で。やはり角度の付いたパーツ配置のおかげで実車の雰囲気も出て全体にまとまりがありカッコいいです。
最後に別角度から全体。斜めに入れても撮影ボックスの端までギリギリです。
まとめ
今回は『2022 フォード GT』のレビューでしたがいかがだったでしょうか?個人的にはギミックもデザインも高水準でまとまっているとても良いセットだと思いました。フロントも全体で見ると気にならず絶妙なバランスで仕上がっていると思います。この記事を見てレゴテクニックに興味がわいた方はぜひ挑戦してみてください!
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