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【フリーゲームについて】雑記.20241213

・3D×2Dアクション『プロトリジゲン』をひとまず完成させた(そういえば告知記事とか出してなかった)。無料で遊べる、いわゆるフリーゲームとして公開している。結果的に1年以上というかなりの時間をかけて作ることになってしまった本作をなぜ無料で出すのか、理由は色々あるが、そのひとつとして「フリーゲームという形式そのものへの憧れ」というのがあったと思う。


・自分が小学生の頃は、ちょうどニコニコ動画でフリーゲーム実況が流行りに流行っている時期だった。タイトルを上げ出すと枚挙に暇がないが、特に『ゆめにっき』と『Ib』は印象に残っていて、何度もプレイした記憶がある。グラフィックやサウンドから感じられる拘りに加えて、最後まで楽しんでもらえるようにゲームデザインに工夫が凝らされているのも素晴らしい点だ。『Ib』はもちろんだが、『ゆめにっき』も改めてプレイしてみると最低限のように見えてかなりユーザーフレンドリーな作りをしたゲームであることがわかる。

・『洞窟物語』にも同時期に触れていた。開発室Pixelによってほとんど一人で製作されたアクションゲームで、高難易度ながらも緻密に練られたゲームバランスと印象的なストーリー、BGMに至るまでクオリティが高く、衝撃的だった。                                                                                            

・それぞれに共通するのは、明らかにフリーゲームとは思えない、「お金取ってもいいはずなのに、なんで無料で出しちゃうんだろう」というほどのクオリティとこだわりだ。逆に言えば、そう思えるほどの作品をタダで世に出してしまうというある種の「かまし」みたいなもの(本人らはそこまで考えていないと思うけど)それ自体に魅力を感じている節もあるのかもしれない。


・でも、今は昔ほどそういう作品は多くない(少なくとも以前よりは減っている)。おそらくインディーゲームの隆盛が大きく関わっていると考えられるし、実際実況動画におけるフリーゲームのポジションは完全に取って変わられているように見受けられる。多分この風潮は今後もあまり変わらないだろう。


・先程紹介したものはどれも有名作で、異常なほどのクオリティの高さも含めて評価されているものだったが、フリーゲーム全体として見れば、良い意味で独りよがりな感じの作品が多いのもまた魅力だ。

ニシキガツオというサークルのゲームはその極みのような存在だと個人的に思っている。ホームページの「気持よさを意識し、ちょっとした多幸感をもたらすフリーゲームを製作するサークル」という表記の通り、音や操作感がとにかく心地良く、ゲームとしてもミニマルにまとまっている感じがしてそれも魅力だ。BGMも最高。


・そんなに関係ない話かもしれないが、昔のニコニコ動画には何処となくネット文化で儲けることを嫌う、いわゆる嫌儲の文化が浸透していたような印象がある。MAD文化等はその最たるものだ。当時のフリーゲームもそんな風潮と無関係ではなかったんじゃないかなと思う。

・更に極端な話をするなら、お金を貰わない(マネタイズされていない)ということは、社会との分断の象徴ともいえる。そんないわゆるコンシューマーゲームとは独立したフリーゲームのあり方は、当時のニコニコの雰囲気と相性が良かったのかもしれない。もしかしたらUTAUとかもそうかも。


・ともかく、作ったゲームをフリーゲームとして公開することは、自分にとってただ「無料で出す」というだけでなく、何か強い文脈を生む行為であるというように思えたのかもしれない(正直自分でもハッキリとはしていない)。上記の名作と同じカテゴリの作品ってことになるのはもちろんだし、たとえ時間をかけて作ったものが社会的な利益を生まなくても、その利益を生まない在り方自体に意味が生じているというか…


・要するに何が言いたいかといえば『プロトリジゲン』を遊んでやってくださいということです。おねがいします!!!!!!!!



・でも、今後フリーゲームばっかり作っていくという形にはならないと思う。肩肘張らず利益も考えずつくれるのは良いこともあるし悪いこともある。あと次は最初から最後まで一人で作ってみたいという気持ちがあります。

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