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【とまらない】雑記.20240401


昼の部に行った

・昨日、『ひなビタ♪LIVE2024 Sweet Smile Memories』を観に行った。
ひなビタ♪とはコナミが展開する音楽プロジェクトで、架空のバンド「日向美ビタースイーツ」が楽曲を作り発表していく様子をSNS上でリアルタイムに描いていくという当時としては斬新な手法が取られていた。本ライブは10周年を記念したものだ。
今回は声優さん4人とバックバンドの方々が5人という構成で、2時間程度と短めながらも盛りだくさんの内容だった。特にキャラクターコンテンツ特有のセリフ入り楽曲は生のすごみがあった。『ちくわパフェだよ☆CKP』のパワー。また、MCで語られるまで知らなかったのだけど、メンバーの一人である芽兎めう役の五十嵐裕美さんはひなビタ♪のライブに初参加だったらしく、その担当曲の初披露に立ち会えたのも嬉しかった。

・先ほど「取られていた」と過去形で書いたのは、ひなビタ♪の物語自体はとっくの昔に終わっているからだ。主人公たちは物語開始時点で16歳前後で、高校を卒業するまでの約3年間がリアルタイムで描かれた。つまり、彼女らは物語の上ではもう姿を消してしまっているのだ。この辺りは、15年目を超えても変わらずアイドルであり続ける『アイドルマスター』シリーズ等の登場人物との大きな相違点と言えるかも知れない。

・今回のライブには、そんなひなビタ♪の独特なあり方を見せつけられる側面もあった。


・本ライブでは、チケットの特典としてレコードが用意されていた。これには今回のために書き下ろされた新曲が収録されているのだが、まず僕はこのジャケットのイラストが衝撃だった。

・一見、↑のホームページに公開されているイラスト(公開時点)と同じ印象を持つが、全く違うものだ。ロングヘアーをバッサリ切った霜月凛さん(右)や、かなり大人びた風貌になっている芽兎めうさん(左上)がわかりやすい。もちろんそれ以外の全員にもそういった変化があるし、見比べると目が少し小さめに描かれていて、皆の顔から幼さが抜けていることも見て取れる。
明言はされていないが、ほぼ間違いなく物語開始時の2012年から10年後の姿だろう。

・自分の中で、彼女らは言わば時の止まった存在だった。いつまでも画面の中で高校生のままでいて歌っているような、そんなイメージで固定されていた。しかしこのイラストでは彼女らは確かに歳を重ね、各々の人生を生きていることが表されている。
そんな、我々と同じ時を生きているという作品故の言わば当たり前の事実に、僕はなんだか面食らってしまったのかもしれない。さらに言えば、自分は2012年の時は小学生だから、実際の計算だと年上だったな〜……と、そういう遠さみたいなものも感じてしまった。

この姿勢自体からはれっきとした作品愛のようなものを感じるというか、そのような描き方をするのは必然にも思える。それでも、僕は永遠だと思っていたものが失われてしまったような、悲しみとも虚しさとも言えない何かを感じずにはいられなかった。


・しかし、その中に収録されている『イマココ!この瞬間』は、動かない時を望む僕のラスボスみたいな思想に対する反論のような歌詞だ。逆に言えば、僕がしているような考え方はおそらく承知の上なのだろう。
本ライブでの声優さんのMCでも、決してこれで終わりではなく、末長くライブを続けていこうという意思が感じられた(なんなら姉妹ユニットのここなつの10thライブは今年中にやる気満々だった)し、それはこの楽曲も同じだと思った。変わらないのではなく、過ぎていく時の中で変わってしまっても、その時々の「イマココ」を大事に続けていく、というような姿勢だ。
この姿勢は、キャラクターたちが歳を取らないコンテンツよりも、ある意味で現実主義的なのかもしれない。

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