太陽光発電所のケーブル窃盗を防ぐ「FRPシールド」
刃を通さないFRPシールド
テックマツモトはJ-PITA(日本太陽光発電検査協会)に加入してまして、毎週数回ほど太陽光発電関係の有益な情報が流れてきます。本日も受信しましたが2024年12月時点でも北関東ではまだ銅線窃盗が続いているとのこと。
この一年で太陽光発電所の銅線窃盗対策として引込柱や集電箱へのフェンス(鉄網)やカバー(鉄板)を見かけるようになりました
上記のような鉄板/鉄網でのシールド(防御)をしっかりやっていれば完璧だなあ、カメラも不要かなと思っていましたが現実は費用や効果にまだ課題があるようです。
上記課題解決策を考案し、群馬と千葉で試行したのが「FRP」を使った防御方法です。「FRPシールド」と命名しました。
FRPの利点
ケーブルの形状や規模に関係なくカバーできる(例キュービクル内部等)
安価(低圧1区画規模なら材料費は数千円)
FRPは堅牢だが手軽に施工可能
FRPはクルマのエアロパーツ、レジャーボート、航空機の他、公園の子供用遊具でも多用されています。
硬化すると電動グラインダーなしでは切断/破壊できない程の強度を持ちます。ペンキ塗装する作業に近いのでDIYで施工することをオススメします。
材料/道具は一部ホームセンターまたは通販で入手可能です。
草刈り時のケーブル切断対策にも有効
雑草の草刈りを新人や外注に任せたら直流ケーブルや通信ケーブルを切断されてしまった。というのは全オーナーにとって共通の課題
雑草に紛れがちな低い位置のケーブルも「FRPシールド」で保護すると高速回転する草刈刃/チップソーが当たっても弾き切断されることはありません
FRP加工準備
主要材料(低圧一区画分)
道具関係
肌荒れ/汚れ対策
ゴム手袋(ローラーはベタベタする)
簡易つなぎ・エプロン等(樹脂の飛散→汚れ対策)
ゴーグル(目に入ると危険)
ウエス(布)や新聞紙
ゴミ袋/材料格納ボックス(材料臭対策)
◎制限事項
24時間雨天にならない日に実施ください。(晴れ曇りの日に実施すること)
FRP加工手順 ①ガラスマットを貼る→②FRPを塗る
1.ガラスマットを適当なサイズにカットしケーブル/フレキ管に巻き付けます
タコ糸、養生テープで固定します。(樹脂が浸透するとガラスマットが重みでダレてきますので8~10cm間隔で細かく留めるのが良い)
養生が必要な場所には新聞紙などを敷く
2.カップに樹脂と硬化剤を混ぜて1分程度撹拌します。
硬化剤は樹脂1Kgに対し冬3%(30g)夏1%(10g)
※硬化剤の分量が適切なら12~24時間で完全硬化します。
3.巻いたガラスマットに樹脂を塗り浸透させます。
浸透すると半透明になります。浸透漏れがあると強度が低くなります。
※ケーブルがむき出しになっている部分、隅の部分、強度が必要な場所には1層目が浸透したらガラスマットをさらに重ね樹脂を上塗りします。
4.ガラスマットがズレたり隙間ができた場合には、小さめにカットしたガラスマットで埋めるようにしタコ糸を巻いて補強します。
5.施工時の弱点を補うようケーブル露出部分やカッターで切れてしまうフレキ管をシールドで覆うことができれば完了です。あとは硬化待ちです。
洗浄剤でローラー、刷毛を洗います。
■硬化後の動画はYoutubeにアップしています
FRPシールドの指導/施工依頼・相談
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「AI警報カメラ」と「FRPシールド」を組み合わせると下見/侵入/犯行対策が実現します
★30年前に造形屋でクリエイター兼デザイナーとしてFRPを使ってテーマパークを作っていた経験が役立ちました。銅線窃盗被害が無くなりますように