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【フェーズ運用】フィジビリティを開始してわかったこと

今回は営業の商談フェーズ運用のフィジビリティを開始してどんな困難があったのかについてお話していこうと思います。

前回はフェーズ運用についてと、なぜフェーズ運用を開始するのか、という部分についてお話しました。前回の内容をまとめると以下の通りです。

《課題》
・従来の営業スタイルでは、営業プロセスのうちのどの部分でつまずいているのかが可視化されていなかった。また、フェーズも統一されていなかった。
《目的》
・フェーズを統一し、成功率の高い営業手法を標準化することで、顧客満足向上へつなげることができる。
・プロセスのつまずきを把握することで、自己学習を促したり、周囲からのアドバイスも受けやすくなる。

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フィジビリティの開始


営業組織全体での営業フェーズ統一・運用するに先立って、LIFULLではまずいくつかの営業グループでフィジビリティを開始しました。

フィジビリティの事前準備、運用方法は以下の通りです。

①フェーズ運用のルールを策定し、フィジビリティをおこなっていただく営業グループを選抜
②選抜したグループに対して、フェーズ運用のメリットや意義、運用ルールを共有
③実際に営業活動を行いながら、運用ルール通りにSalesforceでの入力を進めてもらう
④KPI数値を週次で確認し、上長と会議を行う(ルールの逸脱がないか、運用上での困りごとはないか、を確認)

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①の準備から②への共有会までで、およそ1~2か月ほどかかりました。意思決定者向けの説明会、営業メンバー向けの説明会をそれぞれ実施し、フィジビリティを開始しました。


運用をしていく上で難しいこと


①意義やメリットが伝わりづらい

まず、いくつかの営業グループを選抜し、営業フェーズ運用のメリットや意義をお伝えしました。メリットや意義というのは、冒頭でお伝えした部分です。
実現したいことや営業側のメリットをお伝えすると、その場では「それいいね」という反応がもらえることが多いのですが、実際にフィジビリティを開始してみると、「入力が大変」「やるメリットってある?」との声がありました。また、「登録すればいいんでしょ」というようにSalesforceの入力が目的化し、ただタスクをこなすだけ、という意識が出てくることもありました。

ここについては、メンバーや上長とコミュニケーションをしっかりとり、繰り返しメリットや意義をお伝えしていきました。1度の説明では理解・納得いただくということはなかなか難しく、やはり繰り返し伝えることが大切、という学びでもありました。


②成果主義から視点を変える

営業組織では売上や契約数といったKGIを評価しています。そこに至るまでのプロセスはどうあれ、目標に対して売上がどのくらいか、という視点での評価です。

フェーズ運用をおこなうことで、受注率、活動の効率化、フェーズ停滞の有無といった多様な視点で評価を行うことができます。しかし、営業担当者が成果主義のみの視点で活動をおこなっていることもあり、”成果主義以外の視点を持ってもらう”という意識改革とともに、プロセスデータの活かし方という技術的なことを理解していただくことには時間がかかりました。

先程もあった「意義・メリットが伝わらない」に近い部分ではありますが、今までの価値観、スタイルというのは一朝一夕で変えることはできません。
繰り返しの対話の中で相互の理解がより深まり、フェーズ運用についても少しずつ理解・納得が得られるようになりました。


③システム的な課題

営業フェーズを運用するにあたって、システム的な課題も多くありました。

まず、LIFULLではSalesforceを利用した商談管理をおこなっていますが、現状のSalesforceは「申込書作成ツール」としての側面もあります。そのため、こちらで策定した運用ルールが申込書作成に影響を与えないか、正しい状態で申込書を作成できるか、といった面でも注意が必要でした。申込書作成に悪影響が出ないよう、営業サイド、開発サイドの両者に丁寧なヒアリングを続けています。

また、営業担当者としても、申込書作成のために情報を登録している、という認識も強く残っています。申込書を取り交わすまでには必ずクライアントと連絡を取り合っているはずですが、そういった記録が登録されないことがあります。これでは、「その商談がどういった経緯で発生したのか」「なぜこの商品が受注できたのか」「なぜ失注したのか」といったことが記録として残りません。後任の担当者も引継の際に前任担当者に確認する必要がありますし、きちんと把握していないとクライアントとの関係性構築に悪影響が出るかもしれません。

「申込書作成ツールだから活動は登録しなくていい」という意識を払しょくしてもらえるよう、定例のミーティングでは意義やメリットを繰り返し伝えていくようにしました。


フィジビリティをしてみて、営業担当者の意識やシステム的な課題は見つかりましたが、良かった部分もありました。
フィジビリティを実施したことで営業組織の人員の約1/3に直接的な接触をし、しっかりとルールや運用方法をお伝えすることができました。全体への展開の前に、コミュニケーションを密にとることができ、信頼関係を築けたのではないかと思っています。


今後の展開について

LIFULLではフェーズ運用について2020年10月期から始動し、フィジビリティ期間を経て、2021年7月からの全社展開をおこなっています。

今後の展開について、以下のことを検討しています。

・データの分析活用フェーズへ移行→成功再現性の高い営業プロセスの確立
・システムの最適化

現状では、日々の営業活動が記録されていなかったり、失注商品が記録されていなかったり、ということが起こっています。そういったデータも、営業の生産性向上や商品の改善のためには必要なデータですので、データを蓄積していかなければなりません。データを分析・活用することで、「成功再現性の高い営業プロセス」を確立していこうと考えています。
また、システム面についても引き続き、より使いやすくなるよう社内でアプローチをしていこうと思います。


ご覧いただきありがとうございました。
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