
【第二種電気工事士】独学で一発合格に至った7つのポイントを共有します。
記事の長さ:約10分
この記事では第二種電気工事士試験に独学で一発合格に至った勉強方を共有します。本番をより詳細にシミュレーションした訓練で一発合格を実現しました。

これをやったから合格できたことリスト
試験対策として本当にやってよかったことリストがこちら(目次)です。気になるトピックがあればそちらからご覧ください。
1.過去問アプリ(無料)を利用する
基本情報技術者試験の際も大変お世話になった、下記に記載した過去問アプリを利用させて頂きました。スキマ時間を用いて繰り返し過去問を解き、正答率を満足するまで高めていきました。このアプリ(WEBサイト)では間違った問題にチェックをつけることで復習が簡単にでき、スマホでどこでも利用できる点も大変すばらしい機能で、管理人さんに感謝です。
参考書を買う選択肢もありますが、受験を予定していたテストセンター(パソコンを使っての受験)に近い状況で勉強し、パソコンを使った受験は戸惑いなく対応できましたが、ある別の問題が生じました(ポイント6にて説明)。
2.正しい工具と練習キットを購入する
技能試験では13種類の中からランダムに選ばれた1つの工作物(作品)を指示通りかつ制限時間内に完成させなければなりませんでした。よって、電気工事の経験が無い私にとって技能試験の練習は必須です。そこで試験で使用できる正しい工具と練習キットを購入しました。
工具については付属品の他に紙材の保護被覆を素早くかつ安全に切断するためにニッパーを買い足しました。中でも付属品のVVFストリッパーは必須工具で、これがなければ絶対に合格できませんでした。

練習キットは1回分を購入し、半端の電線を養生テープでつなぎ合わせるケチケチ練習を実行しました。練習後の電線は正しく分別した後、電線買い取り業者に買い取ってもらいました。
3.確実な合格品を把握するために参考書を買う
技能試験の独学で最も悩んだことは「練習で作った作品を自分で評価しなけれならない」ことでした。つまり、減点対象となる項目(欠陥)が何なのかを正しく把握できないまま練習を進めると合格率が一気に下がります。中には一発不合格の欠陥もありますので尚更注意が必要です。当初は公式資料の欠陥基準を確認していましたが判断に自信がつかなかったため、欠陥事例のすべてが絵で見てわかる確かな情報を入手すべく参考書を購入しました。
技能試験に係る欠陥の判断基準等について | 第二種電気工事士試験 | 電気工事士 | 一般財団法人 電気技術者試験センター
私が購入した下記のテキストシリーズでは欠陥基準が図で一覧になっていました。作品完成後、テキストの全ての欠陥例をみながら一つ一つ丁寧に判定しました。練習では「今回は大丈夫だろう」と思った作品に欠陥が生じたケースが多々あったため、愚直に判定の訓練を重ねました。その結果、練習を重ねるごとに欠陥例(やってはいけないこと)が完全に頭に染み込み、作業をしつつ「この作業はあの欠陥に注意だな…」と予防線を常にはり、やり直しによるタイムロスも防ぐことができました。
4.必ず時間を測り、ミスした内容を記録する
私が受験した際の制限時間は40分でした。本番では試験の終わりを告げられた時点で時間内に作品を完成できなかった方が何人もいらっしゃいました。また、私が練習で初めて作品を作った際の作業時間は70分でした。しかも、出来たのはしこたまミスをした不合格品です。これでは到底合格はできませんから、時間内に終わらせる工夫は絶対に必要だと判断しました。
結果として作業時間を測りミスを記録したことでペース配分(作業が遅れているのか速いのか)と苦手項目を意識できました。そして、練習を重ねるごとに70分の作業時間と不安がみるみる縮むのを目にし、合格への確かな自信と練習の楽しさがどんどん増していきました。
5.消せるボールペンで複線図とケーブルの使用量を書く
練習を始めた当初、少しでも手を動かす時間を増やすために問題用紙の配線図だけを見て作業を進めていました。ところが「接続箇所」「ケーブル長さ」のミスを頻発しました。特にケーブル長さのミスは取り返しのつかない状況に陥る可能性があります。そこで、下図の複線図に加えてケーブルの長さも記載しました。その際、3色の消せるボールペンで「青は接地線」「黒は電源線」「赤はその他の線」のようにケーブルの種類を識別する工夫を凝らしました。当初はボールペンを使っていましたが、間違った際に消せないためフリクションペンを採用しました。私が実施した試験開始から作業開始までの流れは次の通りです。
試験開始と同時にまず問題用紙の<施工条件>を確認する。
問題用紙の余白部分に複線図を描く
複線図に書いたケーブルの長さの合計値、種類、部品配置および配線などの施工条件が問題用紙の配線図と一致するかを確認する
(試験開始から約5分後)上記が終われば作業開始
本番では焦る気持ちからつい作業を始めたくなりますが、複線図を描かないままの作業は100%ミスをした経験が染みついていましたので、本番でも周りを気にせず練習通りに複線図の作図から作業をはじめ、試験終了まで残り15分の時点で作品が完成し、狙い通りじっくりと見直しができました。ミスを0に近づける努力をしたことが功を奏しました。


6.本番を想定し、作業しにくい環境(狭い机、騒音)で練習する
本番では下図のような問題用紙と材料箱が支給されることは把握していました。下図の写真を見て作業机は会議机のように奥行きが小さい=部材を落としやすいと予測しました。そこで、A3用紙を練習する机に張り付け、省(小)スペースでの練習を実施しました。
実は学科試験の際に会場の近くで運悪く道路工事が行われており、騒音が気になり集中力が途切れかけてしまうトラブルが発生しました。その事を練習中にふと思い出し、試しにYouTubeで道路工事のBGMを流しながら練習を始めると、笑いが出るほどペースが乱れミスを連発しました。そこで、絶対に一発合格を目指していた私は、(やりすぎかと思いましたが)アスリートのような気持ちで騒音下での練習を続けました。
さて、試験会場の机はやはり想定した会議机で奥行きがありませんでした。そしてさらに驚いたのが、いざ試験が開始されるとものすごく騒がしいのです。多くの受験者が工具を使って一斉に作業を開始しますので、居酒屋くらい騒がしいのです。しかし、騒音耐性スキルを持つ私は全く動じずいつも通りのパフォーマンスを発揮できました。騒音訓練は決してやりすぎではありませんでした。また、会場には時計が無かったため腕時計は必須でした。


7.ケガ防止と作業進捗確認のために※保護手袋と腕時計を身に着ける
作業進捗確認のためデジタル表記の腕時計を着用していました。また、作業中のケガはタイムロスに限らず、そもそも絶対に避けなければなりません。緊張や焦りで思わず力んでケガをするのを防ぐため、※保護手袋を着用して練習と試験に臨みました。※試験中の着用可否はご自身でご確認ください。
正しい知識と技能は安全意識を身に着けるために
私が第二種電気工事士の取得を目指したきっかけは電気DIYに取り組みたいからでした。資格取得後はコンセント部分の配線作業などを何度も行っています。これまで述べた勉強法は愚直に訓練を続け、正しい知識と技能を身に着ける地味なことがほとんどです。しかし、その過程があったからこそ作業の根底にある安全第一という意識が確実に定着しました。せっかく資格を取得しても火災や漏電、感電事故を起こしてしまっては悲しいばかりです。だからこそ、地味な訓練でも愚直に続けて本当に良かったと心から思います。これからも安全第一に楽しく電気DIYを続けていきます。
現在、ラズベリーパイをつかった自宅で使える便利な電子工作事例についての記事も執筆中ですので、記事が出た際はそちらもお読みいただけますと幸いです!最後までお読みくださりありがとうございました!
…
第二種電気工事士免状を取得すると、次のように一般用電気工作物等の作業に従事することが できるほか、実務経験又は講習で認定電気工事従事者認定証の交付を受けることができます。 (注) 一般用電気工作物等とは、一般用電気工作物及び小規模事業用電気工作物をいう。
1) 一般用電気工作物等の電気工事の作業 一般住宅や小規模な店舗、事務所などのように、電力会社等から低圧(600V以下)の電圧で受電する 場所の配線や電気使用設備等の電気工作物(一般用電気工作物及び小規模事業用電気工作物)を設置し 又は変更する工事の作業に従事することができます。
…
いいなと思ったら応援しよう!
