【決算要約】CPUシェア拡大、業績好調 AMD【FY21 Q1】
※ Youtubeによる解説動画も公開いたしましたので、よろしければご覧ください
AMDはコンピューター向けCPUやGPUを手掛ける企業であり、Intelの競合として長年比較されてきました。近年はCPU分野ではコンシューマ向けのRyzen、サーバ向けのEPYC(エピック)という新しいラインが好調なこともあり、Intelのシェアを徐々に奪っているような状況です。
コンシューマやx86サーバ向けのCPUシェアが伸びる一方で、ディスクリートGPU分野ではNVIDIAが強く、シェアが伸び悩んでいる印象です。
直近のトピックスとして、AMD社はFPGA(※)を手掛けるXILINXという企業の買収を発表、2021年4月のAMD株主投票で承認されました。
長く不遇の時期にあったAMDですが、半導体分野において、近年の成長は目覚しく、2020年の半導体売上シャアの 15位にランキングしています。1位のIntelにはまだ程遠いですが、見方によってはまだまだ伸びしろがあるとも言えそうです。
収益は、昨年同期比193%の急成長となっています。こちらはRyzen、Radeon、およびEPYCプロセッサの売上の増加によるものということです。
EPSは $0.96と前年同期比から約3倍という驚異的な数値となっており、大きく市場予測を上回りました。
株価は売上とあまり連動せず、昨年夏に急上昇してからはほぼ横ばい傾向になります。
米国の半導体銘柄をいくつかピックアップし、PERを比較してみると、AMDは成長期待が高いこともあり、Intelの3倍以上となるPER41倍という数値となっていることがわかります。
(ある意味ではIntelがかなりバリュープライスとも言えるかもしれません)
なお、直近のニュースで、同社はXLINXを株式交換による買収を発表しています。こちらは、ザイリンクス株1株に対してAMD株1.7234株を割り当てるというものでした。
Youtubeチャンネルの視聴者さんからのリクエストで、この買収および株式交換を加味してどちらが割安かを比較してみました。XLINXは株価そのままの値、AMDは株式交換比率である「1.7234」をかけた値となっています。
ほぼ相関している両者の株価ですが、4/26時点ですとXLNXの株価の方が安くなりますので、2021年度の買収を見越し、長期保有を考えるならXLNXの方を購入する方がお得と言えそうです。
収益・EPSともに市場予測を大きく上回っています。またFY21 Q2のガイダンスも発表していますが、こちらも予測を上回る形となりました。
2021年通年では、50%成長を見込むとされており、AMDの快進撃はまだまだ続きそうです。
今回の解説内容は以上となります。
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