【IT未経験者がチームリーダーとして牽引!】ビジネス案をアプリ開発に落とし込むカギとは
Tech0 Boot Campはビジネスとテクノロジーを融合させ、新しい価値を創出できる人材を育成するための場所です。
Tech0の講義ではStep1からStep4まで用意されており、Webの仕組みからHTML&CSSやPythonのプログラミング技術を学ぶ基礎学習をStep1・2で終えた後、Step3では実際にアプリ開発に挑戦するという流れです。Step3の最終発表を終えた後、さらなるブラッシュアップをStep4で行います。
今回はStep3の課題「新規事業や既存事業のDXといったビジネス面を踏まえたアプリを企画開発」について各チームが発表を行いました。
そして最終発表で審査委員賞を頂いた3チームの代表者の方々に、アプリ開発に至るプロセスについてインタビューを行いました!
▼お話を聞かせて頂いた受講者
【イベント詳細】
イベント名:マネーの小虎(6期生Step3-2最終発表)
日時:2024年4月25日(水)19:00~22:00
場所:JINS東京本社 安田シーケンスタワー
💡この記事はこんな人におすすめ💡
1.アプリ開発の肝は「課題の特定」
ーーTech0のStep3で開発に取り組んだサービスについてお聞かせください
大西さん:私たちのチームは、上司と部下のコミュニケーション課題に焦点を当てた「カワルワ」というアプリを開発しました。日頃から、感じていた人事課題をテクノロジーの力で解決できないかと考えたのが出発点です。
しかし、ディスカッションのなかで人事課題が非常に多く挙げられ、それら全てを解決することは難しいと考えました。その中で、特に自身が経験してきたコミュニケーションギャップに関する問題が頭をよぎりました。話を聞いてみると、ちょっとした認識のズレが原因となっていることが多くありました。
そこで、私たちは「部下と上司のコミュニケーションが上手くいかないことで生じるすれ違い」に注目しました。
この課題を解決するために、「行動の可視化」というアプローチを取りました。思考ではなく行動に着目したのは、行動が具体的に可視化されることで、両者の認識のギャップが生じにくくなると考えたためです。これにより、漠然とした問題が具体的に捉えられ、効果的な解決策を見つけやすくなると考えました。
森明さん:我々のチームは、異分野の研究者が発見できる「マッチングプラットフォーム」を開発しました。課題選定の背景には、チームの一人が研究職の方だった事が挙げられます。彼が「企業に所属する研究開発者や商品開発者は異なる分野の知見を収集・活用するためにリサーチ段階に多くの時間と手間をかけている」という問題を提起し、テックの力を活用してこれを解決することに決定しました。
今回の発表では審査員の方々に「インタビューの量」を評価していただきました。全員本業がありながらの作業ではあったものの、商品開発担当者や相談相手となる研究者など合計1 0人ほどにインタビューを実施することができ、ビジネスアイデアを具体化するための「現場のニーズ・リアルな声」を拾い上げられたと思います。
そこで、日常の業務に影響が出ないようなシンプルで気楽に使用できるマッチングプラットフォームがベストだとわかり、そのアイデアをアプリ開発に落とし込みました。
宇田さん:私達のチームは、子育てに役立つ「マネトレ」というアプリを開発しました。このアプリは、未就学児を対象にお金の教育をすることを目的としています。チームメンバー全員が育児中だったこともあり、課題選定の段階から「子育ての助けになるサービス」を作りたいと強く思いました。
また、市場調査をしていると、日本にはマネー教育サービスがほとんどないこともわかりました。しかし、近年は金融教育の重要性が増し、高校の義務教育に組み込まれるなど、ニーズの高まりを感じていたので、ビジネス面でも価値のあるアプリになると考えました。
私自身も子育てを経験するなかで、幼少期からお金に対する正しい考え方を育てる必要性を強く感じていました。審査員の方々からは「テストユースの充実度」を評価していただきましたが、実際に私の娘やチームメンバーの子どもへの取組を通じて、開発途中にもニーズを細かく把握できたのは大きかったと思います。特に、娘が今あるお金では購入できないアイテムに遭遇した時に「どれくらい貯金すればいいのか」「どうやったら増やせるか」という長期的な目線でお金について考えている姿勢には驚きました。
2.ビジネスアイデアをテクノロジーに落とし込むことへの難しさ
ーーアプリ開発の際に最も苦労したことは何ですか?
大西さん:「カワルワ」の開発では、上司と部下の双方が快適に使えるインターフェースの設計に苦労しました。特に、行動を可視化するというコンセプトを技術面に落とし込むことの難しさを実感しました。
上司が部下からのフィードバックを建設的に受け入れ行動変容につなげるには、デザインやメッセージの見せ方に工夫が必要でした。また、アイデアベースでさまざまな機能が思いつきましたが、すべてを実装するのは難しいという問題もありました。このような難易度の高い課題にチームで取組むことでビジネスやテックスキルはもちろんのこと、「最優先課題は何か?」を問う論理的思考力が身についたと思います。
森明さん:「マッチングプラットフォーム」の開発では、レコメンドシステムの精度向上が課題でした。ユーザである商品開発担当者が入力した相談内容を自動でラベル化し、それを研究者の持つ知見とマッチングさせるというものでした。Tech0でそのロジックを形にする作業を経験し、テクノロジーを実践する難しさを肌で感じましたね。チーム全員がアプリ開発未経験者だったため、技術的な理解を深めながら、アイデアを形にする作業は本当に大変でした。
宇田さん:「マネトレ」の開発では、特にUI/UXに苦労しました。対象が未就学児ということもあり、直感的に操作できるようなシンプルで親しみのわくデザインを目指しました。また、子どもが飽きずに続けられる工夫を凝らす必要もあり、サービス開発では常に「ターゲットのペルソナを具体的に想像する」ことの必要性を感じました。
実際にサービスを形にしていくなかで、お金を貯めたり増やしたりするプロセスを学べることを実感でき、色々な人に欲しいと言ってもらえたのは本当に嬉しかったです。
3.一連のアプリ開発の経験で、サービスは”使うもの”から”作れるもの”に
ーーTech0で得られたこととは?
大西さん:Tech0を通じて、チームの力を活かし目標を達成するという貴重な経験が得られました。最初はアプリ開発の課題が非常に複雑で、どこから手をつけるべきか分からない状況でした。しかし、目標を明確に掲げることで、達成するべき課題が見えてくることを実感しました。
アプリ開発は一人では到底実現できなかったと思います。しかし、チーム全員で議論し、各々の得意分野を活かしながらゴールを目指す体験は、Tech0に入らなかったら得られなかった非常に貴重な体験だったと思います。
森明さん:サービスを作り上げるプロセス全体に対する理解が深められたのは、Tech0のおかげだと思います。これまでは、単にサービスを使う立場に過ぎませんでしたが、Tech0を通じて、実際にサービスがどのように構築され、リリースされるのかを深く学ぶことができました。具体的には、アイデアを具体化し、ユーザーのニーズに応じたサービスに落とし込むプロセスにおいて、多くの視点から考えられるようになりました。事業やサービスのハードルが大幅に下がったと感じています。
宇田さん:Tech0のなかで、アイデアを単なる発想で終わらせるのではなく、実際のサービスに昇華させる力が得られたと思います。アイデアを出す段階から「サービスに落とし込むにはこのような課題が生じそうだ」という予測が立つようになり、より実現可能性の高いアイデアが発想できるようになりました。また、ビジネスやテクノロジー、デザインなど多角的な目線から課題を捉え、アイデアをブラッシュアップしていく能力が身についたのもTech0を受講したおかげだと思います。
4.Tech0で得たスキルを社会に活かせる人材へ
ーー今後の展望を教えて下さい。
大西さん:今後は、Tech0で培ったスキルを活かし、人事領域で役立つサービスを開発したいと考えています。今回制作したアプリについて会社の役員の方からも「自社に導入してほしい」との声をいただいており、テクノロジーを活用した上司と部下の関係改善に向けた実用的なツールとして更にブラッシュアップしていきたいです。
Tech0に入ったことで「できない理由」ではなく「どうすればできるか」を考える習慣がついたので、最初から無理だと考えずに、少しでも社会をより良くできるサービスを開発していきたいと思います。
森明さん:今後は、Tech0で学んだスキルをさらに磨き、より多くの人々にリーチできるサービスを開発したいと考えています。現在はStep4としてStep3の発表のフィードバックも踏まえてサービスのブラッシュアップにチームで努めています。さらに、ビジネス視点での改善にも注力していきたいと考えています。より広い範囲の人々に利用してもらえるようにし、利益の出るサービスにしたいです。
宇田さん:Tech0での経験を活かして、今後もプロダクトを作ることには携わりたいと考えています。以前から、将来的に自分で事業を立ち上げることも視野に入れていましたが、ソフトウェアのプロダクト開発は経験がありませんでした。しかしTech0に入って、プロダクト開発の楽しさや拡張性に気づき、キャリアチェンジもできました。今後も、アイデアを形にしていく力を伸ばしながら、社会の課題解決に貢献できるプロダクトを開発できればと考えています。
5.審査員からの総括
ジャフコグループ㈱
西野 孝幸 氏
「エンジニアではなく、大企業の事業サイドの方々が自らコーディングし、プロダクトを構築していることに感動しました。社会課題、起業課題、事業課題の解決ツールとしてテクノロジーを活用していく今後の皆さんの活動が楽しみです。」
ニッセイ・キャピタル㈱
三野 隆博 氏
「非エンジニアのメンバーがゼロから数ヵ月で高品質なデモを披露するというのは感嘆に値します。Tech0が掲げる『ビジネス×デジタルで日本に創造と変革を起こす人材へ』というコンセプトの実現に対する本気度がひしひしと伝わってくる発表会でした。」
6.最後に
Tech0は、テクノロジーとビジネスの交差点に立ち、社会の課題を解決するソリューションを生み出す場として、多くの可能性を秘めています。
受講生たちはビジネス的思考力だけでなく、エンジニアとしてのスキルも伸ばし、自らの手で課題を解決するスキルを身につけることが可能です。
これからもTech0を通じて新たな価値を創造できる多く人材が輩出されることが期待されます。
テクノロジーを駆使して自らのビジネスアイデアを形にしたいと考えている方は、ぜひTech0のプログラムに参加してみませんか?
【主催】株式会社Tech0(https://tech0-jp.com/)
Tech0は日本に足りていないプロダクトマネージャー養成を目的としたブートキャンプを提供するコミュニティです。
GoogleやAmazonなどのプロダクトファーストな企業が世界をリードしているにも関わらず、日本ではいまだにハードウェアとしてのプロダクトが中心となっています。このモノ思考からコト思考(サービス)への転換をリードするのは、ビジネス(事業創出能力)に加え、テクノロジーも理解した人材=プロダクトマネージャーだと考えています。
この思考のもと、Tech0では、テクノロジーを活用出来るプロダクトマネージャーを育成するサービス「Tech0 BootCamp」を提供しております。
【メディア掲載】
■Forbes Japan
https://forbesjapan.com/articles/detail/51492?internal=nav_bv_1
■Newspicks
https://newspicks.com/news/8010106?ref=index&block=subEyecatch
■CNET
https://japan.cnet.com/article/35199843/
■PRTIMES
https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/139071