お疲れ、自分。
冬というのは、忍耐の季節だと個人的には思っている。去年は受験生として、全国にいる見えない敵とひたすら戦っていた。あれほどエキサイティングな経験はなかった。そして今年は、ひたすらバイトを頑張った。12月1日からずっと、週3.4日のペースで、1日8時間労働を黙々とこなした。すべては新しいギターを買うために。
それが今日、終わった。
終了のチャイムとともに、僕の心は意外と穏やかだった。待ちに待ったこの日だが、終わってみると、案外あっけなかった。
作業場から出て、手を洗う。
鏡には、何かを成し遂げた男の顔が写っていた
2ヶ月という時間と引き換えに、ギターを買う
17万円のそれは、きっと大学生活で1番大きな買い物だろう。
俺は、4年間を共にするギターをようやく手に入れるのだ。
きっと明日にはこんなバイトをしてたことなんて忘れている。やっと手に入れた相棒と、戯れる日々が始まるのだ。そうだ、これは終わりではない。スタートラインに立ったのだ。
野心に身を任せ、情熱的ギタリストになる道を突き進むのだ!
明日からは新しい日々の始まりだ。
でも、今は頑張った自分を讃えたい。
家に帰ってゆっくりしたい。
お疲れ、自分。